先日、クレール高森の家族宿泊室『GUEST ROOM』
宿泊者第一号について記事を書かせて頂きました。
今日は、もう1つの家族宿泊室をご紹介したいと思います。
それは黒潮園の看取りケアに対応するお部屋です。
私たちは、これまでも多くの方の看取りケアを通じて、その人の最期に寄り添い、お見送りをさせて頂きました。
いよいよ、その時を迎えられ…
多くのご家族に囲まれ、手を握り…
温かく見守られる中で、最期の大きな深い息とともに旅立たれる…
そういった穏やかな看取りを支援することも私たちの役割です。
入居施設によっては、病状が重度化すると見られないという理由で、病院への転院を勧められることも多くあります。
今後、一層、重度な高齢者を受け入れることを進めたい国としては、特養がこの「看取りケア」に積極的に取り組むことを求めています。
その一つとして、介護報酬に『看取り加算』という料金を設定しています。お亡くなりになられる前1ヶ月間、一定の条件を満たした手厚いケアを行うことで算定できるものです。
大幅な基本報酬が引き下げられた平成27年度介護報酬改定の中でも、プラス改定報酬(料金UP)となった加算の一つです。
これまでもこの『看取り加算』はありましたが、私たちは看取りケアを行っているにも関わらず、ご利用料金を頂いておりませんでした。
そのお部屋など、十分にご家族にお応え出来ていない… という思いからです。
看取りを行っていた静養室
ここに簡易折りたたみベッドとパイプ椅子を用意していました。
そこで昨年に行った黒潮園改修工事では、以前から職員から要望の上がっていた『看取り室』を計画してきました。
壁を抜いて広くし… 新たに設けたお部屋。
ミニキッチンやクローゼットなど完備しており、周りに気を遣うことなく、お泊り頂き過ごすことができるよう、配慮させて頂いております。
同じホテルライクインテリアでも、暖かさと落ち着きのあるインテリアとしました。
クレール高森『GUEST ROOM』
今回のリフォームでは、介護報酬改定において、この『看取りケア』への取り組みが評価されることを想定はしていませんでしたが、「あるべき姿を追求することは必ず結果につながる」という信念に、自信を感じることになりましたね。一歩先をいく介護です。
超高齢社会を迎えようとする我が国ですが、今後の医療・福祉のあり方が大きく問われています。そこで、健やかな老後の生活とともに、最期の時はどのように迎えるか?という問題にも向き合っていかなければならないことにもなります。
実は「最期の時はどこで迎えたいか?」という厚生労働省の調査によると、約70%の人が「自宅で最後を迎えたい」と答えられています。
しかし現実には80%近い人が医療施設でお亡くなりになられており、自宅で看取られた方は10%程度となっているんですね。
本来、理想である在宅介護の継続は大変難しい昨今、私たち施設の役割りとして『看とり介護』に向き合っていくことは大変重要なことと考えております。
最期の大切な時間をご家族と共にお過ごし頂くお部屋です。