クレール日記

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災害対策② 井戸の掘削か沢水取水か?

災害時の水確保において井戸の活用は有効な方法の1つです。高森地区でも昔は井戸で生活水を利用していた事があったと聞いています。そこではじめは井戸の掘削を考えました。

一方で、クレール高森建設予定敷地のすぐ近くに沢水が取水できる場所があります。それほど多くの水が出ているようには見えず、実用的かどうか疑問がありました。
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そこで計画中の今年2月に実際に流入水量を測定してみました。
10ℓの容器が満水になるのに要する時間を5回測定し、その平均が約87秒でした。
これを1日あたりに換算すると9931ℓ=約9.9トン貯まるということになります。
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そこで貯めた沢水で一人何回トイレが使用できるかを計算しました。
施設の定員39名と職員を合わせて55名をトイレの最大使用人数として考えます。設置するトイレ1回の使用水量は約10.5ℓです。

9931ℓ/日÷55人÷10.5ℓ/回=17.1回/人
(1日貯まる水量÷使用人数÷1回トイレ使用量=1人のトイレ使用回数)

少しややこしい算数ですね。

簡単にまとめると、沢水を約1日9.9トン貯めることができ、最大55人が新しい施設でトイレを使用したとしても、一人あたり1日約17回トイレを利用できるという事です。

渇水期の冬の結果ですから、これは十分な結果です。沢水だけで日頃のトイレの排水が賄えると言えます。そこで、この恵まれた環境を最大限にいかし、沢水と雨水を地下タンクに取り込む中水システムを採用することに決定しました。
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# by kuroshioen | 2013-07-13 13:26 | Comments(0)

災害対策① 水の確保

平成23年3月11日、東北沖で巨大地震が発生し、1000年に一度の大津波が襲来し、死者・行方不明者合わせて約2万人の東日本大震災となりました。この「想定外」の自然災害のほぼ半年後の9月3日から4日にかけて、台風12号による「想定外」の豪雨が紀伊半島を襲いました。大洪水と、山津波とも呼ばれる土砂災害により紀南地方でも死者・行方不明者44人の大惨事となりました。
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                              氾濫した熊野川
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東日本大震災の様子をテレビの映像で見て本当に心が痛みました。それに加えて、紀伊半島豪雨直後の被災地に支援物資を運んだ際、実際に自身の目で見た光景と、そこで受けた衝撃は忘れもしないものでした。

「想定外」はもう想定外ではなく想定すべき事実です。この経験から、たとえ建築費をかけたとしても大規模災害を想定し、事業継続ができるような機能を設計することを決意しました。

近年、補助金制度が変わり、施設の建設と経営はたいへん厳しい状況にあります。ですから新しい施設を建築する際には、いかにコストをかけずに建てるかということに論議が集中しています。このことは経営としては大切な論点とは思いますが、いかがでしょうか?

このクレール高森は建物の機能、生活空間の質、そしてケアに特化した設計にこだわっています。
経営は挑戦です。社会福祉法人は地域に貢献すべきものと考えます。



紀伊半島大水害により新宮市では上水道が約1週間完全に断水となりました。厨房での調理はできなくなり、トイレの水も流せず排泄物の処理が出来ないなど施設において、水が使えない事による様々な問題を経験しました。
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そこで、この『水の確保』について、クレール高森では
雨水や沢水を活用する設備(中水システム)を設計しました。

黒潮園の裏の山麓から沢水が流れでています。この沢水と雨水を取り込む中水システムにより、地下のタンクに約10トンの水を貯めることができます。
この水はトイレの排水や庭の散水に利用するよう設計されています。

この設備により、断水時においてもトイレの使用が可能となります。衛生面の確保は災害時に最も重要な課題です。また、これにより日頃の生活において、無駄な水道水の使用を減らすことができるなど経済的にも利点があります。

水の確保においては井戸の掘削も検討しました。その点については次回(災害対策②)にお話したいと思います。
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# by kuroshioen | 2013-07-11 16:11 | Comments(0)

クレール高森の開設時期と黒潮園改修計画

今回、計画したクレール高森は平成26年3月末の完成を目指しています。
中期事業計画のビジョンにありますように、その後時期をずらした開設を計画しています。
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この7月1日で現行の黒潮園は、開設36年を迎えます。
昭和56年前に鉄筋コンクリート造の建物の耐震基準が改訂され、以前の建物は現行基準を満たさない可能性があると言われています。
学校や県事務所など公共の建物の耐震補強工事や建て替えが行われているのはこのことが1つにあります。そこで黒潮園の耐震診断を行ったところ、居室棟は全く問題なく、事務棟など一部に軽度の耐震補強工事で十分な安全が確保されることが分かりました。
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黒潮園は築年数が経過した今でも綺麗な状態を保っています。
しかし、様々な課題もあります。
当初の設計ではトイレや浴室においてはプライバシーが十分に配慮できているとは言えません。
また、厨房など水回りの作業を有する部分の老朽化もみられます。
より理想の施設をとの想いを持てば持つほど不満も出てくるものです。



地域福祉を支える高齢者施設としてクレール高森とともに、黒潮園はこれから更に数十年の歩みを必要としています。建て替え計画も一時ありましたが、現在は補助金制度が大きく変わり、大半を自己資金で計画しなければならず非常に難しい課題です。しかし一方で現行の施設の改修工事は、入所者さまを一時的に退所していただく訳にもいかず、大変難しいことです。

そこで、今回、この新しい施設が完成すれば、一時的に黒潮園のご入所者さまに移って頂きながら、空いたフロアーごとに改修に取り組む計画をしています。ですからこの新規事業計画はまたとない施設の改修のチャンスとも言えます。



平成21から平成23年の第一次中期計画では、介護職員の増員や処遇改善など魅力ある職場づくりと、専門的な質の高いケアの構築に向けたケアの見直しなど、全面的な現場改革に取り組みました。
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今回の平成24年からの新たな中期事業計画は、新施設の建設と既存施設の改修というハード面に関するたいへん大きな計画となっています。

黒潮園はこれまで重ねてきた素晴らしい歴史の歩みから、これから永く未来に向けた施設へと、とても重要なターニングポイントにあります。この計画を成し遂げることが出来るよう全力で取り組んで行きたいと思います。
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# by kuroshioen | 2013-07-10 17:37 | Comments(0)

パラマウントベッドショールーム

おはようございます。


全国的に梅雨明けし、今朝もすでに気温がぐんぐん上昇しています。

新宮市の昨日の最高気温は36.1℃だったそうです。
もう体温と変わらない気温ですね。


黒潮園では入所者さまが脱水症状を起こさないよう、お一人おひとりの1日の水分摂取量を記録し個別の水分ケアに取り組んでいます。

水分1日1000mlの摂取が目安となります。
皆様もこまめな水分補給による体調管理にお気を付けください。




さて、先日、小林事務長がユニットリーダー研修を受講した際に、パラマウントベッド大阪支店のショールームに足を運んできました。
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これからクレール高森に導入するベッドやマットレスを検討していきます。
睡眠は生活にしめる割合はとても大きく、安眠や褥瘡予防など高齢者の方々にとってベッドの機能やマットレスの性能はとても大切な部分です。

今回、ショールームでは実際にクレール高森の居室の広さや形を再現したデモストレーションルームを準備していただき、実際のベッドや家具のレイアウトを検証することができました。
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又、マットレスの性能が近年とても良くなっていることに驚きました。
厚さも薄くなりコンパクトな上に、褥瘡を予防する専用のマットレスがなくても十分な性能を発揮するものや、ウォーターベッドの利点を導入したマットレスなど、様々なマットレスに直接寝てみて使用感を確認することができました。

このようにマットレスの種類も豊富です。お一人おひとりの生活スタイルに合わせた個別の支援を目指す「クレール高森」では、このマットレスも自分の好みで選択できるよにしたいなぁ‥と思いました。

毎年、黒潮園で勉強会を行って頂いているパラマウントベッド大西様、今回は大変お世話になりました。
ありがとうございます。
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これからも様々なメーカーのショールームを積極的に活用し、導入する商品を慎重に検討しつつ、モノ選びにとことんこだわっていきたいと思います。
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# by kuroshioen | 2013-07-09 08:51 | Comments(0)

ユニットリーダー研修受講

おはようございます。

紀南地方では真夏のような日差しが照り付けています。
本日も全国的な猛暑が予測されており、暑さ対策には十分に注意が必要です。

工事の方は、クレーン車が現場に入り、南棟の基礎部の配筋が始まりました。
引き続き、共有棟、北棟は掘削造成作業が進めれています。
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さて、新しい施設では、これまでの作業的となりがちな集団ケアではなく、個別ケアと自立支援のケアを目指しています。できる限り、入所者一人ひとりの生活に合わせた暮らしを支援できるよう、9名を一つの単位(ユニット)とした新しい形のケアを取り入れていきます。

これを『ユニットケア』と言います。

その理念や意義、具体的な方法は日本ユニットケア推進センター主催の研修会で学ぶことができます。せっかくユニット施設というハード面を整備しても、ソフト面でこれまでと変わらないケアを行うようであれば、全く意味がありません。

先日、この「ユニットリーダー研修」を小林事務長が受講して来ました。
来週には実習研修があります。
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今年度は志望する介護職員2名の出張も決定していますが、まず先陣を切って事務長が受講してきました。
この新しいケアを実現するためには、高齢者の目線やケアの側面から細部まで検討された設計は当然のことながら、やはり、ケアスタッフのスキルが全てといえます。そこでまずは企画主導するものが内容を十分に把握することが重要であると考えます。

介護職から就任した事務長自らが率先してセミナーを受講するなど、その行動力が黒潮園の持ち味です。そして医療現場でリハビリを専門としてきた理事長の理念、私たちのケアへの思いを一つにして『ユニットケア』を実現していきます。


事務長はそのついでにパラマウントベッドさんの大阪ショールームにも足を運んだとか?
その内容は次回にお伝えします。
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# by kuroshioen | 2013-07-08 10:21 | Comments(0)