クレール日記

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災害対策⑤ 自家発電の発電スペック

前回、災害対策④では自家発電機の燃料を灯油とし、給湯ボイラーの燃料タンクとの併用する設計としたお話をしました。
これは大規模災害による停電時、3~4日間の電気の供給を可能とするための工夫の一つです。


次にかなりの議論を重ねたのは、どれぐらいの大きさの発電機を選ぶかということです。
一般的に発電容量はKVAという単位で表記されます。

実は燃料を通常の軽油ではなく、灯油としたことで機種の選択肢が限られてしまい‥
大型の発電機の場合、選択肢は130KVAもしくはそれ以上となると280KVAの2つとなってしまいました。



そこで、停電時どこまで自家発電で賄うのか様々なシュミレーションを行いました。

停電時に必要最低限のものとして

上水ポンプや中水ポンプ(水道・スプリンクラー関係)
非常照明・誘導灯
エレベータ関係
浄化槽
ユニットリビング共用温水器   などを挙げました。

これだけであれば発電容量50KVAで十分に対応できます。



東日本大震災で被災した施設の事例などから、大規模災害時の事業継続において空調設備の使用が可能かということがポイントとされています。(災害対策③)
当然、発電容量50KVAの発電機では、空調を稼働させることは不可能です。

空調の使用も季節によって消費電力が異なります。
よって夏のピーク時の冷房を想定し試算・検証ました。
真夏・真冬の空調を使用しない場合は、他の照明やコンセントの使用範囲が拡大します。
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これらの設備にかかるイニシャルコストは、前回述べた3~4日連続可動のオイルタンク容量とした場合、130KVAで約1,300万、280KVAでは2,400万という概算見積となりました。
表からもわかるように130KVAでは、共用部の空調だけでも約50%程度しか使用できません。しかし280KVAでは十分すぎます。

この2択しかなく、事業費などの関係から色々と悩みました。やはり大規模災害などによる長期間の停電を考えると、電気の確保はとても重要な課題であり、通常では考えにくいとは思いますが280KVAを選択しました。

これらの設計により、クレール高森では断水・停電などインフラ機能が完全に停止したとしても、3~4日間は施設での暮らしが継続できます。

これは新たしい施設での安心な暮らしだけでなく、非常時は既存施設の方の避難場所としても機能させることができます。大きな投資となりましたが、それに相当する大きな付加価値となるものと考えます。


クレール高森は、これから先を見据えた、地域福祉の中核となる施設を目指していきます。
by kuroshioen | 2013-08-19 15:17 | Comments(0)