クレール日記

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施設トイレ設計① 自立支援介護とトイレ

近年、特養におけるケアの考え方が大きく変わってきている様に思います。

特養における入所者さまはその身体状況からおむつをつけることを余儀なくされ… 
そして介護の仕事はおむつ交換に追われているという印象がお有りでないでしょうか?

ここ数年で介護職の専門性は大きく向上しており、特養だからおむつ… ではなくおむつを外しトイレにおける排泄を支援する、自立支援介護(リハビリ的介護)へと発展してきています。

以前にもお話しましたが、全国で十数施設がおむつ外しに取り組み『おむつゼロ』を達成しています。こんなことが実現できる介護の仕事って素晴らしいと思いませんか?
(まだまだ全国的にはケアの専門性と質にばらつきがあるように感じますが…)

排泄ケアはその人の尊厳に最も配慮すべきケアだと思いますし、その内容をみればその施設、働く職員の水準がわかると言えるほど重要だと考えます。

この自立支援のケアに取り組むためには、介護職の知識や技術といった資質と、施設全体として実行する組織力の向上が不可欠です。

重要なのはそれだけではなくトイレそのものにもあります。


ここで何を言いたいかと言いますと、自立支援のケア場面はベッド上(おむつ交換)ではなくトイレであり、施設設計では実際の排泄ケアの場所となるトイレ設計こそ最も重要となるということです。

ケアの良し悪しと同様に、トイレ設計が施設設計の良し悪しを左右すると言えるほど重要だと考えます。ということで、トイレについては基本設計の段階から設計士さんと積極的に議論し検討を重ねてきました。

私は理学療法士として在宅における訪問リハビリや、病院退院時の在宅復帰の支援を通じて、手すりの設置など住宅改修に携わる経験をしてきました。これはその方の体型や身体機能などに合わせて行います。

施設で難しいのは利用するお年寄りの方の介護度や身体状況がみな異なるという事です。ですからトイレ手すりのレイアウトや位置決めにおいても何かを優先すれば、一方で何かが犠牲になります。出来るだけ様々なケースに対応できる汎用な設定は出来ても、全てを満たす正解のようなものは無いという事です。ここが最も悩ましい所です。

この辺りはTOTOさんなど各メーカーさんも大変研究されており、マニュアル等もまとめられています。一般的に設計士さんもこれらを参考にしていることが多いようです。もちろん施設側(施主)としても『障害者トイレ』という一括りで設計を進めているケースが大半だと思います。

私たちは何度も実際にトイレで実際の介護場面を想定し検証を行っています。ここでは設計士の知識だけでなく、理学療法士としての私の経験が活かされています。そして実際にケアに携わる職員の声に大きなヒントがありました。これからその内容を施設トイレ設計②へ連載し紹介していきたいと思います。
by kuroshioen | 2014-02-02 23:45 | Comments(0)