クレール日記

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タグ:設計(コンセプト) ( 68 ) タグの人気記事

エントランスホール

クレール高森を訪れた方がまず目にするエントランスホール。

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エントランスホールは人で言う顔?訪れた人に建物のイメージ(第一印象)を印象付ける大切な空間ですね。

多くの方から「お洒落でホテルみたい」という声をお聞きします。



これは私たちが設計で意図したことそのものです。

これまでの施設設計という概念にはとらわれることなく、特養という場を「お洒落で明るいイメージ」にしたいということで望んだ設計です。


まず入口の自動ドアをくぐると視界に入る正面の壁をどう創るか・・・
杉板コンクリート打ち放し壁
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そして受付を済まして、居住ユニットに足を進めた時に、次に目に入ってくるシーン(空間)をどう創るか・・・

テラスにつながる共用ロビー(喫茶コーナー)
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設計段階で益田・鈴木両設計士と検討を重ねたポイントですね。





さて、現在進行中の黒潮園の改修工事でも、この重要なエントランスホールをどのようにデザインし、設えるのか… 大変悩みました。
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クレール高森の建築では、私も益田一級建築士設計事務所の一員(見習い?)として、特にインテイリアデザインや仕上げ材の決定には大きく携わらせて頂きました。

黒潮園改修工事では、独立?もしくは自立して初めて手がけた新人設計士のような感じで、一人で全体をイメージし、そして仕上げ材のサンプルを取り寄せ、現場で検証し… と進めてきました。

これが本当に大変な作業なんです。




自分の考える理想の空間イメージを形にしたクレール高森です。当然、黒潮園のリフォームも作風が似てくると言いますか… 共通する部分が多くなります。そこで黒潮園のエントランスホールも「明るく温かい空間」「お洒落なイメージ」でもってデザインしています。

イメージするのは同じホテルでも重厚な落ち着きある空間ではなく、アイボリーや茶系の軽やかなイメージのホテルですね。



なぜ、このようなインテリアデザインにこだわるのかと言いますと・・・

もちろんこれからの世代のご入居者に満足いただける施設を目指しているからです。ただそれだけではなく、介護職の仕事が明るく魅力的なものにしたいと言うことがあります。介護の仕事がこのような素敵な環境で働くことができ、他のサービス業と変わらない、洗練されたお洒落なイメージにしたいと思うからです。








そこで風除室からエントランスホールの室内空間の壁の一部にタイルを採用することを考えました。これでお洒落感がぐっとUPします。

タイルA案
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タイルB案
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皆さんはどちらがお好みですか?

シャープなラインが特徴的なA案も捨てがたいのですが… タイルの表情に温かさを感じるB案に決定。





また床は敢えて長尺塩ビシート系ではなくタイルカーペットとしています。塩ビシートではどうしても温かい感じには仕上がらないですね。
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長尺塩ビシート施工例




カーペットA案
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カーペットB案
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カーペットC案
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カーペットD案
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カーペットE案
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E案はカタログでは色が映えない感じでしたが、多数取り寄せた現物サンプルでは最もイメージしたものに一致。





クロスにしてもカーペットにしても数百と種類があります。何冊ものカタログから、ざっとページをめくり、ファーストインプレッションで目に付いたもの、気になったものに付箋をつけていきます。そして更にイメージと一致するもの(可能性のあるもの)を数日かかけて絞り込んでいきます。
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次に現物サンプルを取り寄せます。この限られた大きさのサンプルを並べ、エントランスホールに接する各部屋とのバランスも考えなくてはいけません。



会議室や事務室の床カーペットはこれに合わすとどの色が調和が取れるのか? エントランスホールを抜けて続く居室ローカの長尺シートとのつながりは違和感ないのか? などなどです。
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床の次はこれを囲む壁紙クロスの組み合わせ。また会議室など各部屋の入口扉の木製建具の色… この無数の組み合わせをサンプルを組み合わせたミニチュアモデル?で検証を重ねます。
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手前のカーペットを床に、壁タイルとクロスサンプルを実際の壁に見立て立体的にその空間のマッチングをイメージ・・・わかります?




工事中の現場で小さなサンプルから全体イメージを確認。場数をこなしていない私には大変難しい・・・・。
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心の中で「これだ!!」と決めていても、現物の色合いや風合いがカタログとは違うケースも多く… そうなれば又一からの考え直しになるなど、本当に時間を要するんです。大切なことはトータルコーディネートですから、床の材料一つ変われば壁紙クロスなど全ての仕上げ材も再考しなければいけなくなります。
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全ての仕上げ項目の詳細が決定しなければ現場の工事は進みません。木枠の色合わせでは建具と合う色がなかなか出ず、何度も職人さんにサンプル塗りをしてもらいました。

クレールの建築時、鈴木設計士がこの色合わせで、何度も何度も職人さんにダメ出しをしていた事を思い出しましたね。実際に自分が…となると職人さんの気持ちもわかるし、でも安易な妥協もできない。完成したものがこれから10年、20年の新たな黒潮園を決めるものであり…かなりの精神力を要します。



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仕上げで悩むと悩むほど、工事は遅れてきます。でも安易な妥協は許されません。本当に胃が痛くなりながらも、根気で踏ん張って進めてきました。

設計士という仕事の大変さを身を持って経験させて頂いています。
ここ1年は介護関係だけではなく、建築のスキルがかなり経験になってます(笑)。





未完成のまま使用開始した黒潮園玄関ですが、ようやく納期が遅れていた天井仕上げ材、ルーバーの取り付けが終わりました。
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あと残すは、屋外玄関周りの仕上げ。



軒天には檜材を、そして床はコンクリート舗装ではなくタイルを貼りました。
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古い、茶色のタイルも新しいものにリフォームします。そしてアスファルト舗装をして玄関の完成です。

さてどんな風になるかな?




1年近くかかった黒潮園改修工事もいよいよ最終段階。最後に残す1階フロアーの工事は順調に進んでおり、4月にはクレール高森に一時的に移って頂いていたご入居者さまが黒潮園に戻ってこられます。

クレール高森ではご入居者の引越しに、新規入居者の受け入れ。新規採用職員を迎えての新たな業務開始と落ち着くまでには、まだまだ乗り超えなければならない壁は沢山あります。



生まれ変わった社会福祉法人黒潮園の始動・・・

いよいよ間近です。
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by kuroshioen | 2015-03-21 22:17 | Comments(0)

クレール高森竣工写真③ 2F内観ほか

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北棟2階ユニットC
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玄関


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テラス






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廊下









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共同生活室(食堂)

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浴室
















南棟2階 ユニットD
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共同生活室(食堂)

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居室入口





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居室



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個室トイレ












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浴室













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共同生活室2(居間)




















医務室
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家族宿泊室
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(前室)

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寝室
















地階地域交流室
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階段室
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屋上
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クレール高森新築工事

竣工日 平成26年6月30日

所在地 和歌山県新宮市三輪崎2471-1

施 主 社会福祉法人黒潮園

設計監理 益田一級建築士設計事務所

施 工 株式会社夏山組

写真撮影 田中宏明写真工房
     2014年6月24~27日










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クレール高森竣工写真① 外観
クレール高森竣工写真② 1F内観
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by kuroshioen | 2014-09-30 20:51 | Comments(0)

クレール高森竣工写真② 1F内観

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正面玄関外観全景






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玄関外観












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エントランスホール



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1階共用ロビー


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喫茶コーナー








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エレベーターホール前










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受付前コーナー






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受付

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事務宿直室

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相談室











北棟1階ユニットA(ショートステイ)
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共同生活室
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共同生活室(食堂)
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廊下













南棟1階ユニットB
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入口


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共同生活室(リビング)
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浴室



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トイレ



クレール高森竣工写真① 外観
クレール高森竣工③ 2F外観ほか
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by kuroshioen | 2014-09-28 22:32 | Comments(0)

クレール高森竣工写真① 外観

Clair Takamori 

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社会福祉法人黒潮園






撮影:田中宏明

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正面外観全景


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北棟北側外観








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正面外観







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北棟西側外観





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東側外観全景



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北棟南側外観






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北棟東側外観全景

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2階テラス











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北棟南側外観全景













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南棟東側外観全景




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共用ロビー外観

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南棟1階回廊







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地域交流室・共用ロビー外観




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南棟西側外観


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南棟西側テラス


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東屋


クレール高森竣工写真② 1F内観
クレール高森竣工写真③ 2F内観ほか
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by kuroshioen | 2014-09-24 23:38 | Comments(0)

テラスに出て


8月。夏本番!! 

暑い日差しにセミの鳴く声…


のはずが、全くスッキリしない天気が続いています。



西日本では、台風や南から湿った空気が流れ込んだ影響で、先月末から雨の日が多くなっています。近畿地方の8月上旬の降水量は、平年のおよそ8倍、また、8月上旬は晴れた日が少なく、日照時間は平年の50%以下、と西日本を中心に統計を開始した1961年以降の記録的な状況となっているとのことです。

今後もしばらくは曇りや雨の日が多くなるとの予報が出ています。
農作物への影響(野菜価格高騰)などが心配ですね。



そんな中で、貴重な晴天のとある日… 

南2Fテラス
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ご入居者の方が外に出られていました。

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おやつのカキ氷を食べられているようです。

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この方は誰でしょうか? 〇〇職員です。
(ヒント:クレール日記に登場したことがあります)



クーラーの効いた室内もいいんですが、あえて外に出て、『夏』を感じて頂くことも大切!!
ということで窓を開放し、風の通るテラスでカキ氷を召し上がって頂いたということです。



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「温い風やねぇ~」とリビングで過ごす方も…。

これもケアのひと工夫です。
暑い夏だからこそ、暖かい風、そして引き立つカキ氷ですもんね。




このテラス。手すりは車椅子の方の目線の高さに配慮しています。
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こだわりのポイントは、柵ではなく景色の透けるガラスを採用しているところです。

普段、私たちは柵の上から景色を眺めているので気付かないかも知れませんが…

ここに格子のフレームがくると、遠くに眺める海や山といった素晴らしいロケーションが台無しになると思いませんか? 建築費増の要因の一つですけどね(笑)。
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by kuroshioen | 2014-08-14 22:53 | Comments(0)

落書き?クレール

こんにちは。

先日、ユニットをまわっていますと・・・

あるご入居者さまが、私に


「こんな所に落書きをするやつがおる。」

「ここは子供が出入りする場所やないし、これは絶対に大人の仕業や!!」

「とっ捕まえて、怒ったらなあかんで!!」

と・・・ 激怒。




そこには『Clair Takamori』の文字が・・・

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そうです。これはガラスの衝突防止のためのカティングなんです。




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クレール高森は大きなサッシが多用されており、開放的で快適な空間を設計しています。

そこで、開閉できないガラス面も随所にあります。こういった場所は、一見するとサッシが開いていて、外に出れるように錯覚する可能性があります。そこで透明なガラス面に、文字を入れているんです。(お洒落のつもりが、落書きに見えたとは・・・認知症高齢者の方の視点は面白い。)
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ショッピングモールや大きな自動ドアなど、大きなガラス面に、近づくと線が入っていたり、金属の丸いもの(衝突防止マーカー)があることに気がつきませんか?
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向こうの景色の手前に、こういったものが自然に視界に入ることで、衝突を回避しているのです。
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ストライプ柄


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電車(東京メトロ)の車両間のガラスドア


大きなガラスのある建物を見かけたら、少し気にして見てみて下さい。
色々なデザインや工夫が見られ面白いですよ。




ちなみに私はやってしまいました。

工事中、サッシだけでガラスがまだ入っていなかった時に、出入りしていたこの場所にいつの間にかガラスが入っており… 見事にガラスに衝突したことがあります。 
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by kuroshioen | 2014-07-25 18:08 | Comments(0)

ツインルーム

こんばんは。


今日、ご紹介させて頂きますのはこの写真からです。
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とあるホテルの宿泊施設





ではなく・・・

クレール高森の『ゲストルーム(家族宿泊室)』です。
内覧会においても高い評価の声を頂きましたので、ご紹介させて頂きます。


こだわりはホテルのベッドメイキング方法を調べて用意したベッドカバー一式です。
カーテン生地でオーダーし、窓のカーテンと色違いになっています。




新宮市は縦に細長い和歌山県の南端、三重県との県境にある街です。
交通の便がたいへん悪く大阪に出るのも、名古屋に出るにも特急で3時間以上かかり、陸の孤島とも言われています。また特急の本数が少なく… 遠方の方が訪れる場合は必ず一泊しなければなりません。

そこで、今回の計画ではこの宿泊室をプランしました。

もちろん、ホテルと同じようにユニットバス付きです。
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遠方からのご面会の方も気兼ねなく、このクレール高森にお越しいただけるよう配慮させて頂きました。(場合によっては私の家出用の部屋にも???)
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また、これから既存特養黒潮園の改修工事が行われるのですが、そこにもご家族にお泊り頂ける部屋をプランしています。それは今回とは少し違い『看取のお部屋』です。

黒潮園では現在、行政の指針に基づき重度要介護者の入所が優先されています。そこで老衰を迎えられた方、もしくは何らかの病気により体調を崩された方におきましては、ご家族の意向に添わせて頂き、医療機関ではなく施設での終末期を迎える「看取りのケア」に取り組んでおります。

現在は、夜間の付き添いを希望された場合位は、静養室に折りたたみベッドを置かせて頂いている状況です。

この時間・・・ ご家族にとって、とても大切な時間です。

そこで、今回の改修では、広い静かなお部屋を用意させて頂き、そこでご入居者の方のベッドの横に簡易なベッドを置きご家族が常に寄り添うことができるよう… またトイレや洗面も設計しています。最期を迎えられるご入居者さまとご家族が一つのお部屋で、24時間共にお過ごし頂けるよう配慮したお部屋にさせて頂きます。



クレール高森と黒潮園。それぞれに必要とされるも、異なる『ツインルーム』です。



黒潮園ホームページ:勉強会から
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by kuroshioen | 2014-07-08 22:07 | Comments(0)

内覧会 足湯?

こんばんわ。

内覧会の小話を紹介します。

以前、お話したクレール高森の顔?水盤ですが・・・
クレール日記『水盤』:参照

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これを見る新宮人の方々のご意見・・・

「これいいねぇ~」

と手を水に入れる方を遠目に見ていました。

次に・・・

「あれ?これ足湯じゃないの?」
(これ、結構な方々が話されていました)



施工の打ち合わせでは、これは池なのか? 何なのか?
水道設備施工業者が鈴木設計士と真剣に議論したシーンを思い浮かべると・・・

かなり笑えてしまいました。




鈴木設計士なら
「足湯じゃない !! デザインです !! 」ってやや強い口調で説明してくれることのでしょう。

益田設計士からは
「足湯じゃないけど、夏にはお年寄りの方がここに足をつけて水遊びとかいいかも?」
「五感で感じる設計がコンセプトにありましたからね~」


「この地方の人は、昔、近くの川で遊んだ記憶のある方が多いでしょうから、冗談抜きでいいでしょねぇ~」




明日の開設の準備で、公休で出てきていたユニットリーダーズの子供さんが、早速、水遊びをしていました。とてもいい雰囲気です。
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ちなみに職員は
「ここでスイカを冷やしてみんなで食べてもいいかも?」
(ちなみに早速今日、ここにスモモを冷やしている職員がいました)




デザインだけでなく水盤の活用法?が広がります。

以前も申し上げましたが、このような水辺が施設の間近にあることに転落リスク?など賛否両論があるとは思いますが、「水」を近くに感じることは、とても心の癒しになると私は思っています。





ちなみにこの『水盤』の水はどこから来るかと言いますと・・・
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クレール高森の背後の森の中にあるパイプを遡っていくと水源にたどり着きます。
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200mほど歩くと水源にたどり着きます。
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キレイな沢水が湧き出ています。


今回共和水道萩原さんが、私たちの水盤への思い入れを理解して頂き?、本体工事外の作業にも関わらず、この水を引くパイプを全面補修してくれました。そこで多くの水量がクレール高森に流れてくるようになりました。うれしい心遣いです。
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この沢水は、雨水を活用する中水タンクに貯蔵でき、災害時のトイレの排水に活用できるよう設計されています。
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北棟の地下に12㌧の中水タンクが埋設されています。


水盤脇の回廊にある点検口から入ると
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中水システムのポンプがあります。

ここから高架水槽にポンプアップされ、各居室トイレ、散水栓などに水が送られます。
大規模災害・・・福祉施設として、もはや「想定外」とは言えません。
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by kuroshioen | 2014-06-30 23:58 | Comments(0)

ファンレストテーブル切断…その後

28日(土)。29日(日)の二日間、内覧会を予定していますが、福祉施設の実用性として、ケアの視点から設計にこだわりとして、最も注目して頂きたいのが車椅子介助用のトイレです。

以前の記事に「ファンレストテーブル切断」について書きましたが、その理由を述べていないままになっていましたね。(忙しくて原稿のまま放置していました。)

どうやらこのクレール日記を「ファンレストテーブル」の検索キーワードから引っかけて頂いている方も多いようでして… 取り急ぎ、その理由をお話したいと思います。
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私たちは 年前に行った黒潮園の1階デイルームのリフォームの際に、このファンレストテーブルを採用しました。このテーブルに寄りかかることで、排便時に最もいきみやすい前かがみの姿勢が取れる上、便座からの転落も防ぐことができます。またこれを利用すると、下肢筋力が低下したお年寄りの方でも、上肢(前腕)で体重を支えて車椅子から移乗ができます。
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これにより立位保持が難しく、移乗に大きな介助の必要とするお年寄りの方であっても、安全にトイレでの排泄ができます。黒潮園ではベッド上での排泄(おむつの使用)を廃止し、トイレでの排泄自立を支援するケアに取り組んでいますが、このような福祉機器の工夫は重要なポイントとなります。
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しかし、一方でこのファンレストテーブルを設置することで、デメリットと言うか犠牲にせざるを得ない問題があります。

それは、通常の移乗時に立ち上がり時の補助となる『縦手すり(もしくはL字手すり)』を本来の場所に設置できないことになるというものです。ちょうどその位置に壁に収納したファンレストテーブルがくるため、縦手すりの位置をずらす必要性がでてきます。

結果、便器からこの『縦手すり(もしくはL字手すり)』が遠い位置となってしまい、肩関節の可動域に乏しい高齢者の方では届かないということになるのです。
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メーカーからは専用のL字手すりが発売されていますが、どうしてもファンレストテーブルを避けて設置しなければならず、正直かなり使いづらいですね。実際にメーカーホームページで紹介されている使用方法の写真を見ても、かなり前屈し手を伸ばしている様子が見られます。これは高齢者の方には無理がありますね。

私たちは、『福祉施設としの機能性』にこだわり、設計の段階でケアの視点から寸法や高さなど様々な検証を行ってきました。この問題は既存特養に設置したファンレストテーブルのあるトイレで、その当時、私が考察した寸法を益田設計士に説明していた時に、ふとスタッフに使い勝手について尋ねたことで知ることができました。


何とかこの問題を解決し、ケアの視点に特化した実用性の高いトイレを何とか実現できないか・・・ 色々と模索していました。

また現場では「ファンレストテーブルの奥行が幅広くて、小柄お年寄りの方は端を握ることができないんですよねぇ…」との声

個室トイレに採用したTOTOさんの前方手すりでは細すぎて前腕支持での移乗動作は難しい・・・
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居室トイレ

そこで閃いたのです。
「ファンレストテーブルをカットすれば、その分手すりの位置を近くにずらすことができる!」
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そこでL字手すりではなく、これを横手すりと縦手すりに分けて設置し、そして更に、縦手すりを2本とする『ダブル縦手すり』案が思いついたのです。
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こうすることで、トイレに移乗する際には、車椅子に近い縦手すり。トイレから立ち上がり車椅子に戻る際には、身体に近い方の縦手すりを利用できるという理想の位置関係を算出することができました。

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今回、新たに見直されたファンレストテーブル(切断バージョン)による車椅子介護専用トイレの完成度はかなり満足できるものとなりました。前回に黒潮園での施工経験とスタッフの声、そしてケアの視点からの設計へのこだわりが生み出した『スーパートイレ』(笑)の誕生です。

実際の詳しい使用方法については次回にご紹介します。
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by kuroshioen | 2014-06-27 23:52 | Comments(0)

水 盤

皆さん。 『水盤』ってご存知ですか?

一般的に水盤とは水を入れる,広く浅い陶磁製の鉢のことを言い、生け花・盆栽などに用いられます。また涼味を求めて、庭の一角で睡蓮(すいれん)・蘆(あし)などを生けたり,植えたりすることもあります。メダカなんか泳がせてもいい感じです。
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今日お話するのは建築における『水盤』です。
よく美術館なんかに見かけるんですけど… ご存知ありませんか?
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群馬県立館林美術館
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ヴァンジ彫刻庭園美術館

あくまでも『池』ではなく、うすく水が張られ、その水面に景色の映り込む『水の盤(板)』のようにデザインされたものです。




そうですね・・・

では、最近大阪駅(梅田駅)北側が再開発され、昨年4月にオープンしたグランフロント大阪(GRAND FRONT OSAKA)はご存知ですよね。
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駅に直結する形で3つのビルが並び、中にはショッピングモールやレストラン・カフェ、ホテル、劇場などがあり、大変賑わっています。


新しく整備されたお洒落な街の空間にも『水盤』が設計されていますね。大阪駅に行くことがあれば少し気にかけてみてください。
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『水盤』意外といろんな所で見かけますよ。


ついでに・・・
グランフロント大阪(GRAND FRONT OSAKA)にあるお店

養殖魚専門の料理店「近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所」(大阪店)
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当地方にある近畿大学水産研究所では、これまで大変難しいと言われていた、人工孵化した稚魚からのマグロの完全養殖成功という快挙が成しとげられました。この養殖マグロを「近大マグロ」と呼ばれます。これが脂がのっていて美味しいと評判なんです。

この水産研究所が育てた「近大マグロ」などの養殖魚を中心とした魚料理を専門とするお店で、他に和歌山県産の食材にこだわった料理を提供しています。お酒を飲みながら・・・いいですよねぇ。

私は今でも、理学療法士の学校に非常勤講師として講義をおこなうために、月2回大阪日帰りで行き来しています。どうしても紹介したくて、この写真を撮りに行きました。

大変人気で、空席待ちの列が出来てましたね~。

ちなみに益田設計士に話すと… 東京に2号店ができているそうです。
一度は行きたいと思いつつ…まだ行けていないとか?

こちらの方も機会があれば是非、立ち寄ってみて見て下さい。





さて話は戻り・・・

最近では住宅の設計においても、『水盤』をデザインとして取り入れられているものもよく見られます。 
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水盤のあるガレージハウス
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これは自分の書斎から水盤を挟んで、ガレージの愛車を眺めることが出来るという、超個人的な趣味の世界を形にした建築模型です。






私は目前に広がる海、そして近くを流れる世界遺産熊野川(前回、東介護職員が紹介しましたね)で泳いだり、魚釣りをしたり… 水の豊かさを肌で感じ、遊び育ちました。



今でも海に行くと心が洗われ… 日頃の疲れを忘れさせてくれます。
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趣味はサーフィンと釣りです。


川のせせらぎ…
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新宮市高田川:桑の木の滝


池の水面に映る景色
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京都:高台寺の紅葉ライトアップ

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日本庭園のししおどしの音


水のおりなす風景や音はとても心が安らぎます。






青い空、遠くの海… 木々の緑  そして水… 
クレール高森の自然の豊かさをこの『水盤』で表現しています。

また以前に、クレール高森の災害対策①・②として水の確保』井戸の掘削か沢水取水か?についてお話をしました。

この断水時においてもトイレの排水が可能となる設計を行っているなど、水に恵まれた施設の象徴としてもこの『水盤』の設計を提案しました。
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途中、この雨水と沢水を活用する中水システムについては多くの課題があり、検討を重ねてきました。 また水盤の設計においても、設計士のイメージするものと、私の考えを何度もすり合わせ、議論を行い進められました。

水深は? 底面の仕上げは? ライティング(照明)などです。
(まぁ何より掃除が大変なんですけどね。ここは小林事務長と2人で頑張るということで解決)




例えば、施工中…
「この深さはイメージとは違う。」
「深みがある水盤のほうが、景色の映り込みがキレイだと思う。」
「水盤とはあくまでも薄く水が張られたもの。高齢者施設における設計が前提なのでもっと浅くして欲しい。いくらデザインと言えども安心感といった面で、一般の方には受け入れられないだろう。」
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ちなみに、水道工事担当の萩原さんはこの設計への第一声

真剣な眼差しで…
「鈴木さん。一体この図面にある水盤って何ですか?」です。

これに対して鈴木設計
「これはデザインです!!」の一言。

萩原さん「デザイン?池とはまた違うんですか?」

鈴木設計士
さらに強い口調で「だから…デザインなんです!」

まぁ そのやりとりが面白くて、吹き出してしまいましたね。
どうやら『水盤』の施工は初めての事のようです。




色々ありながら完成したこの『水盤』ですが、その水張りテストを行いました。
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さらに数cm水面を下げるか最終議論は実際に満水にしてから、徐々に水位を下げてみて、その表情の違いを確認しつつ決定されました。
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by kuroshioen | 2014-06-15 23:58 | Comments(0)