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クレール日記

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寄り添う

こんにちは。

介護職員の峯です。



今回のテーマである『寄り添う介護』について。


ショートステイ利用者のTさんのお話。

Tさんは、黒潮薗のショートステイを利用されて、もう、3年位になります。Tさんは、認知症を患っていますが、根気よく対応をすれば少しずつですが理解(長期記憶)出来るす。


Tさんが気にされている事。
それは、『家に帰れる日はいつか!』という事と、夜は1つ増えて『眠剤を飲んだか!』です。



Tさんは、「家に帰りたい。」と泣いたり、「いつ、家に帰れるんな?」「眠剤飲んだんか?」と職員の後ろをついて回ったりされます。「家に帰れる日は明後日です。」「眠剤は飲みました。(空いた薬袋を見て頂く)」と、伝えると、利用開始当初は「はい!はい!分かりました!」「もうええ!何回も聞いた!」「飲んでない!嘘ばっかりついて!バカにして!」とおっしゃっていました。


この時の、Tさんは、今は家に帰れないという現実を知ると、ありったけの感情を職員にぶつけられていました。


そして、今でも、「家に帰りたい。」と、時々悲しい顔をされます。職員の後ろをついて回っています。たずねられる内容も同じです。


「帰る日は明後日です。」と、伝えると「明後日!?明後日か‥。」「別に今日帰ってもええんやけどな。」「寝るとこはあるんやな?泊まってもええんやな。」と言い、「はぁ~。」とため息をしながら、椅子に座り、片手でおでこをおさえ考え込んだりします。

また、「眠剤飲んだんか?」「はい。飲みました。(薬袋見せず)」伝えると、「飲んでないと思うんやけどなぁ~。」「そうか、飲んだんか。もう、あんたらの手元に眠剤は無いんやな?」「はい、ないんです。」「眠れるかなぁ~。」と、ご自分の部屋へと帰られます。



このように今でも、職員に感情をぶつける事はあっても、以前のようなありったけの感情をぶつけはる事はありません。


Tさんは、ショートステイで泊まる事に慣れた事もあると思うのですが、『少しずつ、受け入れる事が出来た』のではないでしょうか。


Tさんは、長い時間をかけて、『今日は家に帰れない』という現実を受け入れようと努力されてきたのではないでしょうか。





さて、これは、何でしょう?
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答えはイカで~す。。。((( ・Θ・) ♪





私達は、お年寄りの方が、必要としている時に側にいて、軽くあしらう事はせず、真剣にお年寄りと向き合い、きちんとした対応をし、現実を受け入れる(折り合いをつける)事が出来るまで、とことん『寄り添う』ことが大切なのではないでしょうか。

そして、
Tさんには、いつも笑顔で過ごして欲しいと思っています。

思ってはいるのですが… Tさんが『笑顔』でショートステイへ来られるという意味は、認知症が進行して、『家』という存在を忘れてしまう事だとすると…いつまでも、私達の後ろをついて来てくれて、同じ質問を聞いてきて欲しいなぁ…と思ったり、 認知症が進んだ事により、ユニットで楽しく過ごせるなら…とも思う事も。


これからも、Tさんが、「今日は何らかの理由でお家に帰れない。」と受け入れる事ができ自分の部屋へ戻るまで、Tさんにとって必要な時に必要な存在者(寄り所)であり続けたいと思っています。

この関わりが、私の思う『寄り添う介護』です。



Tさんが、笑う時。喜ぶ時かな?
「今日は家に帰りますよ。」と伝えると「バンザ~イ!バンザ~イ!」と両手を挙げて職員と一緒に喜んだ後に「明日、また、来てもええんやけどな。かまんか?」「え?明日ですか?」「そう、明日。」「かまんですよ。」「じゃあ、また、明日来ようかな。」と笑顔を見せてくれます。





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by kuroshioen | 2014-09-13 09:14 | Comments(0)