クレール日記

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浴室設計③ 介護用ユニットバス

浴室設計①『施設の入浴と個浴』では、クレール高森ではユニットごとに浴室を設計しており、これまでの施設での入浴とはちがい、入浴時間にゆとりを持ったマンツーマン入浴によるケアが可能となるというお話をしました。

ではこの場合、施設に設置する浴槽はどのようなものが適するのでしょうか?

ユニットケアでは、家庭の暮らしが継続できるよう支援することを目的としています。一般的な住宅で多用されている浴槽はユニットバスのタイプが多いのではないでしょうか? しかし、これでは要介護の高齢者にとって十分とは言えません。




実はユニットバスのメーカである積水ホームテクノとナショナルから、介護のしやすさに考慮された介護用のユニットバスが開発・販売されています。

3方向介助が可能なタイプから、介助の方向に合わせて浴槽自体の位置をずらし可変させることができるものまで様々です。高齢者の入浴を想定した手すりの位置や浴槽の深さなど人間工学的な視点から様々な工夫がされています。
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ユニットバスはコンパクトなスペースに効率よく設置出来る上、コストも福祉機器の介護浴槽より安価であり、今、流行りの高齢者住宅などでは建築コストを抑えることができるため採用されるケースが多くなっています。




近年の介護現場において、施設特有の介護を見直そうと、大衆浴場のような一般浴を改修し個浴槽を設置する施設や、特殊機械浴槽を廃止しようという考えも広がりを見せています。
そこで、3方向介助ができる浴槽を用いれば、適切な介護技術を身に付けることにより、要介護度4、5といった重度の方であっても、ほとんど個浴槽で入浴させることができると言われています。
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ユニットケアでは、職員配置などの関係から、基本的にマンツーマンで入浴を介助します。そこで新人スタッフからベテランまでそれぞれが、様々な身体能力のご入所者を安全で快適に入浴介助を行える浴室環境が重要です。そしてケアする側も腰など身体に負担なく入浴業務ができることが重要です。

この介護用ユニットバスの特養での採用は、下肢の関節が硬くなった方や、著しく下肢筋力が低下した方を一人で入浴介助するケースを考えると不安があることも事実です。また設計の視点からは、景色の見える大きな窓や、採光を考慮した窓を設けるといった自由度が制限されてしまいます。

介護用ユニットバスはコスト的にも機能的にも魅力はありますが、特養における入所者の要介護度やユニットケアのコンセプト、実際の業務など様々な視点から検証した結果、クレール高森では採用しませんでした。


そこで次回、浴室設計④では、福祉機器の中から介護個浴槽の種類を紹介し、クレール高森における設計の工夫についてお話をしたいと思います。
by kuroshioen | 2013-12-23 20:46 | Comments(1)
Commented by パナソニックエイジフリー)白川 at 2013-12-26 16:56 x
個浴に替える事で、どういったメリットがおありでしょうか?
特養は在来工法の大浴槽が一般的だと伺っております。
良ろしければ、ご教示お願いいたします。