クレール日記

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第5回定例会議 個室トイレについて

昨日、第5回定例会議を行いました。

定例会議は
・週間実施工程説明
・前回打ち合わせの確認
・現場視察
・発注者、設計管理者、施工者それぞれからの伝達事項や検討事項に対する協議

といった流れで行われます。

私たち黒潮園、益田設計事務所益田氏、鈴木氏、夏山組現場監督畠さん、三隅さん、協和水道萩原さん、勝山電気寺本さんが集まり現場事務所にて行っています。

<現場視察>
地階の地域交流室に可変間仕切りなどにより、部屋のバリエーションを増やす工夫ができないか議論する小林事務長と益田設計鈴木さん。
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今回の主な議論はナースコールやコンセント、トイレの手すりやボタンの位置の決定です。コンクリート壁にレイアウトされた部分は、配線などを行うため事前に確定しておく必要があるのです。
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クレール高森ではトイレを各居室ごとに設けています。
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南棟2Fユニット



プランの検討の際にはローカに居室2つに1つのトイレを配置するのか、
居室ごととするのか大変悩みました。

これにはメリット&デメリットがあり意見が分かれるところです。
これまでの施設は共用トイレとすることが一般的でしたが、最近は個室化にともない各居室に設ける施設が多くなってきています。

個室ごとにトイレを設けることは、生活空間にトイレがあるという環境が排泄の自立につながるほか、プライバシーに十分な配慮ができるなど理想的です。

しかし‥
・部屋に匂いが広がるのでは?
・掃除が大変
・トイレの様子を把握できない
・寝たきりなると使用されない
・何よりトイレの個数分のコスト高となる‥  などのデメリットの指摘もあります。





トイレの行為を他人にお世話してもらわないといけないという状況を考えて見てください。
どうでしょうか?

出来る限り自分のチカラで、自立した生活を送りたいですよね。

排泄ケアは最もその方の尊厳やプライバシーに配慮すべきケアと考えています。
そこで現在、黒潮園では自立支援のケアとして、出来る限りおむつを使わないケアに取り組んでいます。





今回の施設のコンセプトとして、特養であっても比較的介護度の軽い方の受け入れも考えており、要介護であっても自分自身の思いをしっかりとお持ちの方が、その人らしい暮らしが継続できる施設を目指しています。



ですから、結論はご自分の部屋でおトイレができる個室トイレとしました。



・部屋に匂いが広がるのでは? 
  ⇒換気方法にかなり工夫しました。(現場視察の中でダクト経について紹介
・掃除が大変 
  ⇒利用者本位のケアをします。ですから掃除は職員が頑張ります。
・トイレの様子を把握できない 
  ⇒トイレに入るとセンサーが感知し、職員が居室の外からでも自然なランプの点灯で気づくことができるア  イデアを設計しました。
・寝たきりなると使用されない
  ⇒自立支援型の施設としてケアに取り組みます。
・何よりトイレの個数分のコスト高となる‥
  ⇒多少コストUPとなっても理想の施設を追求します。

ということです。





現在は各メーカーさんもバリやフリーや要介護者向けの製品に力をいれており、そのレイアウトの基本寸法が細かく指定されています。
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ご利用者さまにとって優しい施設かどうか、よく考えられた施設かどうかは、ご利用者さまが実際に使用することを想定した寸法、またはケアの内容を考慮した寸法をどう決めるかによって左右されるものと考えます。

ですからここには強いこだわりがあります。


設計士さん十分な理解があり、一般的な寸法で決定していくのではなく、必ず一つひとつ私たちとの検証と確認を行ったうえで決定してくれます。




本当は多くの職員で検討する時間があればいいのですが、工期の都合上そうもいかず、介護経験の豊富な小林事務長、理学療法士である私、そして設計プロである設計士さんの裁量で決めていくしかありません。


黒潮園で導入した排泄姿勢に考慮した前方支持テーブル
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今日は黒潮園で改修したトイレで、手すりの位置やトイレットペーパーの位置をセンチ単位で検証し、オリジナルの寸法を出しました。



またまた長いお話になってしまったので、細かい内容については次回にしたいと思います。





さて話は変わり‥

昨晩は新宮の花火大会(熊野徐福万燈祭)でしたね。

熊野速玉大社下の熊野川河川敷から約5000発の花火が打ち上げられました。

約400mにわたる熊野川の川幅に広がる 名物ナイアガラの滝
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毎年、約4万8千人の観客が訪れるなか‥
なんと、会場で設計士の益田さんと鈴木さんにばったり出会ったのです。
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これもご縁ですね。

長い時間の打ち合わせお疲れ様でした。

今日は「熊野川の川下り」に行かれているとか?
一日、この紀南の地でゆっくり心身をリフレッシュして東京にお戻りください。
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by kuroshioen | 2013-08-14 14:58 | Comments(0)

ユニットリーダー研修報告 第2弾

こんにちは、事務長の小林です。

平成25年7月、ユニットリーダー研修に参加しユニットケアについて学びました。その内容を数回に分けて紹介しています。本日は第2回目です。

前回はユニットケアについて紹介しました。
今回はユニットで働く介護職員のリーダー(ユニットリーダー)の役割と期待について解説します。

入居者・家族への対応
1、個々の入居者の生活習慣やリズムに合わせたケアをすることは正しい事だと誰よりも信じている。(一斉一律の介護は良くないことを理解している)

2、個々の入居者の事をよく知る為に、本人・家族からの聞き取り、ケース記録・フェースシート等で情報収集をしている。またその情報をユニット職員に目に見える形で示し共有できるようにする。

3、現在のケアのあり方について、ケアプランに基づき、本人や家族に「なぜそうしているか」等を納得してもらえるように説明する。

組織の一員であることを理解する
4、施設の理念、目的、部門での目標等をしっかりと理解するために、施設の沿革や年度ごとの事業計画等を把握する。

5、自施設の常勤・非常勤の職員等、職員配置を理解している。

上司・部署間と連携する
6、上司から与えられた事案や課題に対して、根拠やデータもなく「人がいないからできません」等と言わない。常に柔軟・論理的な発想を持ち提案をする。

7、他部署との連絡・調整をするために普段から積極的にコミュニケーションをとっている。

ユニット職員と連携する
8、ユニットをチームと意識させるために、組織の理念に基づき目標を掲げ、伝えている。

9、会議が時間内に終了するように事前の意見収集や資料等の準備をしている。

自己学習する
10、介護の考え方・介護技術・認知症・重度化した利用者への配慮・感染管理等についての最新の知識を身につけるために積極的に情報収集している。

ユニットリーダーとして大事にしたい3つの心構え

1、「もし自分だったらという入居者視点」
  「自分の住まい」~ここで暮したいと考えるか~
  「自分の暮らし」~好きな時に飲み食いできるか~
  「自分の意見」~好みや意見を言えるか~

2、最初から「他人のせいにしない」
  「人手がないからできない」~自分の施設の人員配置を言えますか?~
  「施設長が、部下が」~最善を尽くしましたか? 自分から近寄りましたか?~
  どうしますか?の前に~「自分はどうしたいか」ちゃんと言えますか?~

3、問題・課題解決の正しい順序
  解決までの手順を踏む
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写真は研修施設のカラオケルームです。“作るなら本物志向“と施設長がおっしゃられていましたがまさしく本物のカラオケボックスでした。(^^)

 続きは第3弾で
by kuroshioen | 2013-08-13 15:58 | Comments(0)

ユニットリーダー研修報告 第1弾

おはようございます。黒潮園事務長の小林です。

平成25年7月、ユニットリーダー研修に参加し、ユニットケアについて学びました。その内容を数回に分けて
ご紹介します。

老人福祉法の施設整備及び運営に関する基準で以下の内容が示されています。
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注目して頂きたいのは自立(手助けされずに生活する)と自律(自分で決めたペースでくらす)の違いです。
つまりユニットケアでは“入居前の居宅における生活と入居後の生活が連続したものとなるよう配慮しながら、自律的な日常生活を営む”ことを支援していくという事です。

それを実現するためのユニットケアの4つのポイントを紹介します。

1.少人数ケア体制をつくる
   ・10人前後の入居者のグループに職員を固定配置する。
   ・一人ひとりの24時間・毎日の暮らし方をよく知る
     一人ひとりを把握しやすい・なじみの関係を作りやすい

2.入居者が自分の住まいと思える環境をつくる
   ・自分の暮らしがある
   ・暮らしに必要な場(キッチン、トイレ、浴室等)が身近にある
   ・地域の雰囲気を感じる場がある
   ・どこの部屋も場所も家や地域の建物と変わらない事を大切にする。
     今までの暮らしを継続してもらうには、なるべく今までと変わらない環境が必要

3.今までの暮らしを続けてもらえるような生活をつくる
   ・好きな時間に寝起きしたい
   ・好きに飲み食いしたい
   ・好きな時にゆっくりとお風呂に入りたい
   ・トイレには恥ずかしい思いをせずに行きたい
     人それぞれの暮らし → 個別対応

4.24時間の生活と暮らしを保証する仕組みをつくる
   ・チームケアの仕組みづくり(申し送り・勤務・記録・研修・ケアプランなど)

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写真は7月16日の施設での昼食です。研修場所は京都でしたので祇園祭という事もあり鱧料理と
炊き込みご飯でした。私もご馳走になりましたが美味しかった(^^)
ユニットで炊く炊き込みご飯の臭いは食欲をそそります。
又、京都では毎月1日に赤飯を食べる習慣があり、赤飯が出ると1日と気付く方がおられると聞きました。

続きは第2弾で紹介します。
by kuroshioen | 2013-08-03 10:24 | Comments(0)

ユニットケア施設管理者研修

東京での研修から帰って来ました
7月22日~24日の3日間の日程でユニットケア施設管理者研修を受講してきました。

その間のブログ更新を担当してくれた事務職員の越水さんは、とてもパソコンに精通した強い味方で、法人のIT関係の全てを管理してくれています。それだけでなく私たち職員がパソコンの操作で困ったときは、その場で無料パソコン教室を受けることができます。

ちなみに黒潮園のホームページは私と越水さんによる企画と、広報員会による手づくりで運営を行っています。
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これからもいろんな職員による投稿でこのブログの運営をしていきたいと思います。




さてユニットケア施設管理者研修は、受講することでユニット施設を開設する際に必要となる管理者の認定証を受けることができます。今回は既に開設している施設を含め、全国から60施設の施設長の方が受講されています。
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まる一日の講義とグループワークを3日間、かなりの内容がつまった研修です。
その様子は、ユニットケア推進センターのホームページにもアップされています。

その写真に私の姿が・・・

頬杖をついています。疲労のピーク?いや真剣に考える姿です!


グループワークは毎朝、席替えを行い、全て違うメンバーで討議を行うため、色々な意見を知ることができました。

野球のチームでも監督によってチームのカラーが異なるように、組織はトップの理念や方針次第とも言えます。同じユニットケア施設へ取り組むにおいても、それぞれの法人のケアへの思いや人材の考え方、運営方針がありたいへん興味深いものでした。

ある東京の開設予定の施設の方から‥ 

介護福祉士 時給1500円 夜勤手当1回12,000円 給料28万円
という募集要項のチラシを頂きました。

当然、家賃など生活を行うための物価が全く違います。 しかし、これぐらいしないと都心では職員が確保出来ないということです。 新しい施設を計画しても人が集まらず大変という話もあり、介護人材不足も深刻な問題と言えます。
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一方では夜勤手当は2000円という法人も‥

他には‥

「とにかく業者を泣かせています。だから建物を坪単価55万円で建築しまたよ。」
「東北は冬に建築工事が少ないから、時期によっては建築費をかなり下げることができるから坪45万で考えているよ。」
といった建築費に関する話題や‥

「経営上、人件費率は何%が適切なのか?」
「基準の人員配置では、このユニットケアは難しく勤務シフトを組むのが大変です。」
「夜勤の配置が2ユニットで1人はきついですねー。」

など‥ 

やはり、皆さんのお話では小規模の施設では建築費と人件費といった収益性についての議論が多いように思いました。


私たちは『より良い労務環境があてはじめて、より良い人材が集まり、そしてより良質なケアにつながるもの』と考えをモットーにしています。この素晴らしいユニットケアが理想論ではなく実現するためには、やはり手厚い人員配置ができるかということにあると思います。
そこで現在、小林事務長と様々なシュミレーションを重ねながら、手厚い人員配置と長期的な事業経営の安定化について検討を重ねています。

介護現場ではより良いケアに日々挑戦しています。経営こそチャレンジだと思います。


最後に参加者全員が1人づつ前に出て、演習で各自が立てた導入計画書の発表がありました。

そこで‥

「1ユニットに1名の夜勤配置もしくは、日中の人員配置を手厚くする計画を立てます」
と強気の発言をしてきましたが‥


今後の展開にご期待ください。
by kuroshioen | 2013-07-26 16:21 | Comments(0)

ユニットケア  集団ケアから個別ケアへ

こんにちは。本日も事務部・越水が担当致します。

既存特養の黒潮園と建設中のクレール高森との大きな違い、それは黒潮園が多床室(相部屋)で従来型施設であるのに対し、クレール高森は個室でユニットケア施設であることです。

では、「ユニットケア」とはどういうものなのでしょうか?

2000年、介護保険制度のスタートにより特養は大きな変革を迎えました。措置から契約への転換です。

2000年以前は措置の時代、常時介護を必要とし居宅での生活が困難となった高齢者を行政が職権で入所させケアする、それが当時の特養でした。
居室は多床室が一般的、ケアも施設側の業務の都合で定めたタイムスケジュールにそって提供していました。入所者様を個でなく集団として捉えた画一的、流れ作業的ケアです。入所者様が施設の日課に合わせて生活されていたわけです。

2000年に介護保険制度がスタート、入所者様が施設を選択し、契約により介護サービスを受ける制度です。これが入所者様個々のニーズに合わせた個別ケアへの転機となりました。

ユニットケアとは入所者様お一人おひとりの個性や習慣、生活リズムなどに合わせた個別ケアを
実践する為の手法です。具体的には10人以下の「ユニット」と呼ばれるグループに分けてケアを行います。
少人数に対して固定のスタッフが対応することで個別のニーズを的確に把握し、お一人おひとりに対して適切なケアを提供します。
(既存施設の黒潮園はユニット型ではありませんが、各フロア毎に分けてケアを行なう「フロア制」を導入しています。これもユニットと同様の効果を狙っての取り組みです。)

言葉で書くのは簡単ですが、実践するのは容易ではありません。
当法人は創立36周年を迎える地域でもっとも歴史と伝統ある施設です。長年にわたって蓄積された介護に関するノウハウを有する反面、時代遅れとなった集団ケアの意識を引きずっているという一面がある事も否めません。
ユニットケアの実践にむけてはこれら負の遺産を払拭し、全職員間で個別ケアに関する理念を共有し、意識を統一する必要があります。

クレール高森開設に向けては建物の建設というハードの準備だけではなく、これらソフト面での体制作りも必要になるわけです。

一昨日お伝えしたとおり、岡理事長は現在「ユニットケア施設管理者研修」を受講中です。
また、先日は小林事務長が「ユニットリーダー研修」を受講しました。
研修で得たユニットケアの理念、ノウハウを職員に伝え、法人全体で共有することが新設のクレール高森のみならず既存の黒潮園のケアの質を向上させる事にもつながると思います。
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by kuroshioen | 2013-07-24 13:45 | Comments(0)

クレール高森の開設時期と黒潮園改修計画

今回、計画したクレール高森は平成26年3月末の完成を目指しています。
中期事業計画のビジョンにありますように、その後時期をずらした開設を計画しています。
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この7月1日で現行の黒潮園は、開設36年を迎えます。
昭和56年前に鉄筋コンクリート造の建物の耐震基準が改訂され、以前の建物は現行基準を満たさない可能性があると言われています。
学校や県事務所など公共の建物の耐震補強工事や建て替えが行われているのはこのことが1つにあります。そこで黒潮園の耐震診断を行ったところ、居室棟は全く問題なく、事務棟など一部に軽度の耐震補強工事で十分な安全が確保されることが分かりました。
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黒潮園は築年数が経過した今でも綺麗な状態を保っています。
しかし、様々な課題もあります。
当初の設計ではトイレや浴室においてはプライバシーが十分に配慮できているとは言えません。
また、厨房など水回りの作業を有する部分の老朽化もみられます。
より理想の施設をとの想いを持てば持つほど不満も出てくるものです。



地域福祉を支える高齢者施設としてクレール高森とともに、黒潮園はこれから更に数十年の歩みを必要としています。建て替え計画も一時ありましたが、現在は補助金制度が大きく変わり、大半を自己資金で計画しなければならず非常に難しい課題です。しかし一方で現行の施設の改修工事は、入所者さまを一時的に退所していただく訳にもいかず、大変難しいことです。

そこで、今回、この新しい施設が完成すれば、一時的に黒潮園のご入所者さまに移って頂きながら、空いたフロアーごとに改修に取り組む計画をしています。ですからこの新規事業計画はまたとない施設の改修のチャンスとも言えます。



平成21から平成23年の第一次中期計画では、介護職員の増員や処遇改善など魅力ある職場づくりと、専門的な質の高いケアの構築に向けたケアの見直しなど、全面的な現場改革に取り組みました。
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今回の平成24年からの新たな中期事業計画は、新施設の建設と既存施設の改修というハード面に関するたいへん大きな計画となっています。

黒潮園はこれまで重ねてきた素晴らしい歴史の歩みから、これから永く未来に向けた施設へと、とても重要なターニングポイントにあります。この計画を成し遂げることが出来るよう全力で取り組んで行きたいと思います。
by kuroshioen | 2013-07-10 17:37 | Comments(0)

なぜクレール高森を計画したのか③ 新宮市の施設定員と地域密着型特養


おはようございます。
今日は朝から強い雨が降っています。

先週の雨でもこの地域の降雨量は400ミリを超え、近くの国道168号線が通行止めとなりました。今回も気象庁から大雨に警戒するよう呼びかけられています。

よって本日は掘削工事は中止となり、地面を雨が叩く音だけが聞こえてきます。
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さて、新宮市の入所施設の定員ですが、市内の介護保険施設すべて合わせると365床となります。そのうち新宮市の方が247名入所されている状況です(平成23年8月末現在)。同時に新宮市内の施設ではなく、市外にある施設に入所している方が364名もおられます。
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これは新宮市内の方であっても住み慣れた地域で入所できず、他の地域にある施設に仕方なく入所せざるを得ない状況があるということです。黒潮園のご家族アンケートの結果からも入所施設、特に特養の整備がニーズとしてうかがえます。やはり新宮市には入所施設は不足しており、整備が喫緊の課題であると言えます。
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施設名称に「地域密着型特養」という言葉が何度も出てきますが、この地域密着型の特別養護老人ホームの主な特徴は入所定員が29人以下と小規模であること、そして入所の対象者は原則として事業所の所在する市や町の住民のみであるということです。

平成18年度の介護保険制度改正で新たに導入された地域密着型サービスの1つです。
現在、行政は予算の問題?から規模の大きな施設ではなく、これまで住み慣れた地域での生活を続けることができるという点からも、この小規模な特養を各市や町に整備することを進めています。

このような背景から、第5期(平成24年~平成26年の3年間)の介護保険施設整備計画では新宮市、那智勝浦町、串本町の各市と町に、それぞれこの地域密着型特養整備の計画が立てられました。

新宮市の整備計画は公募に伴うプレゼンテーションにより、審査の結果、私ども社会福祉法人黒潮園に事業者決定されました。

「クレール高森」は新宮市にお住まいの方をお受けする施設です。言いかえればこの地域を代表する施設とも言えます。施設の入所というより、住まいを新しい場所に移すという思いでこの「クレール高森」での暮らしを選んでいただけるような施設にしていきたいと考えています。

by kuroshioen | 2013-06-26 10:39 | Comments(0)

なぜクレール高森を計画したのか② 入所施設と利用料金

こんにちは。外はすっきりしない梅雨空ですね。
工事は敷地造成が重機3台により急ピッチで進められています。

私たちは新宮市の第5期介護保険事業計画で公募のあった地域密着型特養(個室特養)と認知症グループホームのうち、なぜ個室特養(クレール高森)に取り組んだのかをお話したいと思います。

認知症の方にとって自宅を離れて施設に入所するということは、その環境変化は相当なものと言えます。グループホームはもともとスウェーデンで、認知症により一人暮らしができなくなった方々数人を民家でケアを始めたことが起源と聞いています。台所で料理する音やご飯の炊ける匂い、そして家屋という落ち着ける空間など、日常生活に近い環境でケアすことによって、病院では暴れたり落ち着かなかった認知症の方が驚く程に落ち着いて暮らされたということです。

前回もお話させていただいたように、これまでの多くの入所者さまを一律にケアする集団ケアでは、多岐にわたる高齢者のニーズにお応えすることは難しいと言えます。

実は現在、新宮市旧市内にはグループホームがありません。よって当初は市の高齢者福祉充実のためにはこのグループホームが必要ではないかと考えていました。

一方で、ご入所者やご家族にとって気がかりとなるのは、施設入所にかかる利用料金ではないでしょうか?

一般的に個室となるグループホームや高齢者住宅の1ヶ月の利用料金は安くても10万円は超えます。一方で特別養護老人ホームの場合、利用料金のうちの居住費と食費について、ご本人の所得等の条件によって減免される制度があります。

これにより減免対象の方であれば同じ個室であっても特養なら6万円と約半額で入所できます(介護度3・利用者負担区分第2段階の場合)。4人部屋の黒潮園の利用料金は同じ条件では約4万5千円弱ですから、プラス1万5千円で、個人のプライバシーが保たれる個室の施設が選択できるということになります。

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では認知症専門に対応すると言われるグループホームと、地域密着型特養とどこが異なるのかという事ですが‥‥

まず部屋は同じ個室です。そして9部屋を1つの単位としたユニットにより、個々に合わせた支援を行うケア方式も同じです。名称こそ異なりますが、住環境においては特に違いがないということです。同じユニットケアを実践するのであれば特養であってもグループホームであっても同じであると考えています。

違いがないのであれば利用料金がご入所者さまやご家族に負担のない方がいいのではないでしょうか?
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また高齢者住宅やグループホームは民間企業でも経営できるため、全国的にもどんどん建てられています。その一方では、職員の体制やケアの質が十分でない施設もあるとの声も耳にします。しかし、特養においては公益性のある社会福祉法人でなければ事業を行うことができません。

正直申し上げまして、建築コストはグループホームと比較して圧倒的に特養の方が高くつきます。また地域密着型特養は事業の採算性が低いとも言われています。(詳細は次の機会に‥)

しかし地域に根ざして歩んできた社会福祉法人黒潮園としては、やはり私どもにしか成し得ないこの特養の建設に取り組むことが地域貢献ではないかと考え、地域密着型特養の公募に申し込みさせて頂きました。

そして、多くの夢を持ってこの新規事業に望んでいます。
この施設を通じて、これからの新たな施設のあり方を追求していきます。

なぜ『クレール高森』を計画したのか③に続く

by kuroshioen | 2013-06-25 15:33 | Comments(0)

なぜ『クレール高森』を計画したのか① 入所待機者と施設

ご承知の通り、地域では高齢者の入所施設が圧倒的に足りていません。
黒潮園の入所待機者数は279名(平成25年6月22日現在)となっています。

よく、「施設入所は順番待ち」と言われますが、実は県が定める入所指針に基づく入所規定により、要介護度4・5といった重度要介護者が優先的に入所する仕組みとなっているのです。
ですから、介護度が軽い段階で前もって申し込みをされた方が入所判定委員会にかかることは難しくなります。(介護度が重くなればその都度ご連絡をください)

新宮市のデーターによると、介護度別にみると入所申込者のなかで要介護度3の方が最も多くなっています。重度要介護者ではなくても何らかの理由で在宅生活の継続が難しい状況にある方が多くおられということです。
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今後の高齢者を取り巻く課題に大きく3つのことが考えられます。
①高齢者の重度化
②認知症高齢者の増加
③独居高齢者(高齢者夫婦世帯)の増加

冒頭にもお話したように入所待機者は要介護度が重い方ばかりではありません。介護度は軽くても認知症がひどく自宅介護が難しい方、また子供たちが県外で働いているなど、新宮市に独居で暮らされている要介護者の方も多くおられます。

認知症の方にとっては生活感の感じられない広々とした施設ではより悪化してしまうこともあります。一方で自分自身のペースで暮らされている独居高齢者の方にとって、既存の4人部屋の施設は、その人の尊厳を大切にした生活の場として十分と言えるのでしょうか?

そこで私たちは中期事業計画において『地域を支える福祉システムの構築』をかかげています。

高齢者の重度化に対応する施設として既存の黒潮園を位置づけ、より専門的で質の高いケアの提供を目指し研鑽に励んでいます。一方で、認知症高齢者や独居高齢者においては既存の多床室特養ではなく、生活空間を十分に配慮した個室の施設の整備が必要と考えています。

『クレール高森』は暮らしの支援する施設として、比較的要介護度が軽い方のニーズへの対応を想定しています。
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この度、新宮市の第5期介護保険事業計画(平成24年から平成26年)では個室特養(地域型特養)とグループホームの整備が計画され公募がありました。そこでなぜ黒潮園はグループホームではなく個室特養(クレール高森)に取り組んだのかを次回にお話したいと思います。(なぜ『クレール高森』を計画したのか②

by kuroshioen | 2013-06-22 14:37 | Comments(0)

施設の名称について

クレール(clair)はフランス語で「明るい」「澄みわたる」という意味で、英語ではクリアー(clear)と同じ意味になります。
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今回新しい施設は、この海を眺めるこの高森の地に、水平線から昇った太陽が燦々と差し、周囲の木々の緑が映える、まさに明るく澄みわたった様子をイメージし設計に望んできました。
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また施設を設計するという概念にとらわれず、この豊かな自然を活かすととともに、モダンでいて生活の場としてどこか居心地の良さを感じる空間づくりをコンセプトにしています。これらの考えから、おしゃれなフランス語のクレールという言葉が、この施設のイメージにぴったりと思います。
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入所される方が、楽しみや期待感をもって生活の場を移していただけるような施設を目指して参ります。どうぞご期待ください。

by kuroshioen | 2013-06-18 11:13 | Comments(0)