クレール日記

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エントランスホール

クレール高森を訪れた方がまず目にするエントランスホール。

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エントランスホールは人で言う顔?訪れた人に建物のイメージ(第一印象)を印象付ける大切な空間ですね。

多くの方から「お洒落でホテルみたい」という声をお聞きします。



これは私たちが設計で意図したことそのものです。

これまでの施設設計という概念にはとらわれることなく、特養という場を「お洒落で明るいイメージ」にしたいということで望んだ設計です。


まず入口の自動ドアをくぐると視界に入る正面の壁をどう創るか・・・
杉板コンクリート打ち放し壁
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そして受付を済まして、居住ユニットに足を進めた時に、次に目に入ってくるシーン(空間)をどう創るか・・・

テラスにつながる共用ロビー(喫茶コーナー)
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設計段階で益田・鈴木両設計士と検討を重ねたポイントですね。





さて、現在進行中の黒潮園の改修工事でも、この重要なエントランスホールをどのようにデザインし、設えるのか… 大変悩みました。
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クレール高森の建築では、私も益田一級建築士設計事務所の一員(見習い?)として、特にインテイリアデザインや仕上げ材の決定には大きく携わらせて頂きました。

黒潮園改修工事では、独立?もしくは自立して初めて手がけた新人設計士のような感じで、一人で全体をイメージし、そして仕上げ材のサンプルを取り寄せ、現場で検証し… と進めてきました。

これが本当に大変な作業なんです。




自分の考える理想の空間イメージを形にしたクレール高森です。当然、黒潮園のリフォームも作風が似てくると言いますか… 共通する部分が多くなります。そこで黒潮園のエントランスホールも「明るく温かい空間」「お洒落なイメージ」でもってデザインしています。

イメージするのは同じホテルでも重厚な落ち着きある空間ではなく、アイボリーや茶系の軽やかなイメージのホテルですね。



なぜ、このようなインテリアデザインにこだわるのかと言いますと・・・

もちろんこれからの世代のご入居者に満足いただける施設を目指しているからです。ただそれだけではなく、介護職の仕事が明るく魅力的なものにしたいと言うことがあります。介護の仕事がこのような素敵な環境で働くことができ、他のサービス業と変わらない、洗練されたお洒落なイメージにしたいと思うからです。








そこで風除室からエントランスホールの室内空間の壁の一部にタイルを採用することを考えました。これでお洒落感がぐっとUPします。

タイルA案
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タイルB案
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皆さんはどちらがお好みですか?

シャープなラインが特徴的なA案も捨てがたいのですが… タイルの表情に温かさを感じるB案に決定。





また床は敢えて長尺塩ビシート系ではなくタイルカーペットとしています。塩ビシートではどうしても温かい感じには仕上がらないですね。
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長尺塩ビシート施工例




カーペットA案
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カーペットB案
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カーペットC案
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カーペットD案
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カーペットE案
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E案はカタログでは色が映えない感じでしたが、多数取り寄せた現物サンプルでは最もイメージしたものに一致。





クロスにしてもカーペットにしても数百と種類があります。何冊ものカタログから、ざっとページをめくり、ファーストインプレッションで目に付いたもの、気になったものに付箋をつけていきます。そして更にイメージと一致するもの(可能性のあるもの)を数日かかけて絞り込んでいきます。
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次に現物サンプルを取り寄せます。この限られた大きさのサンプルを並べ、エントランスホールに接する各部屋とのバランスも考えなくてはいけません。



会議室や事務室の床カーペットはこれに合わすとどの色が調和が取れるのか? エントランスホールを抜けて続く居室ローカの長尺シートとのつながりは違和感ないのか? などなどです。
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床の次はこれを囲む壁紙クロスの組み合わせ。また会議室など各部屋の入口扉の木製建具の色… この無数の組み合わせをサンプルを組み合わせたミニチュアモデル?で検証を重ねます。
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手前のカーペットを床に、壁タイルとクロスサンプルを実際の壁に見立て立体的にその空間のマッチングをイメージ・・・わかります?




工事中の現場で小さなサンプルから全体イメージを確認。場数をこなしていない私には大変難しい・・・・。
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心の中で「これだ!!」と決めていても、現物の色合いや風合いがカタログとは違うケースも多く… そうなれば又一からの考え直しになるなど、本当に時間を要するんです。大切なことはトータルコーディネートですから、床の材料一つ変われば壁紙クロスなど全ての仕上げ材も再考しなければいけなくなります。
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全ての仕上げ項目の詳細が決定しなければ現場の工事は進みません。木枠の色合わせでは建具と合う色がなかなか出ず、何度も職人さんにサンプル塗りをしてもらいました。

クレールの建築時、鈴木設計士がこの色合わせで、何度も何度も職人さんにダメ出しをしていた事を思い出しましたね。実際に自分が…となると職人さんの気持ちもわかるし、でも安易な妥協もできない。完成したものがこれから10年、20年の新たな黒潮園を決めるものであり…かなりの精神力を要します。



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仕上げで悩むと悩むほど、工事は遅れてきます。でも安易な妥協は許されません。本当に胃が痛くなりながらも、根気で踏ん張って進めてきました。

設計士という仕事の大変さを身を持って経験させて頂いています。
ここ1年は介護関係だけではなく、建築のスキルがかなり経験になってます(笑)。





未完成のまま使用開始した黒潮園玄関ですが、ようやく納期が遅れていた天井仕上げ材、ルーバーの取り付けが終わりました。
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あと残すは、屋外玄関周りの仕上げ。



軒天には檜材を、そして床はコンクリート舗装ではなくタイルを貼りました。
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古い、茶色のタイルも新しいものにリフォームします。そしてアスファルト舗装をして玄関の完成です。

さてどんな風になるかな?




1年近くかかった黒潮園改修工事もいよいよ最終段階。最後に残す1階フロアーの工事は順調に進んでおり、4月にはクレール高森に一時的に移って頂いていたご入居者さまが黒潮園に戻ってこられます。

クレール高森ではご入居者の引越しに、新規入居者の受け入れ。新規採用職員を迎えての新たな業務開始と落ち着くまでには、まだまだ乗り超えなければならない壁は沢山あります。



生まれ変わった社会福祉法人黒潮園の始動・・・

いよいよ間近です。
by kuroshioen | 2015-03-21 22:17 | Comments(0)