引き続き実地研修報告です。
ユニットリーダー実地研修の初日は何だかつかめないままに終わってしまいました。
二日目以降は、少し慣れてきて色々と感じることが出来ました。
そこで感じたことの一部です。
*昼食後の一人でできる方の歯磨きの促し方
座っている時には言わず、その方が立った時にさりげなく声掛けをしていました。
*他のユニットの入居さんの訪問時の声掛け
「いらしゃい」と声掛けして、様子をみていましたが、決して元のユニットに戻そうという行為はしていませんでした。基本的出入口は閉まっておらず、一人で遊びに来る方もいるそうです。ユニットケアとはこういう事なんだなと思いました。
*喫茶コーナーに職員が連れていく時の声掛け
「ゆっくりしてきてください」と黒潮園ではあまり聞かない声掛けだなと思いました。それだけ職員がゆとりをもって働いているのかなと思いましたが、互いに気遣い合う事は大切だなと思いました。

これが喫茶店コーナーです。週に三回開店しているそうです。
介護職に手があれば店員になるそうですが、忙しければ事務所の方や他の職員さんも手伝ってくれるそうです。仕切りはありませんが、本格的でした。ここに専属運転手の方もきて利用者さんとお話されていたり、家族の方が面会しながら一緒に喫茶を楽しんでいたり、とてもいい雰囲気で『町の喫茶店』ぽくいいなと感じました。
実習の一日の振り返りの時に、私が考えていた4つの疑問について質問することができました。
①夜勤の対応・休憩について
8時間夜勤に変更された為、決まった休憩はありませんでした。以前は16時間夜勤だったそうですが、特に決まった時間を休憩としていなかったそうです。「休憩が無いと職員からクレームが出なかったのか?」と聞くとほとんどする事がなく、仮眠が取れると回答がありました。
日置の郷さんでは拘束ゼロの観点からセンサーマットを使用していないので、コールが鳴ることは無いそうです。事故またはヒヤリハットが多発するのではという質問には「危ない方には巡回を頻回(30分から60分に一回など)に行うが、24Hシートをきちんと作成していればその人の一日の行動がわかり、センサーマットはいらない。」と言われていました。
②食事の用意と提供の方法

食事はすべて委託で各ユニットにこのようにして厨房職員が配ってくれるそうです。
食事が来る前にこの様に個人の食器を用意し一人ひとり量を聞きながら回り配膳していました。
(入居者さんの食べる量はほとんど把握しているようでした。)
さくらユニットでは一人一人は配膳していましたが、ほかのユニットでは取り分けてからは配膳など各ユニットで違うそうです。
③新人研修について
日置の郷さんの新人研修にはとても驚かされました。なんと5日間かけて行うそうです。内容を聞くと職員手帳を基本的勉強し、パソコンの使い方まで講義するそうです。職員手帳とはいったいどういうものか見せて欲しいとお願いすると、ユニットリーダー長がコピーして渡してくれました。

これがそうです。この馬の絵はユニットリーダー長が書いたそうです。これには理念は勿論、各職員の役割、職員配置図、食事・入浴・口腔ケア・排泄・24Hシート・認知症・緊急時の対応などについてなど事細かく示されていました。
④記録のパソコン入力について
各ユニットでパソコンの置いてある場所は違いましたが、スタッフが入居者を見渡せやすい場所に置かれていました。

ケアの一動作一入力を目指していると言っていました。パソコンの講義を受けても不得意な方の為に副施設長さんが選んでクリックすればいいようにエクセルを改良していると言っていました。見せてもらうと本当に簡単に入力出来ていました。
夜勤帯の申し送りを見せてもらうと、一人一人事細かく打ち込みされていて、記録が3枚ありました。私がそれに驚いていると「これは少ないほうで、5枚ぐらいはあるよ。」と言っていました。そして、申し送りが24Hシートと連動されていて一元化一覧化されていました。
どれをとっても、大変勉強になることばかりで、座学だけでなく実地研修で実際に感じ、学ぶことはとても大切だなぁ… と感じました。
実習の5日間、初日から食事・おやつは同じ場所で同じ方と食べました。初めは私も入居者さんも緊張していたので、会話はなっかったのですが、3日目で話する事が出来ました。
一時間に何度も立ち上がり自分の部屋に行きすぐに戻ってくる入居者がいました。私はかなり認知症が重く会話が出来ないのかなぁ…と思っていましたが、話し掛けてみると、自分の昔の仕事や子供の事を話してくれました。私はとても嬉しく自分の居場所が出来たように感じ、これがきっかけで実習が楽しくなってきました。
やはり、同居人や職員との会話から親しみや自分の居場所を作っていけるのだと実感しまた。この5日間でユニットケアの雰囲気や日中の流れを感じられとても有意義な実習となりました。そして、開設して間もないクレール高森のユニットケアですが、日置の郷さんで学んだ素晴らしいケアをプラスし、より良いケアを目指していきたいと胸に想いをふくらませ帰ってきました。
今回お世話になった日置の郷の皆様には心より感謝申し上げます。