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クレール日記

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平成27年度介護保険改正へ向けての動向

こんにちは、事務部、越水です。
時が経つのは速いもので2014年ももう4月、新年度を迎え介護保険の改正が行なわれました。(消費税増税間近!

今回の改正は消費税の増税に合わせて報酬を調整するだけのイレギュラーなもので来年4月には3年毎の定期改正が控えています。この改正が2000年に介護保険法が施行されて以来、最大規模の大改革となる気配です。そこで現時点で判明している改正へ向けての情報について整理しておきたいと思います。

まずは、現状確認から…
国では税と社会保障の一体改革を進めています。少子高齢化が進む日本では今後、要介護者が増える一方で介護を担い、保険料を収める若い世代が減ってしまいますので、必然的に将来を見据えた改革が必要となります。

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 ※厚生労働省作成資料『介護保険制度を取り巻く状況』より転載


厚労省の最新調査によると、特養の入所待機者は約52万人で、4年前の調査から10万人もの大幅増となっています。全国の特養の定員数合計に相当する待機者がいることになります。特養の数も増えてはいるのですが、それ以上のペースで要介護者が増加し、需要に対して供給がとても追いついていない状態です。
また、特養の待機者が多いのは、他の有料老人ホーム等に比べて安い費用(自己負担)で入所できることにも一因があります。(特養の食費、居住費負担軽減制度について
現状では低所得者が入所できるのは実質的に特養しかない状態で、どうしても特養に申し込みが集中してしまいます。

しかしながら待機者を解消するほど特養を増設することはとても無理です。財政面は勿論ですが、都市部では用地確保も困難でしょう。また、少子化が進んでいますから高齢者の絶対数はピークを境に減少に転じます。仮に十分な数の施設を整備できたとしても造りすぎればいずれは供給過多に陥ってしまいます。
では、どうするのか?

国の基本的な方針は『病院・施設から地域・在宅へ』です。
在宅介護の限界点を現在よりも引き上げ、出来る限り住み慣れた地域・自宅での暮らしを継続出来るシステムを作ることを目指しています。
医療・介護・介護予防・生活支援・住まい の提供者が密接に連携することで必要なサービスを自宅にいながらいつでも受けられる仕組み、それが国が2025年を目途に構築を目指している地域包括ケアシステムです。

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 ※社会保障審議会介護保険部会(第46回)資料『地域包括ケアシステムの構築に向けて』より転載


以上を踏まえて来年度の改正について整理してみます。なおこれらは現在検討中のものですから決定している訳ではありません。
大きな改正は次の3点です。


1.特養の入所対象者を要介護3以上へ

現在の特養への入所は『要介護であること』が条件ですが『要介護3以上』となります。
軽度の方は在宅で介護し、空いた枠に待機中の重度の方を入所させる狙いだと思いますが…これについては効果はどうでしょうか?。
特養への入所は行政の指針により、申し込み順ではなく、優先度の高い方から入所して頂く仕組みとなっています。そして要介護度も優先度を決定する条件の1つになっており介護度の高い方ほど優先度が上がります。したがって現在でも要介護1、2の方は入所が難しい状況です。
平成27年度介護保険改正へ向けての動向_f0299108_14142739.jpg
改定では要介護3以上といっても、やむを得ない事情があれば要介護1、2でも入所を認める方針とのことですから現状とあまり変わらないのでは無いかと思います。但し、地域によっては軽度者の入所割合が高いところもあるようですのでそういった地域では大きな影響があるでしょう。

2.予防訪問介護・予防通所介護を介護保険給付の対象外へ

介護予防サービスの内、訪問介護と通所介護を介護保険サービスから外し、市町村の事業へと移行します。
地域包括ケアシステム構築の一環として行なわれるものですが、各市町村毎に行政トップの高齢者福祉に対する考え方も異なりますし、財政状況や利用できる社会的資源も違いますから地域によってかなり対応に差が出るものと予想されます。限られた時間でいかにして予防訪問介護・通所介護利用者のニーズを把握し、それを満たす代替サービスの提供体制をどのように構築できるか、各市町村の力量が問われるところだと思います。

3.通所介護の改革

通所介護はそのサービス提供の自由度が高く、事業所により様々なサービスが提供されています。そこで、機能訓練対応、認知症対応、療養対応等といった機能に着目した類型化を行い、報酬に差をつけることが検討されています。
これは通所介護の利用者、事業者が大幅に増加していることが背景にあります。通所介護の利用目的を明確にし、単なるレスパイト目的のいわゆるおあずかり系の事業所の報酬は大きく引き下げられ、他のサービスへの移行が促されることが予想されます。
また、小規模事業所については地域密着型サービスへ移行し、市町村の管理となります。


以上、来年度改正についてまとめてみましたが、この改正は地域包括ケアシステム構築へ向けた第一歩、まだまた長い道のりが続きます。
by kuroshioen | 2014-04-18 11:08 | Comments(0)