クレール日記

kuroshioen.exblog.jp
ブログトップ

ユニットリーダー研修報告 第1弾

おはようございます。黒潮園事務長の小林です。

平成25年7月、ユニットリーダー研修に参加し、ユニットケアについて学びました。その内容を数回に分けて
ご紹介します。

老人福祉法の施設整備及び運営に関する基準で以下の内容が示されています。
f0299108_1074235.jpg

注目して頂きたいのは自立(手助けされずに生活する)と自律(自分で決めたペースでくらす)の違いです。
つまりユニットケアでは“入居前の居宅における生活と入居後の生活が連続したものとなるよう配慮しながら、自律的な日常生活を営む”ことを支援していくという事です。

それを実現するためのユニットケアの4つのポイントを紹介します。

1.少人数ケア体制をつくる
   ・10人前後の入居者のグループに職員を固定配置する。
   ・一人ひとりの24時間・毎日の暮らし方をよく知る
     一人ひとりを把握しやすい・なじみの関係を作りやすい

2.入居者が自分の住まいと思える環境をつくる
   ・自分の暮らしがある
   ・暮らしに必要な場(キッチン、トイレ、浴室等)が身近にある
   ・地域の雰囲気を感じる場がある
   ・どこの部屋も場所も家や地域の建物と変わらない事を大切にする。
     今までの暮らしを継続してもらうには、なるべく今までと変わらない環境が必要

3.今までの暮らしを続けてもらえるような生活をつくる
   ・好きな時間に寝起きしたい
   ・好きに飲み食いしたい
   ・好きな時にゆっくりとお風呂に入りたい
   ・トイレには恥ずかしい思いをせずに行きたい
     人それぞれの暮らし → 個別対応

4.24時間の生活と暮らしを保証する仕組みをつくる
   ・チームケアの仕組みづくり(申し送り・勤務・記録・研修・ケアプランなど)

f0299108_1128249.jpg

写真は7月16日の施設での昼食です。研修場所は京都でしたので祇園祭という事もあり鱧料理と
炊き込みご飯でした。私もご馳走になりましたが美味しかった(^^)
ユニットで炊く炊き込みご飯の臭いは食欲をそそります。
又、京都では毎月1日に赤飯を食べる習慣があり、赤飯が出ると1日と気付く方がおられると聞きました。

続きは第2弾で紹介します。
# by kuroshioen | 2013-08-03 10:24 | Comments(0)

災害対策③ 電気の確保

クレール高森では、近い将来、高い確率で起こるとされている南海トラフの大地震で想定される災害においても事業継続ができるよう設計を進めてきました。

前回、災害対策①では断水時の水の確保についてお話をしました。私たちが経験した台風12号による豪雨災害では、幸いにも長時間にわたるような停電はありませんでした。


暑い毎日が続いていますが‥

もしも今、災害が起きたとします。

そして停電し‥ 復旧するまでの1ヶ月間、電気機器が全く使えない暮らしとなることを想像して見てください。
f0299108_959546.jpg


もちろん夜は明かりがなければ大変不便です。

冷蔵庫の中のものは腐ってしまいます。

何よりエアコンが使えません。
この猛暑の中、とても耐え難いことですね。

そしてその中で介護をすることを想像してみてください。
いかがですか?




東日本大震災ではインフラは壊滅的となり、断水だけではなく長期にわたり停電が続きました。災害施設の復興に関するシンポジウムではこの停電により大変な苦労をされた様子を耳にしました。
f0299108_1002769.jpg


真っ暗な施設でのおむつ交換、排泄介助‥ 思い浮かべただけで大変なことです

認知症の高齢者の方が夜になると、不穏になり精神的な衰弱が著しかったとのことです。また興奮される方や徘徊などがつづき、これを制止しようと暗闇の中で職員が奮闘するなど、現場は大混乱の模様だったそうです。

そして何より3月という東北ではまだまだ寒い季節で、暖を取ることができず多くの方が体調を崩され、命を失った方も多数おられたそうです。

ありったけの衣類や毛布では足りず、低体温の高齢者を人の熱で少しでも温めようと、毎晩介護職員がともに布団の中に入り介抱したという話も耳にしました。

このようにひとたび大規模災害がおこり、長期間に停電が続くということは、ちょっとした停電と状況は全く異なり、想像以上に大変なことなのです。ですから電気の確保は最も重要な課題と言えます。



そこで

①太陽光発電の活用
②自家発電設備の充実
f0299108_1004351.jpg

の2点から検討を始めました。

震災以降、電気を貯める蓄電技術の研究開発が急速に進んでいますが、現在のところまだ難しい状況です。ですから①太陽光発電の活用では、昼間に発電した電気を蓄電することが出来ないことから見送ることにしました。

②自家発電設備ですが、施設や病院では非常時の自家発電設備を備えています。
しかし、これは一時的な停電の際に、非常灯やエレベーターを稼働させるなど、最低限の電気量を補う程度のものが大半だと思います。

これでは、前述したように災害時におけるケアの継続は不可能と言えます。

特にその間、冷暖房といった空調設備が使用できるかどうかは、高齢者施設において大変重要なポイントとなると思います。

そのためには、どれくらいの発電量が必要となるのか?最低3日間程度、生活が継続できるためにはどうすればいいのか?費用は?など‥‥ かなり検討を重ねました。

f0299108_1082897.jpg


その検討の中で工夫したポイント、結論など詳細は次回、災害対策④でお話したいと思います。
# by kuroshioen | 2013-08-01 10:34 | Comments(0)

第4回定例会議 中水システムの課題

猛暑続きの紀南地方です。

ニュースでは局地的なゲリラ豪雨の報道を見ますが、年間降雨量多い当地方にもかかわらず、にわか雨程度でおおむね晴天が続いています。

よって工事は順調に進んでいます。
本日は共用棟の基礎・底板の配筋検査を終えました。

現場視察の様子
f0299108_1230325.jpg
f0299108_12305414.jpg

            左から小林事務長・益田設計鈴木さん・協和水道萩原さん


第4回定例会議では、以前このブログでもお話した災害時(断水時)の水の確保として、沢水と雨水をトイレの排水等に活用する「中水システム」について詳細を検討しました。
f0299108_1232451.jpg


当地方の山間部ではこのように沢水を生活用水に活用している家庭があります。

中水として、井戸水は最もきれいな水です。
雨水も空気中のホコリなど多少は含みますがきれいな水と言えます。
沢水には細かい砂などがどうしても混じります。

経済的に水を活用できる一方で、沢水の場合、見えない水の汚れでトイレのフィルターが詰まるトラブルや長期間使用するうちに便器に汚れが出てくるなど、様々な課題もあるのです。


この課題について設備設計担当のRS設備企画の櫻沢さんも参加し、水道設備担当の協和水道萩原さんと益田設計鈴木さん、そし私どもで大変白熱した議論がなされました。
f0299108_12323642.jpg

           RS設備企画の櫻沢さん(右)


中水は沈砂槽、濾過槽、取水槽を経てできる限り、きれいな水を高架水槽に運ぶ設計となっていますが、沢水利用の実用性の検証と、沈殿した砂の清掃などメンテナンス方法の検討が主な論点です。

比較的きれいな雨水を優先的に中水として活用し、沢水は補填として扱うシステムとすべきではないか?

沢水の水質から、汚れはそれほど問題なく使えるのでは?

雨水の取水において、集中豪雨時に貯水槽に一気に流入し溢れないのか?

一つ一つ時間をかけて検討しました。


雨水も沢水も枯渇した場合など、中水の貯水量が少なくなった場合には、自動的に水道水は追加されるシステムが採用されています。今後、出来るだけフィルターを汚さないきれいな水を循環させるシステムとなるよう更に検討を重ねることとなりました。
f0299108_12341881.jpg

f0299108_12343239.jpg


これらの課題を約2時間半議論をし‥

ふと気づけば夕方の6時となっていました。

この災害時の水の確保における「中水システム」は今回の設計の重要なポイントの一つです。
どんないいアイデアであっても実用性に問題があるようでは意味がありません。
実際に使用する状況をいかにイメージし、起こりうる課題も十分検討する必要があります。

このように設計者・施工者・私たち発注者で活発な議論を重ねながら工事を進めていけることはとても大切なことです。そこででた結論により完成する建物は思い入れのある素晴らしいものとなると思います。
# by kuroshioen | 2013-07-31 12:41 | Comments(0)

南棟基礎の上に立つ

工事は順調に進んでいます。

南棟部分の基礎コンクリートの打設を終え、型枠も外して土の埋め戻しでまで終え、南棟基礎が出来上がりました。


先日、大阪にある河内総合病院のリハビリスタッフの神代先生が黒潮園に来園されました。

神代先生は言語聴覚士という失語症や嚥下障害(飲み込み)のリハビリを専門にしているリハビリの先生です。神代先生は理事長の元同僚で、親友でもあります。また法人の役員も担って頂いています。

黒潮園に2週間に1度の頻度で黒潮園に来て頂き、ご利用者さまの嚥下評価と食事ケアの指導をして頂いている他、デイサービスにて失語症の言語療法を行って頂いています。
f0299108_1048498.jpg



神代先生が工事現場を見学したいということで案内させて頂きました。
f0299108_1010212.jpg


このあたりが居室で、そしてここがリビングで‥ という風に。
南棟の基礎が完成し建物の輪郭がなんとなく見えてきました。

リビングの中央?に立つ神代先生
f0299108_10103815.jpg




「2週間ごとに見ると工事が進む様子がすごくわかりやすいね。」
と新宮に来るたびに、工事の進行状況を見るのが楽しみだということです。

神代先生。いつも遠方からお越し頂きありがとうございます。
# by kuroshioen | 2013-07-30 12:18 | Comments(0)

住まいとしての空間づくり

先日、東京でユニットケア施設管理者研修を受講してきたことを報告しました。

研修会場のTKPお茶の水カンファレンスセンターのひとコマです。
都心のオフィスビルはとてもお洒落なものが多くあります。
f0299108_1191646.jpg


エントランスの隅にある消火器を見つけました。
空間の雰囲気やインテリアにマッチするようにこのような工夫がされています。
f0299108_1193556.jpg


個人的な感性やセンスかもしれませんが、私はこのようにトータルコーディネートでの空間づくりはとても大切であると考えています。

これまでの施設の設計では、入所者をより効率的に管理するという設計が多くみられます。ですから病院と似たような感じの施設が多くありませんか?

私たちはこれからの特養は施設ではなく、住まいとしての空間づくりがとても大切と考えています。

例えば消火栓。
f0299108_11101730.jpg


学校や病院、施設では消防法上必ず必要なものです。
何気ないことですが、この赤い消火栓を見て違和感を感じますか? いかがですか?
私は住まいやもてなしの空間と考えるととても違和感を感じています。

以前、この消火栓は赤く塗る必要があるのか消防に確認したことがありますが、その必要はないということでした。

クレール高森の計画にあたり、近畿圏にある施設を数箇所見学に行ってきました。そこで兵庫県にあるアリス甲子園様の写真を紹介します。
これも消火栓です。
f0299108_11105892.jpg


オーナーが設計士という施設があるということでお伺いさせて頂きましたが、質感と落ち着きある空間設計にとても勉強になりました。
f0299108_11322643.jpg
f0299108_11364897.jpg
f0299108_11371783.jpg



お洒落なオフィスで働くOLさんを想像してみてください。

お洒落なOLさんを想像しませんか?
実際にいつも東京に行くと、服装がお洒落なOLさんが多いことに気づきます。
大阪にもよく仕事で行ってますが少し雰囲気が違いますね~。(笑)

綺麗な家に住むと、暮らしも変わる気がしませんか?

実は環境が人に及ぼす影響(環境適応)はとても大きいと言われています。
少なからず病院のような空間では、やはりケアも病院のように作業的となってしまうものです。入所している方も実はこれまでの暮らしのように落ち着けていないのかもしれません。

病院のような施設、住居のような施設、ホテルのような洒落た施設‥ それぞれ働く職員の感性やご利用者への関わりも自然と変わってくるでしょう。

そういったことから、新しいユニットケア施設の設計では、これまでの業務優先の病院をモデルにした施設を脱却し、そこで暮らすご利用者の住まいという視点から空間設計することがとても重要となるのです。

f0299108_11154290.jpg

ですから、設計士さんにはまずこの消火栓を例にあげて、施設っぽくならない空間設計へのこだわりをお話させて頂きました。

はたしてクレール高森の消火栓はどのような造りこみとなるのでしょうか‥‥???
# by kuroshioen | 2013-07-29 11:41 | Comments(0)