クレール日記

kuroshioen.exblog.jp
ブログトップ

施設の床材は?

みなさん鉄筋コンクリート造の施設や病院の床材がどのようなものか気にされたことがありますか?

施設の床にコンクリートの硬さや冷たさを感じませんか?


素朴な疑問ですが、ではなぜ施設は病院のような作りで、一般住宅のような身近な建材を用いて作られていないのでしょうか?

クレール高森の設計にあたり、益田・鈴木両設計士には冒頭に「医療福祉施設の概念化された設計手法には囚われず、住まいとしての空間づくりを前提にした設計にこだわりたい」とお話をしました。





では住宅の床はどうなっているでしょう?

図のように根太組みの上に床仕上げ材を貼るのが一般的です。
f0299108_21461813.jpg

特養ではどのような床材が適するのでしょうか?
1つは車いすの方の移動が容易かということが前提でしょう。また床に飲み物をこぼしたり、失禁してしまうといったこともあります。掃除のしやすさや衛生面への配慮も必要でしょう。


医療福祉施設で用いられる床材
【カーペット】
住宅で一般的に使われるものは、車椅子の操作の抵抗になり移動が非常にしにくい材料です。また汚れがどうしても目立ってきます。最近はタイルカーペットや車椅子操作に特化たものが出ています。カーペットは材質から温かい雰囲気がつくれます。

【木製床(フローリング)】
住宅で一般的に用いられているものです。車いすの移動には支障がありませんが、目地のゴミや、液状のものをこぼした時の掃除のしにくさなどを理由に、医療福祉施設ではあまり使われていませんでした。、最近では高齢者住宅やグループホームといった住宅型の施設を中心に使用されるようになってきています。

【塩ビ系床材】
長尺シートや塩ビシートなどと呼ばれている厚さ2~3mmのシートを貼るもので、一般家庭でも洗面所やトイレの床材に使われることが多いものです。清掃が簡単で衛生面からも医療福祉施設の床材として最も多く使われています。また仕上げ方法として最もコストがかからない、コンクリート下地への直貼りが多く見受けられます。


塩ビ系床材では木目調のシートを採用することで、一見フローリングのようにも見えます。
施設では職員もご利用者様も運動靴をはくことが多く、気にならないかもしれませんが、当然木のような温かさやクッション性は全くありません。
また高齢者の転倒事故では衝撃吸収性能に欠け(直接コンクリートのため)圧倒的に骨折のリスクが高くなると言われています。

これを防止する方法として床を浮かす二重床という工法もあります。




新しい施設が『住まい』とするならば‥

外履きの靴を履くのはどうなのか?
素足で歩くことは普通では?
床にしゃがむこともあってもいいのではないか?

と床材だけでなく、履物に対する疑問も生まれてきます‥。




ではクレール高森では床材と仕上げはどうするのか?

床材は一般住宅と同じ木製床(フローリング)を採用しています。
そして仕上げ方法は、コンクリート造の建物なので、マンションなどにも採用されている遮音置き床工法(二重床)を採用しています。
f0299108_22162151.jpg

f0299108_22018100.jpg

二重床工法は衝撃吸収性が高く、遮音性も期待できます。また歩いた感触など一般木造住宅と同じような感覚で生活出来ることがメリットです。メリットの多いこの二重床工法ですが、施設設計における難点はコストの問題です。

「利用者の生活をさせるユニットケア」(出版:中央法規)では
衝撃吸収材を挟む工法と置き床工法では、㎡単価で約8,000円程度の差があると記されています。
(前者は賃貸マンションでフローリングの仕上げとして多く見られ、後者は分譲マンションに多い?)
f0299108_22273028.jpg

さらに施設に一般的に多い塩ビ系床材の直貼り工法と、この二重床工法を比較すると、㎡単価で1万円ほどの違いが出てくることになると思います。

f0299108_22291661.jpg

今回、この二重床工法はすべての居室とローカ、リビングに採用しています。施工する床面積は1,000㎡を下りません。施工費用がどの程度違ってくるかお分かり頂けますか?

近年介護報酬が減額される傾向にある上、施設建設にまつわる補助金が微々たるものであり、いかにしてコストをかけないで建築するかということが議論となります。
このあたりが一般的な住宅と同じような建材が採用されない理由の一つかもしれませんね。

建物の方向性を決めるのは施設を何のために建設するのか?その目的は?
そして設計に何を求め、何を優先するのかだと思います。

床材の選択から‥クレール高森が目指すものがお解り頂けますか?


地域福祉に貢献することが目的であり‥
住まいとして自らが入居を選んで頂ける、これまでにない新たな施設のあり方に挑戦したいのです。




このベースという建材が40cm間隔で敷き詰められ、フローリングを支えます。
f0299108_2233429.jpg

f0299108_2235037.jpg
コーヒーをかけて2時間後に拭き取り実験を行い掃除の問題を確認
f0299108_2242133.jpg



床の色で空間の雰囲気は全く異なってきます。
f0299108_2255736.jpg

f0299108_2253360.jpg

カラーサンプルは何十種類もあります。色調もダーク系から茶系など色々です。
この中から選ぶのは大変な作業です。とても悩みますねぇ~。

ユニットごとにコンセプトを変えるのも面白い気もします。

一般的な茶系ではなく、白木の木目を生かした明るい床材もおしゃれでクレール高森の雰囲気にあっているのかなぁ‥

f0299108_2261594.jpg


施設設計では高齢者の身体機能に配慮したバリアフリーに工夫をすることは当然です。
ユニットケア施設では、これまで多く見られる病院や介護施設としての内装ではなく、「住まい」としての内装をどう設えるかが重要ではないかと考えています。

最終決定したフローリングはこちらです。⇒フローリング材の再々検討
[PR]
# by kuroshioen | 2013-10-06 08:01 | Comments(0)

北棟基礎コンクリート打設②

昨日の北棟基礎コンクリート打設‥

終わる頃には夕方6時を過ぎ、もう日が暮れていました。
f0299108_23243226.jpg

ご苦労様でした‥。

これから秋の深まるりとともに、日暮れは早くなります。
工事の進行が大変ですね。


早速、10日(木)の南棟躯体コンクリート打設は、夜8時までかかる予定となっています。
投光器など万全の準備を行い実施する予定となっています。
[PR]
# by kuroshioen | 2013-10-05 08:11 | Comments(0)

北棟基礎コンクリート打設

こんにちは。

空は厚い雲に覆われています。


雨が心配されましたが‥
何とか予定していた北棟基礎のコンクリート打設を実施しています。
f0299108_1435734.jpg

f0299108_14352726.jpg


昨日型枠大工さんが建て込んだ型枠の中に、コンクリートが流し込まれています。
f0299108_14355819.jpg

f0299108_14362047.jpg

f0299108_14442994.jpg


<今後のコンクリート打設予定>
本日、北棟基礎 コンクリート60㎥

8日(火) 北棟耐圧版 コンクリート60㎥

10日(木) 南棟1階躯体 コンクリート200㎥

と生コン打設の日程が続きます。
特に10日の南棟1階の躯体コンクリートは量も多く、午前7時から開始し、夜の8時までかかる予定になっています。

これからは台風が多く発生する季節です。
天気が心配です。
[PR]
# by kuroshioen | 2013-10-04 14:45 | Comments(0)

型枠大工さん

今日も好天に恵まれ工事は進められています。

そこで南棟2階に登ってみました。
f0299108_15365517.jpg



現場では「トントントン」と‥

今日も一日、金槌を打つ音が響いています。
これは型枠大工さんがコンクリートを流し込む型枠を建て込む作業をしている音です。



コンクリート造の建物を建築するには、まだ柔らかいコンクリートを施工する建物の形に流し込む為の枠(型枠)を作る必要があります。この木製の型枠を組立てるのが「型枠大工」と言う職人です。
f0299108_16174710.jpg
f0299108_1617838.jpg


型枠大工の仕事の内容は、加工図作成、材料段取り、測量墨出し、加工、組立など、建設技能者のうちでは高度な技能が要求されます。鉄筋コンクリートの建物の精度や仕上がりの良し悪しは、型枠大工の腕にかかっているとも言われています。


加工図に基づいて現場では水平・垂直を確かめながら印をつけていく『墨出し』呼ばれる作業を行い、人の手でミリ単位で誤差なく柱や壁の型枠を正確に組み立てていきます。

水平と垂直をスケールで確認し‥ 「よしゃ!ピッタリや!」との威勢のいい声が!
f0299108_16184036.jpg
f0299108_1618241.jpg

f0299108_1644993.jpg
声をかけると‥
「歪みのあるみっともない建物を立てる訳にはいかんからなぁ!」
「これはええ建物になるでー!」と親方の言葉が返ってきました。


また型枠は図面通り正確な形で組立てるだけでなく、流し込まれるコンクリートの圧力に耐える強度を必要とします。ですからこれを支えるサポートという何百本もの支柱が建てられ、チェーンなどで固定されているのです。
f0299108_15373163.jpg

f0299108_15401466.jpg




そしてこの型枠に流し込まれたコンクリートが固まったら(強度が出たら)型枠を取り外されると建物の形が出来上がり、内装や電気工事などの仕上げ工事が始まります。

型枠解体作業が完了した地階地域交流室
f0299108_1542342.jpg





型枠大工として一人前になるには、最低10年はかかるともいわれており、それだけ高い技術が要求されるということです。しかし若い見習いの者が少なく、全国的にも人手不足にあるとも言われています。

鈴木設計士がコンクリート精度が非常に高いと太鼓判を押すほど、夏山組の下請け型枠大工さんの技術は非常に高いようです。(現場監督畠さんもその技術力を絶賛しています。)
f0299108_16211589.jpg





私も技術職に憧れ、医療専門職として医療に従事してきました。
黒潮園では介護職をはじめ多職種がプロとして、誇りと自信を持って働くことができるよう、専門職としての研鑽に努めています。

今回、施設の建築に携わり、設計士、職人さん‥ 分野は全く違いますが様々な専門職の活躍の場に触れ、プロの心意気を感じ大変勉強になります。



現場に関わる多数の職種の方々の連携なくしては成し得ないことです。
これは私たちが質の高いケアに取り組むことと共通することですね。


f0299108_15445081.jpg

[PR]
# by kuroshioen | 2013-10-02 17:05 | Comments(0)

建物デザインと工事の進行

今日から10月ですね。

月日が経つのは早いですね。
工事が着工されてから約4ヶ月が経ちました。


工程では敷地奥から南棟、共用棟、北棟の順に建ち上がって行く予定となっています。
建物が単純な長方形ではない上に、敷地の高低差があるため工事は単純ではありません。
しかし、この構成により、それぞれの棟が異なった表情をしており、別々の建物のようにも感じるデザインとなっています。
f0299108_1442768.jpg

同じ居室数でも、個室で建築すると延べ床面積は大きくなり、結果として建物も大きくなってしまいます。

そこでこのデザインは、手前の既存特養黒潮園との距離感を違えることで、建物の圧迫感を和らげる狙いもあるのです。
また4つのユニットすべて、居住空間(内装)のデザインも違ってきます。

工事が複雑で工期を要しますが、長方形を基調とした単純なデザインにはない‥
趣のある建物となることでしょう!



工事の進行状況は‥
f0299108_14392022.jpg

<2ヶ月前>
f0299108_14454873.jpg

<2週間前>
f0299108_1438973.jpg

<現在>
f0299108_14383023.jpg

徐々に建ち上がっていく様子がわかりますか?
[PR]
# by kuroshioen | 2013-10-01 14:59 | Comments(0)