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クレール日記

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第1回 国際・アジア健康構想推進協議会

こんにちは。

以前、このブログでも今後の介護保険制度の動向として、「未来投資会議」において安部総理が示した「自立支援介護へのパラダイムシフト」について解説しました。
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実はこれに至った背景には、内閣官房健康・医療推進室が進める「アジア健康構想」というものがあるのです。




平成29年2月9日 第1回国際・アジア健康構想推進協議会が東京で開催されました。
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そこで情報収集のために出張をし参加して来ました。

その内容を少し紹介させて頂きたいと思います。





今回、第1回となる国際・アジア健康構想協議会には、政府や日本医師会をはじめとする医療・介護事業の業界団体、大手商社の関係者など300人が集まりました。そこで政府による「アジア健康構想」の説明の他、株式会社や医療法人、社会福祉法人といった介護事業者によるアジア展開の事例紹介や、日本リハビリテーション病院・施設協会、日本慢性期医療協会など有識者によるプレゼンテーションが行われました。

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1.開会

・アジア健康構想会議 議長(内閣官房健康・医療戦略室長) 和泉 洋人

・国際・アジア健康構想協議会座長(医療介護福祉施策研究フォーラム理事長)中村 秀一

・自由民主党 国際保険医療戦略特命委員会 委員長 武見 敬三

・厚生労働大臣 塩崎 恭久  (代理技術・国際保険総括審議官 福田佑典


2.事務局説明

・内閣官房健康・医療推進室


3.介護事業者によるアジア展開事例紹介

・株式会社 リエイ

・医療法人社団 鉄佑会

・豊栄グループ

・医療法人・社会福祉法人 さわらび会


4.有識者による発表

・日本リハビリテーション病院・施設協会 栗原 正紀

・日本慢性期医療協会 竹久 洋三

・全国老人保健施設協会 東 憲太郎

・日本理学療法士協会 半田 一

・日本作業療法士協会 中村 春基

・日本言語聴覚士協会 深浦 順一

・国立社会保障・人口問題研究所 川越 雅弘



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「アジア健康構想」については、平成28年7月29日 安部総理大臣を本部長とする健康・医療戦略推進本部において決定された「アジア健康構想に向けた基本方針」に記されています。

急速に進むアジア諸国の高齢化により見込まれる、高齢者関連事業の需要増加に対して、高齢化が先行した日本の高齢化対策や日本的介護を、官民連携のプラットフォーム(基盤)として海外に展開(輸出)するという構想です。
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アジア諸国は今後、本格的に高齢化を迎えます。
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韓国の高齢化率は2015年の13.1%が35年には27.4%に上昇。シンガポールは11.7%が26.7%に、中国も9.6%が21.3%に高まる見通しです。今後、日本を追う形で急速に高齢化が進み、一気に高齢社会となることが予測されています。

しかし、日本に次いで介護保険制度を導入した韓国、台湾の他は、公的な皆保険制度のない国が多く、介護サービスの整備も遅れており、日本における高齢化対策や日本の民間介護事業者等の進出に対する関心が高まっています。





今後、「アジア健康構想」ではワーキンググループを設け、海外に輸出する「日本式介護」を整理するとされています。

この「日本式介護」とは一体何を指すのかというと『自立支援介護』なのです。



では政府が今後の介護保険制度の主軸に位置づけるともしている『自立支援介護』の具体的な内容はと言うと、特養におけるおむつ外しや、要介護度改善の実績が具体的な内容として取り上げられた、国際医療福祉大学の竹内孝仁教授を中心として展開してきた「基本ケア」の理論だということです。

この「基本ケア」では、水分摂取、排泄の自立(オムツ外し)、歩行、常食のケアに取り組むものですが、特養の業界団体である全国老人福祉施設協議会が「科学的介護」「竹内理論」をキーワードとして全国規模の研修会「介護力向上講習会」を開催し、全面的に推し進めてきたものです。

私たちもこの講習会には参加してきたことをこれまでも紹介してきました。





しかし、「未来投資会議」で政府がこのような介護を実践する施設に介護報酬で評価するという方針が出された直後から、この動向に意義を唱える動きが見られ、業界団体である全国老人福祉施設協議会も厚労省に異議を申し立て、反対する声明文を出すに至っています。


報酬(収益)に関係してくるとなると、手をひっくり返したような動きに・・・・


おかしいですね。




このように、介護保険制度の在り方が大きく変わろうとしている中で、今回、この第1回国際・アジア健康構想推進協議会に参加し、幅広い視野で「自立支援介護」を考える機会となりました。

今後の重要なキーワードは間違いなく『医療・介護の連携』です。そこで「自立支援介護」が不可欠であるという認識が高まっており、そこにおける介護職の立ち位置。これが明確になりつつあるという事です。



いよいよ介護職の専門性が求められいる。
(期待されている)

ある意味チャンスなんですよね・・・・・




続きは次回にお話させていただきますね。






by kuroshioen | 2017-02-19 23:51 | ユニットケア | Comments(0)