先日、
毎年、年度末に実施している法人の『事例発表会』が行われました。
各事業所、各部署がそれぞれこの一年間取り組んできた内容をプレゼンテーション形式で発表するのです。
これも、かれこれ第7回となります。
今年度は6演題のエントリーがありました。
最後に人気投票をして、最優秀賞には賞金?が贈られます。(笑)
1.『排泄状況改善の取り組み』
発表者:2Fフロア岩本・深瀬
排便コントロールが難しく、便による汚染が続くKさまに、より清潔で快適な暮らしを提供したいということで、水分・食事・運動の基本ケアに取り組んだ事例。
これまで何度も転倒し、両側の大腿骨を骨折しましたが、認知症が重いため手術もできず歩行ができなくなった方です。再度、歩行器歩行の取り組みを行った結果、これまで認知症により食事介助も難しかったKさまですが、歩行の改善とともに水分・食事の摂取量がアップし、その結果、排便リズムが整い、3日~4日間隔でおトイレでの排便可能となり、ご本人も快適に過ごせるようになる成果が得られたというものです。
2.『経口摂取への取り組み』
発表者:3Fフロア 西・石田
痙攣発作による入院後鼻腔経管栄養となったOさま。体重も著しく減少し、ベッド上寝たきりの暮らしなってしまいましたが、ご家族の「最期まで美味しい物を食べてもらいたい」との意向と職員の想いから経口摂取(お楽しみ)へ取り組んだ事例。
非常勤言語聴覚士の神代STの指導の下、退院3日後より水分ゼリーを経口にて開始。しかし喉頭の動きが見られず、一口飲み込むのに非常に時間を要し、大変難しい状況でした。そこで神代STによるより専門的な対処法である、硬くなった前頸部の嚥下補助筋の柔軟性改善を促すマッサージを教わり、継続した結果、嚥下がスムーズになり、現在では栄養価の高いゼリーをスムーズに摂取できるまでに改善されています。
3.『暮らしの中で家族と看取る』
発表者:クレール高森2F北ユニット 西・上安
ベッド上の生活が長く徐々に嚥下機能が低下し、心不全・肺炎にて医療機関入院後、絶飲食となり看取りとして退院されたNさまへの取り組み。
看取りという現実の受け入れが難しく、娘様の強い想いから経口摂取に取り組んだが、状態は改善することなく天寿を全うされたNさま。母への想いが強い娘様と、揺れ動く気持ちにその都度理解と安心をしてもらえるよう話し合いをしながら最期を迎えられました。娘様と一緒に湯潅を行い、そのN様の表情を見た娘様も安心された表情でした。医療機関とは違った暮らしの場で、家族の想いを受け入れながら行う看取りケアの大切さを実感できました。
4.『あなたと向き合ってから』
発表者:1Fフロア 森沢・北村
歩行が自立しマイペースで暮らされていたKさま。肺炎にて入院後、食事摂取量も低下、拒否や幻覚等が出現し暮しの様子に変化が見られ、歩行に対する意欲が低下し活動量が低下。入院前のような歩行状態に戻って暮らしをして欲しいとの想いから、歩行練習に取り組んだ事例。
はじめは歩くことを勧めても、ご本人がしんどいと拒否されうまく行かず、どのように関わるべきか悩み、その方へのアプローチ方法のアセスメントを重ね取り組んだ。そこでBMI、体重の減少に着目し、低体力を改善しなければ「しんどい」という拒否も解消できないのではと、食事・水分ケアに力を入れた結果、歩行への意欲も向上し、おトイレまで自分で歩いて行くようになりADLの改善に至ったというものです。
動くことへの拒否には、声かけや関わり方も大切ですが、同時に低栄養、低体力の改善もその要因の一つとして着目することの重要性を考えさせられる発表でした。発表者の森沢介護職員は、この発表を独力で実行することを自己目標掲げており、スライドの作成等初めての経験にも関わらず熱心に取り組まれた発表でした。
5.『デイサービスでの救急対応』
発表者:デイサービスセンター悠久 畑中・尾中・岩見・塩地
今年度、実際に発生した救急対応を要した2事例が紹介され、その内容から学んだことが発表されました。
デイサービス利用中の昼食時に窒息した利用者を発見し、岩見看護師が中心となって救急対応を行い、要請した救急隊に繋げ、命を取り留めた事例。また送迎時に訪問した自宅で、ご利用者さまが急変しているところを発見し、心肺停止状態にあり即救急要請、事業所からの応援要請を行い、その場で心臓マッサージを実施した事例。それぞれ緊迫した状況と的確に対応出来た様子が参加者にリアルに伝わってくる印象的な発表でした。
デイサービスの業務は一人で送迎に出ることもあり、職員一人ひとりの対応力が求められるます。今年度は消防署に「初級救急救命講習」の開催を依頼し、デイ職員が全員終了したほか、施設内研修にてハイムリック法の練習マネキンを用いた窒息対応セミナーを実施するなど、日頃の人材育成への取り組みがこのような対応に繋がっています。またその対応力に消防署からも高い評価を得ており、あらためて専門職としての対応力の重要性を感じる発表となりました。
6.『地域ニーズにお応えするショートステイ』
発表者 相談援助部 平根
地域ではショートステイの利用希望者が多いが定員が不足している他、事前の予定で埋まっていることが多く、急なご家族の用事等による利用要望に中々お応えできない現状があります。この地域を取り巻く課題の解決に向けた取り組みの発表。
そこでベッド追加可能な黒潮園居室の環境整備を行い、平成27年度報酬改定により可能となった、定員以上の緊急ショート受け入れに取り組んだ。台風の避難や介護者の急病など、様々な急な案件に対して受け入れを行った実績が紹介された。また入院者による空床の積極的な活用への取り組みと合わせ、結果、施設ベッド稼働率が99%という全国的にも類を見ない実績となったことが報告されました。
さてさて、
こうやって6つの演題の発表があった訳ですが・・・・
どの発表も完成度が高く、
その成果に感動した!という声が多数あがり・・・
参加者も強く引き込まれていました。
最後に行った人気投票の結果ですが・・・
あまりにもレベルの高い発表ばかりだったので、
最優秀賞1一本ではなく、優秀賞を含めた3つの発表を選ばせて頂きました。
<最優秀賞>
3.『暮らしの中で家族と看取る』
クレール高森2F北ユニット 西・上安
<優秀賞>
2.『経口摂取への取り組み』
黒潮園3Fフロア 西・石田
5.『デイサービスでの救急対応』
デイサービスセンター悠久 畑中・尾中・岩見・塩地
このような発表の場で各部署の取り組みをみんなで共有することができることは、本当に素晴しいと思います。また、あらためて『質の高いサービス』に向かう私たちの歩みを感じることが出来ました。
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排泄ケアブランド『TENA』.. |
at 2023-11-01 15:04 |
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at 2023-07-12 17:06 |
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at 2022-07-06 22:51 |
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at 2022-06-22 10:17 |
クレールオープンカフェ2022 |
at 2022-06-17 21:23 |
『桜』と『芝桜』 |
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