クレール高森に入ると、吹き抜けのあるエントランスホールが広がります。
そこから前方には芝生のテラスが広がり
天井高いっぱいまでのサッシが開放的な空間を広げます
今日、ここにグランドピアノが運ばれてきました。
このピアノは社会福祉法人黒潮園の前理事長 岡 悠紀子氏所有のものです。
岡 悠紀子前理事長は20代の頃単身で渡米し、ジュリアード音楽院でピアノを学ばれました。
貨物船を乗り継いで渡米したそうです。その当時では考えられないことでした。
それから永年にわたりピアノ指導に熱意を注がれ、この新宮の地から武蔵野音楽大学を始め数々の音楽大学へ多くの生徒を輩出してきました。その門下生は今も多くの方が日本の音楽界だけでなく、世界でも活躍されています。
10年前… 岡 悠紀子前理事長は、享年88歳で他界しました。
80歳を越えてられても、黒髪にパーマ。ジーンズにニットというスタイルで、スマートな体型で身軽に階段を駆け上がる姿・・・ 全く年齢を感じさせない方でした。
歳を召されても若い方との会話が弾むセンスと感性、スケッチ画を描く芸術的な趣味。ピアノ指導だけでなく、その人柄に多くの人が影響を受けてきたと思います。
私も多少なり、その影響を受けたひとりです。
これまでの施設の概念とは一線を画するクレール高森は、まさにその感性とセンスを形にしたものと言っても過言ではありません。
今回おそらく、クレール高森の竣工を目前にし、前理事長も喜んでおられるものと思います。
そして、ここをいつまでも見守っていて頂きたいという想いから、このグランドピアノを運び入れることを決断しました。
共用ロビーから左右のユニット、そして吹き抜けから上階のユニットまで、美しいピアノの音色が響くクレール高森・・・ そのような高齢者の住まい、前理事長も望まれていたことでしょう。
ロビーにユニットの入居者が集まり、ピアノを囲んでのひと時・・・
音楽療法で活躍されている福田常任理事を始め、このピアノから旅立った門下生の方々… そしてボランティアの方… 是非、多くの地域の皆様にこのピアノを弾いて頂きたいと思っています。
そして天国からこのクレール高森を見守っていただきたいと思います・・・・。