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クレール日記

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第15回定例会議  工程確認と現場視察

こんばんわ。


今日は定例会議でした。

一週間が過ぎるのがあっという間ですね。



工程報告では、北棟の型枠建て込みは順調に行っており、予定通り年末28日(土)にコンクリート打設ができるとの報告がありました。共用棟は年明けの1月10日がコンクリート打設予定ですが、1日でも早めることが出来ないか検討されており、明日には最終決定されます。

RC造の難しいところは、事前にコンクリートを打つ日を決定し、生コン屋さんに予約をしなければならないという事です。配合してしまった生コンはその時しか使えないため、この日程に合わせて配筋職人さん、型枠大工さんが作業を終わらせる必要となります。

工期を出来るだけ早める必要のある今回の計画では、日程調整は大変難しく工程管理のさい配がとても要となります。


【北棟】
2階部分の型枠建て込みが急ピッチで進められ、作業はもう屋根部分まで来ました。
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現場視察ではリビング(共同生活室)の位置からの景色を確認しました。
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写真①
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写真②
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写真③
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写真④
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クレール高森は、既存黒潮園と同じように青い海、そして木々の緑と山の稜線という、豊かな自然と素晴らしい風景を各居室やリビングに取り込むよう考慮し設計しました。

南棟とはまた違った景色の見え方で、ユニットごとに異なる個別性があり、とても素敵なユニットであることを再認識できました。 (設計で狙った通りの景色に満足です)
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【南棟】
型枠の脱型を終えた外壁では、外装の仕上前のがコンクリート補修作業が行われています。
コンクリートの表面の凹凸をサンダーで削り、左官職人さんが薄くコンクリートをならし下地処理が進められています。
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生コンが硬化すれば、次いで仕上げに入れる訳ではありません。
鉄筋コンクリート造の建築物が建てられるまでに様々な手の込んだプロセスがあることに感心します。

【共用棟】
階段室やエレベーター室の配筋と壁の型枠建て込みが進められています。


いよいよ仕上げ(内装関係)の詳細決定が最終段階にあります。
機会があれば少しづつ紹介させて頂きたいのですが、あまりにも内容が豊富でして‥
とにかく思考回路フル回転で、密度の濃い打ち合わせを重ねています。
# by kuroshioen | 2013-12-17 23:23 | Comments(0)

自動車純正色?

以前に、クレール高森は「施設というよりも、住まいとしての空間づくり」にこだわりたいというお話をしました。例として屋内消火栓の設えをあげ、その考えを述べさせて頂きました。

設計図面で屋内消火栓は北棟ショートユニットでは下駄箱、壁面収納の木製家具の中にレアウトされています。その他のユニットでは壁面に埋込む設計となっています。
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㈱ユニオン社製 消火栓ボックス
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施工例:兵庫医療大学


仕上げの打ち合わせの中で、この屋内消火栓のカラーリングの決定が必要となり、
鈴木設計士と議論しました。


設計士さん「この消火栓ボックスはシャープなデザインでかっこいいものなので、これをインテリアとして活かすためにも、オーダーで焼付塗装をしたい。」

私「いやいや、出来るだけ違和感なく、住まいとしての空間に馴染むよう、壁紙など周囲の仕上げ材と同じもので仕上げたい。」 「すくなくとも当初のコンセプト通り、家具の部分の家具調仕上げは外せないですよ」


そこで、出てきたのは自動車塗装のカラー見本です。

トヨタ、日産、ベンツからポルシェまで‥ 国内外の自動車メーカーの純正色が‥ 
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車好きの私としては興味がひかれます。


設計士さん「この中から、私はこの色(ガンメタ)がカッコイイと思いますが‥」

私「ならば、もう少し明るくお洒落なシャンパンゴールドのほうが軽い感じでいいのでは?」
(ちなみにサッシ枠の色も同じシャンパンゴールドです)

設計士さん「なるほど、この色はお洒落で高級感があっていい!」




という風に‥

色々と議論した結果

木製家具に収めた消火栓は同じ木調の仕上げ材で家具と一体的にデザインすることとし、壁面の消火栓にはフォルクスワーゲン純正色チタンベージュメタリックの焼付塗装を採用することになりました。
(一層のこと、あこがれのメーカーの純正色を選ぶのもありだったかも‥ )
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クレール高森の屋内消火栓をご覧になられたときは‥

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フォルクスワーゲンかぁ‥ って気付いてくださいね。
# by kuroshioen | 2013-12-16 14:02 | Comments(0)

工事 南棟屋根から

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夕方、仕事がひと段落したところで‥
足場を登り、久しぶりに南棟屋根に上がってみました。

ちょうど北棟と共用棟を見下ろすことができます。
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先日の1階部分のコンクリート打設に引き続き、休む間もなく2階部分の柱・梁の配筋と型枠の建て込みが、同時進行で行われていました。

見る見るうちに建物の高さが伸びていきます。
これに合わせて建物を取り囲むように職人さんが段取りよく足場を組んでいます。

この北棟2階部分は、奥に見える黒潮園の屋上より高い位置にあります。
(という事は‥お部屋から海が眺めることができるということです。)
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南棟と北棟を結ぶ共用棟
左に見えるのは2階に上がる階段室の壁です。
これから事務所や職員更衣室など、それぞれの部屋が壁で形作られていきます。


共用棟は柱や梁のない壁式構造です。
このため北棟や南棟と型枠の組み方が違っているのが分かりますか?

太い柱や梁がない代わりに、配筋される鉄筋の太さも太く、ピッチ(間隔)が狭くなっています。
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北棟はこれから年末28日のコンクリート打設に向け、屋根まで一気に建て込む予定です。
# by kuroshioen | 2013-12-13 23:42 | Comments(0)

浴室設計① 施設の入浴と個浴

施設ではどうしても、自宅の暮らしとはかけ離れていることが多々あります。

その一つに入浴場面があります。一度に大勢の方を入浴介助するためには、複数の職員が配置され、大衆浴場のような浴室でそれぞれ脱衣、洗身、着衣と業務を分担し、流れ作業的に進められえます。

黒潮園では「施設だから仕方ない」ではなく、ご利用者本位の『ゆとりある介護を目指そう』ということで、介護職員を大幅に増員し業務の見直しに取り組んできました。そこでお一人お一人に合わせた『個別のケア』と『自立支援のケア』に取り組み多くの成果が見られています。

しかし、この入浴に関してはほとんど成果が出ませんでした。
その理由と施設ケアの課題についてお話をしたいと思います。

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【従来型施設の入浴】

皆さん、施設の暮らしではお風呂に週何回入れると思いますか?

施設における入浴回数については、省令である指定介護老人福祉施設(特養)の人員、設備及び運営に関する基準にて、従来型特養では『週2回以上の入浴または清拭』と定められています。

これは少ないと思いませんか?

現在、黒潮園では100名のご入所者が暮らされています。
100人の方を1度に入浴することは不可能であり、1日に約30数名の方の入浴介助を行います。すると入所者全員がお風呂に入るのに3日かかる計算となります。このことから省令で定められている入浴回数は、1人につき週2回となることがわかりますよね。

ですから既存型施設での入浴は、週2回というのが一般的となるのです。



では次に、お一人の入浴時間について考えてみましょう。

黒潮園の業務では入浴時間は以下のようになります。
AM9:30~11:00   90分
PM13:30~15:30 120分    1日の入浴時間計210分
210分÷30人=7分/人

お一人あたりの入浴時間は約7分という計算になります。

これが従来型施設ケアの現状なのです。想像して頂ければわかると思いますが、この限られた時間で円滑に安全に入浴をして頂こうと考えるとどうしても作業分担的とならざるを得ません。ですから、何とかしたいと思っても既存のケアでは、ゆったりとお風呂に入って頂くということは難しいのです。




【ユニットケアにおける個浴】

これまでも新しく取り組むユニットケアについて紹介してきましたが、クレール高森では小さなケア単位(1ユニット10名)で暮らしを支援します。

この入浴を考えるとよく解ります。


まだ業務内容は決定していませんが、仮に先ほどの計算と同じ1日210分の入浴時間を設けたとすると、1人の入浴時間は約20分となり、ゆっくりと入浴して頂くことができるようになります。

これはとても大きな意味を持ちます。

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設計では各ユニットに浴室を設けています。それぞれ4箇所のお風呂があります。
そして家庭のお風呂のように個浴槽を設置します。

入浴の流れも全く異なります。 一人の介護職員がお部屋からお風呂に案内させて
頂き、脱衣から入浴までマンツーマンで介助することとなります。

このように個別対応が可能となるため、ご希望があれば女性には女性職員が支援する同性介護にも対応したいと考えています。また職員から「夕方のお風呂もできれば」という声も上がっています。

このようにユニットケアでは、これまでの施設ケアのあり方を大きく変えることができます(その可能性があります)。 週2回だとしても『ゆっくりとお風呂に入ることのできる暮らし』っていいですよね。




【個浴の課題】

ユニットケアにおける入浴についてお話をしました。
そこでどのような入浴の様子を思い浮かべますか?

そのシーンは、お年寄りの方がスタッフの力添えで湯船に入り、スタッフと会話をしながら笑顔でお湯につかっている様子ではないでしょうか?

現在、行政は要介護4・5の方の優先的な入所を進めていますが、寝たきりで重度な方の施設入所のニーズを考えると、個室ユニットケアに若干の疑問が生まれてきます。入浴においても、重度要介護者をマンツーマンで家庭のお風呂のような個浴槽に入浴を介助することは、安全面からも高い介護技術を要します。

既存の特養ではその方に必要とする介護レベルに合わせて、寝たまま入浴できる臥位式機械浴槽を使用します。これにより、重度要介護者が安全にゆったりとお湯に浸かることができるのです。医学的な管理の必要性も高く、病院の様と言われる既存の多床室ケアが適する場面もあるように思います。
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個浴が最も素晴らしい入浴方法とは思っていません。大切なことはその人その人に合わせたケアだと思います。どのようなニーズを想定しているのか、目指すケアのあり方、その施設の役割・機能を明確にし、それに合った設計をする事が重要です。

クレール高森は、ADL(日常生活動作)の自立と暮らしの継続をニーズとした方のレベルを想定した設計を行っています。 (介護度3~4といった感じでしょうか?)



今回の浴室の設計で最も考察したのは、ご入所者の身体レベル(要介護度)と適する浴槽の選択です。

家庭と同じような浴槽がいいか?
リフト付き浴槽がいいのか?
将来の重度化に備えて機械浴槽が必要か?

入浴のあり方をどのように考え設計を進めたのか、詳細を浴室設計②で述べたいと思います。

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# by kuroshioen | 2013-12-12 08:35 | Comments(1)

オイルタンクが現場に

クレール高森では、停電時の電力確保のために、動力式自家発電機を備えています。

これから想定される南海トラフ大地震など色々と思案した結果、ライフラインが停止しても事業継続が可能となるよう、空調から照明まで3日間の電力が確保できるよう設計しました。

昨日、その燃料を供給するオイルタンクが運び込まれました。
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実際に見るとやはりその大きさに驚かされますね。
このタンクは外構工事により土の埋め戻しを行い、地下に埋められます。





さて、今日は北棟コンクリート打設の日です。
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現場からはコンクリートを打つポンプ車の音のほか‥

コンコン トントン
と木槌を打つ音が響いていいます。

よく見ると、生コンを流し込まれる型枠を下でを叩き、音の響きで、ちゃんと生コンが行き届いているか確認をしている音でした。また型枠を下から上へたたくことで、コンクリート内部の分離した水を追い出します。



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また生コンの打ち込み作業と同時に「コンクリートバイブレーター」という機械を挿入し、打ち込んだコンクリートに高い周波数の振動を与え、内部の空隙を排除し密度の高いコンクリートにする、締固め作業が行われます。ひび割れのない丈夫なコンクリートであることはとても大切なことです。

木槌で叩いたり、バイブレータという機械で高周波の振動をあたえると、液状化によりコンクリート密度を高め、不要な混入空気を除去することで、強度が高く きれいに仕上がったコンクリート構造物 ができるのです。

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このようにコンクリート打設は、打ち込み作業と締固め作業、叩き作業とそれぞれの職人さんの連携で行われています。
# by kuroshioen | 2013-12-11 12:25 | Comments(0)