クレール日記

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全国老施協『平成30年度管理栄養士、栄養士研修会』

こんにちは、東潔明です。


またまた、更新が遅れた内容ですが・・・

本年6月に行われた全国老施協主催の「平成30年度 管理栄養士・栄養士研修会」にパネリストとして参加させて頂きました。

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なぜ?介護職である僕が栄養士の研修会かと言いますと、今回の研修テーマが「QOLを高める食支援の実践」という事で、クレール高森で実践している食支援について発表の依頼を受け参加させて頂きました。

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発表内容は『常食ケアに向けたトータルマネジメント』についてです。

内容を大きく分けると2つ、1つ目がペースト、キザミ食は嚥下食としては適しないということです。これらの食事形態はより咽や誤嚥性肺炎を起こしやすく、常食が一番安全な食事形態であるという事を解説させて頂いています。


2つ目は常食ケアに取り組めない最大のハードル「食事が詰まってしまうのではないか?」という事の不安についてです。そういった現場の不安感からから常食ケアに踏め込めない。この課題を克服する為の窒息誤嚥対応マニュアルの整備のお話しをさせて頂きました。






摂食嚥下の動作は先行期⇒準備期⇒口腔期⇒咽頭期⇒食道期とありますが、その中でも口腔期が重要であります。なぜ口腔期なのか?「咀嚼運動」が食事を食べる上で最も重要な役割を持つからです。

成人では1日3食たべた際の咀嚼回数の合計は2500回とされています。

咀嚼が多ければどうなる?噛めば噛むほど、食物は細かく刻まれ、唾液の分泌が誘発され、食物が飲み込みやすい形状がつくられます(食塊形成)





誤嚥しない食べ物の形作りに欠かせないものは唾液です。私達も、激しい運動をした後、喉がカラカラの状態で、パンなど食べるとパサパサして中々飲み込めないですよね。それは、身体の中の水分が足りてなく唾液が分泌が不足しているからです。

唾液が分泌しないと、食物の付着性が強く飲み込みにくいという現象が起こります。高齢者の場合、そもそも水分が不足している方が多く、唾液の分泌が少ないから食物を飲み込みにくく、嚥下が難しい状況に陥ている可能性が大きくあります。





またもう一つ重要なことは、食べ物を嚥下する前の処理、運搬に舌の動きが非常に大きな役割をもっています。その舌の動きを主導しているのが「咀嚼」です。咀嚼回数を多く必要とされる食事であればあるほど舌は良く働き、口腔機能の廃用予防にもなります。また咀嚼が唾液の分泌を促し、舌の運動を主導しています。

咀嚼が口腔機能の主役であります。では一番咀嚼できる食事形態は?常食です。

バラバラして食塊形成が難しい「キザミ食」、また、ドロっとして付着性が強く咽頭に残りやすい「ミキサー食」が高齢者ケアの現場では嚥下食であると、誤った認識をされている現状があります。

このように、常食が一番安全な食形態であるという内容のお話しをさせて頂きました。







2つ目の常食を提供できない最大のハードルは「食事を詰めてしまうのではないか?」という、介護職の思いが大きく常食に踏め込めないという事が背景にあります。

先ほどの説明で、常食は一番安全な食形態はであるという事を説明させて頂きましたが、「もし詰まったらどうするの?」という不安は常にあると思います。もし喉を詰めた場合には迅速な対応が不可欠です。喉を詰めても適切に対応できる体制、職員のスキルが必要となってきます。

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窒息した場合の対応では、この様なマニュアルを作成し、詰まった事を想定して、研修を行っています。また口の中に詰まったものが見えている場合は、手動式吸引器を使う(手で口の中の詰まった物を掻き出すの禁忌!より奥に入ってしまう)など、クレール独自の急変対応を職員全員に周知できるよう、毎年、職員研修を実施しています。
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この様な体制作りがリスクマネジメントする上で重要であるというお話しをさせて頂きました。クレールの取り組みを外部で発表する。大切な事です。ただ、発表前の何んとも言えない緊張感は、いつまでも慣れないもですね~(笑)

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このような貴重な機会を頂き、そして参加者の皆さんと様々な意見交換ができたことは、私にとっても有意義な時間となりました。

引き続き、ケアの質向上に向け取り組んで行きたいと思います。


by kuroshioen | 2018-12-04 10:30 | ユニットケア | Comments(0)