クレール高森の受付に届いた、何やら英語?の文字が記された小箱・・・
中に入っているのは・・・
私たちのケアの欠かせない秘密兵器!?
品名『エマージェンシー・アスピレーター』
ガングリップ式の手動式吸引器です。
これは、ヨーロッパ諸国の救急隊が常備している吸引器の一つです。
(maide in アイルランド)
イタリアなどのヨーロッパの国では、家庭で喉を詰めた時(窒息事故)救急車を呼ぶと、救急隊はこの『エマージェンシー・アスピレーター』を手に駆けつけるそうです。それほど信頼のおけるすごい物なんですよ~。
もちろん電源不要のため、どこでも即座に使用でき、窒息など口腔内異物除去に特化して開発された、吸引力の高い非常に優れたものとなっています。
私たちは自立支援のケアに取り組んでおり、最後までお口から形のあるものを食べて頂きたいとご馳走を提供しています。また、暮らしの充実をと、外出支援として回転寿司など外食にも出かけます。
手動式吸引器は電源が不要な為、こういった外出先でも使用可能です。
高齢者の方は加齢に伴い、徐々に嚥下(飲み込み)が弱くなってきます。
これに伴い、当然、誤嚥・窒息事故のリスクも高くなります。
このような介護に取り組むには、もしもご利用者が喉を詰めた時、急変対応がしっかりできる体制があるのか?また職員の対応力など、資質向上に向けた人材育成に取り組んでいるのか?そういった事がリスクマネジメントという視点から欠かせません。
レベルの低い介護力では、このような一歩上をいく理想の介護はできません。
特に窒息事故となると生命に関わることなので、その責任が重く「常食化の介護」などと表面的な考えだけでは容易にできない(してはいけない?)ものです。
実際にはこれまでも窒息事故にまつわる訴訟事例が多くあります。
詳しくは次の機会に『誤嚥・窒素のリスクマネジメント』として書きたいと思います。
私たちのケアに欠かせないこの秘密兵器『エマージェンシー・アスピレーター』。
黒潮園の各フロアに3つ購入しています。
(購入金額しめて20万円程?)
この度、クレール高森への新規入居受け入れに伴い、現場から物品購入の依頼が出ていました。
経費削減として代替品のもっと安価な類似品でも?との意見もありましたが、このようにリスクの高いケアに真剣に取り組むためには、安易な妥協は良くありませんね。
しっかりと実績のある機器でもって臨むべきです。
初めて購入した時は色々と交渉しましたが、輸入品のため値引きはありません。ちなみに、一般の方に小売を積極的に行っていないようで・・・
「どこの救急隊ですか?」
と間違えられましたねぇ~(笑)。
次回は、施設ケアにおける窒息死亡事故訴訟の判例から考える、食事ケアの考え方についてお話をしたいと思います。
参照記事:
『誤嚥・窒息のリスクマネジメント』