クレール日記

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開設前日 

今日は6月30日 

クレール高森開設前日です。


明日、1日がかりで黒潮園のご入居者29名のクレール高森への引越しを行います。



今日はその引越しの準備が行われていました。
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29名分のタンスやご本人の荷物の大半を今日のうちに運び入れました。

この日に合わせて、様々な荷物が届いています。
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洗剤やとレットペーパーなど生活用品も揃わないと業務が成り立ちません。



ちなみにこれは何か分かりますか?
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個室トイレのブラシです。これが39室=39個  もちろんゴミ箱なども全て39個
小物の備品は全てユニット担当スタッフで選んでもらい買って来てくれました。主婦経験豊富な?女性職員が大活躍です。

「住まい」と「暮らしの継続」を目指すクレール高森。 スケールこそ違いますが、まさに新築住宅への引越し準備ですね。

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竣工式の大役を終えた平根主任も、最終確認の作業にぬかりはありません。





また、今日はこの方、(株)KTD山本さんが訪れました。
ホームページ用の写真撮影です。
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当地方で新宮市の観光協会のホームページを始め、比叡山延暦寺、公共施設、旅館や福祉施設など数多くのホームページのデザインを手がけられている、若手精鋭のプログラマーです。

全国老人福祉施設協議会主催のホームページコンテストで『アイデア賞』を受賞した、当法人のホームページですが、KTD山本さんの協力により作成されました。

法人ホームページ作成は、私が着任したちょうど5年前に、マイナスイメージの福祉の事業のイメージをもっときちんと伝えたい、「現場のみんなの頑張り」を見えるよう可視化し、現場改革による新た歩みを記録として残していきたい… そして地域の皆様と私たちのつながりを近いものとしたい、という想いから、私がまずこだわって打ち込んだプロジェクトです。

あの頃、約半年間、山本さんの仕事場に毎日通い、2人で夜中まで打ち合わせ、作成作業をしたていことを懐かしく思います。

この半手づくりのホームページですが(更新は管理は事務職員越水さんと実施)、今回のクレール高森の開設を機にリニューアルを計画しています。 もっともっと斬新で、皆様に継続して見ていただけるコンテンツ、様々なアイデア、構想を思い浮かべているところです。
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建物の設計と同じで、お互いの想いやセンスが一致してこそ最高のものが創られます。
とても信頼のおけるプログラマーです。

来年4月、HP完全リニューアルに向け、再びプロジェクトが開始されます。
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by kuroshioen | 2014-06-30 23:59 | Comments(0)

内覧会 足湯?

こんばんわ。

内覧会の小話を紹介します。

以前、お話したクレール高森の顔?水盤ですが・・・
クレール日記『水盤』:参照

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これを見る新宮人の方々のご意見・・・

「これいいねぇ~」

と手を水に入れる方を遠目に見ていました。

次に・・・

「あれ?これ足湯じゃないの?」
(これ、結構な方々が話されていました)



施工の打ち合わせでは、これは池なのか? 何なのか?
水道設備施工業者が鈴木設計士と真剣に議論したシーンを思い浮かべると・・・

かなり笑えてしまいました。




鈴木設計士なら
「足湯じゃない !! デザインです !! 」ってやや強い口調で説明してくれることのでしょう。

益田設計士からは
「足湯じゃないけど、夏にはお年寄りの方がここに足をつけて水遊びとかいいかも?」
「五感で感じる設計がコンセプトにありましたからね~」


「この地方の人は、昔、近くの川で遊んだ記憶のある方が多いでしょうから、冗談抜きでいいでしょねぇ~」




明日の開設の準備で、公休で出てきていたユニットリーダーズの子供さんが、早速、水遊びをしていました。とてもいい雰囲気です。
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ちなみに職員は
「ここでスイカを冷やしてみんなで食べてもいいかも?」
(ちなみに早速今日、ここにスモモを冷やしている職員がいました)




デザインだけでなく水盤の活用法?が広がります。

以前も申し上げましたが、このような水辺が施設の間近にあることに転落リスク?など賛否両論があるとは思いますが、「水」を近くに感じることは、とても心の癒しになると私は思っています。





ちなみにこの『水盤』の水はどこから来るかと言いますと・・・
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クレール高森の背後の森の中にあるパイプを遡っていくと水源にたどり着きます。
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200mほど歩くと水源にたどり着きます。
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キレイな沢水が湧き出ています。


今回共和水道萩原さんが、私たちの水盤への思い入れを理解して頂き?、本体工事外の作業にも関わらず、この水を引くパイプを全面補修してくれました。そこで多くの水量がクレール高森に流れてくるようになりました。うれしい心遣いです。
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この沢水は、雨水を活用する中水タンクに貯蔵でき、災害時のトイレの排水に活用できるよう設計されています。
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北棟の地下に12㌧の中水タンクが埋設されています。


水盤脇の回廊にある点検口から入ると
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中水システムのポンプがあります。

ここから高架水槽にポンプアップされ、各居室トイレ、散水栓などに水が送られます。
大規模災害・・・福祉施設として、もはや「想定外」とは言えません。
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by kuroshioen | 2014-06-30 23:58 | Comments(0)

内覧会終える

2日間の内覧会(見学会)を終えました

28日(土)13:30~16:30
29日(日)10:00~12:00

見学者約150名近くと、多くの地域の皆様にお越し頂きました。
また地域の福祉事業関係の方のほか、遠方から建築設計関係の方もみえられておりました。


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1日目は雨は止んだものの曇天でしたが、2日目はこれぞ「クレールClaire」明るく、澄み渡った晴天となりました。

どちらのクレール高森もクレール高森です。

大きな窓、サッシを多く採用しているこの建物ですが、竣工式の益田設計士の言葉に「晴れた太陽の日差しと青い空、青い海、木々の緑・・・時には台風の嵐で風が吹き荒れ木々を揺らし雨が打ち付ける・・ この安心な建物の中で紀州ならではの情景を感じて頂きたい」とありました。

 
1日の時間の移り変わりにおいても、日の差す方向や明るさが刻々と移り変わり、様々な風景をつくります。 皆様はどのクレール高森を感じられたでしょうか。



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「明るくて開放的ですごく素敵な施設ですね」
「景色が素晴らしいですね」 
「お洒落」
「リゾートホテルみたい」
「こんな素敵な施設なら今すぐにでも入りたいわ」
「外に出でることのできるテラスっていいですね」 本当にたくさんのお言葉を頂きました。




土曜日はデイサービスセンター悠久からもご利用者が見学に・・・
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「海が見えるって素敵。今、住んでいる所からは見えないからね」
「(窓から見える竹林を見て)竹って落ち着くわ。いいわぁ~」
「むこうに柿の木があったね」

外に向けて視覚で捉える風景に、想像以上に皆様の感性が豊かで驚きました。

高い天井に、大きなサッシ… 決して住宅スケールとは言えないこの開放感が、お年寄りの方にとって、非日常的と認識されないか?多少の不安もありましたが、私たちが意図した「景色を取り込む」ことが、お年寄りの方にも効果的だということが知れ嬉しかったですね。

このような開放的な空間での暮らし。既存の施設ではなかなか難しいことです。
このクレール高森の空間設計と周囲環境が、ご入居者の暮らしを豊かなものにしてくれることと思います。
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黒潮園のご入居者もやってこられました。
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どちらかと言うと、デイサービスのご利用者より要介護度や認知症度が高い方が入居されている訳ですが、とにかく直感でお話されます。
その第一声・・・・

「まぁ なんて素敵!」「ここええなぁ!」

面白かったのは、エレベーターに乗った時です。
黒潮園の37年前のエレベーターより、新しく素敵なのですが・・・
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そこでは「ここ何か臭いな!」「ほんまや臭い!」との会話。

次にエレベーター内にある鏡を見て、
「こんな素敵なところに来るんやったら、化粧でもしてくるべきやったわ」です。

竣工直後で、施工直後の匂い(いわゆる新築の匂い)がしており、私たちも気にしていました。
しかし私たちは状況を判断し、気を遣って気になっていても声には出しませんよね。

やはり高齢者の方、認知症の方にとってその環境は重要であり、私たち以上にそこで感じるものが行動を左右することを再確認しました。そのような方においてもこのクレール高森が直感で「素敵やね!」と言って頂けたことは、設計に間違いがなかったと実感させて頂きました。
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このように内覧会を通じて、私たちも様々なことを感じさせて頂きました。

訪れた皆様の会話のなかで「ここなら私たちも入りたいね」という声を何度も耳にしました。
これまで特養は、「暮らし」という視点から望むものに対して、施設だから仕方ないといった現状に諦められている所、誰もが自ら入所したいと思える場所ではない、というイメージがあるのが現実です。

私たちはこれまでの特養のイメージを根本から変え、これからの未来に向けた施設のあり方を提案したい。そして特養において実現する「暮らしの継続」、また団塊の世代と言われる私たちの親世代(ゆくゆくは私たちが)が望まれる施設のあり方を追求したいと考えています。

「ここなら私たちも入りたいね」という言葉が聞けたことに、この建物の計画のすべての結果を表しています。 あとはお一人お一人の「暮らしを」支援するケアへの挑戦です。



7月1日、いよいよ開設。
まずは黒潮園3Fフロアーの入居者さまの引越し… 
大変ですが1日で終えるよう段取りを進めています。

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屋上展望スペースより
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by kuroshioen | 2014-06-29 23:59 | Comments(0)

竣工式 理事長挨拶

只今、ご紹介にあずかりました、社会福祉法人黒潮園の代表を務めます岡 司です。

本日は皆様ご多忙の中、またあいにくの天気により足元が悪い中、当法人の新施設、地域密着型特別養護老人ホーム「クレール高森」の竣工式にご臨席賜り、誠に有難うございます。心より厚く御礼申し上げます。

ここに、こうして新施設が無事に竣工し、皆様にご披露できますのも、ひとえに日頃からご支援、ご協力を頂いております皆様のご尽力の賜物と心から深く感謝申し上げます。

さて、皆様もご存知かと思いますが、ここ1、2年の間に、建築を取り巻く事情は激変しております。震災復興事業、消費税増税の駆け込み需要などの影響により、職人不足、資材の高騰が大きな問題となっており、工事入札の不落が相次ぐなど大変厳しい状況にあります。特に人材不足は当地方においても深刻な状況と言えます。

また新宮市の第5期介護保険事業計画、施設整備計画である本事業は、行政の補助金事業であり、前年度、平成25年3月末までの完成が必須というものでした。

このクレール高森の建築はまさにその激変の建築情勢の中にて着工されました。初回入札の不調により着工が遅れたことも重なり、年度末完成が危ぶまれ、とにかく時間との闘い… 激闘の1年間となりました。

やがて3月末が近づくにつれて、「もう年度内完成は不可能だろう」という声がひろがり、関係行政の方々をはじめ、多くの地域の皆様にご心配をおかけしました。

「三つの別々のものが緊密に結びつくこと。また、三者が心を合わせて一つになること。」を表す三位一体という言葉があります。年度内完成を諦めることなく、最終の最終まで続いた大突貫工事を乗り切ることができたことは、設計士、施工者、そして施主の気持ちが1つとなった、「三位一体」無しには、成し遂げることはできなかったものと思います。

東京の事務所を何度も行き来しつつ現場に常駐し、設計監理に挺身頂いた益田設計事務所、益田滋子設計士、鈴木義一設計士。 また資材の調達や建設要員の確保など、諸般の困難を克服し全力で施工にあたられた、夏山組の皆様に心から感謝申し上げます。

一方で工事期間中は、この高森地区にあがる、勾配がきつく道路幅の狭い市道を、大型車両が往来するなど、近隣の皆様方に大変ご迷惑をおかけしました。あらためまして、この場をお借りしてお詫び申し上げます。



ところで「クレール高森」という施設名称にある、クレール(clair)という言葉ですが、フランス語で、「明るく」「澄みわたった」という意味で、英語ではクリアー(clear)と同じ意味になります。

この海を眺める高台、高森の地に、水平線から昇った太陽が燦々と差し、周囲の木々の緑が映える、まさに明るく澄みわたった様子をイメージし、設計に望んで参りました。

そして、地域の高齢者の方が住み慣れた自宅を離れ、暮らしの場を福祉施設へ移すことを、期待感や魅力感をもって自ら選んで頂けるような、従来の特別養護老人ホームの枠にはとらわれない、「住まい」としての空間づくりをコンセプトとし、計画して参りました。

モダンでいて、どこか居心地の良さを感じる、このお洒落な建物、私たちが提案するこれから未来に向けた福祉施設のイメージを、このフランス語の「クレール」という言葉が表していると言えます。

このように、「これから未来に向けた、次世代の福祉施設をこの地域に築きあげたい」という私たちの想いが形となり、このような立派な竣工式を迎えることができたことは、私にとりまして望外の喜びであります。


いよいよ、この7月1日、地域密着型特別養護老人ホームクレール高森が開設致します。
福祉施設において建物の竣工は一つの節目であり、通過点です。 私たちはこれから、お一人お一人の暮らしに合わせた支援を目指す新たなケア「ユニットケア」に取り組んで参ります。

今日この日を迎え、気持ちも新たに、スタッフ一同、より一層の努力を重ね、業務に励んで参る所存でございます。どうか皆様、今後ともこれまでと変わらぬご指導、ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。

最後になりましたが、ご臨席の皆様のご健勝、ご多幸を心よりお祈り申し上げまして、はなはだ簡単ではございますが、私のご挨拶とさせていただきます。

皆様、本日は誠に有難うございます。

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by kuroshioen | 2014-06-28 23:58 | Comments(0)

竣工式 建築経過報告

ただいまご紹介にあずかりました。社会福祉法人黒潮園事務長の小林忠幸と申します。

建設経過報告ということですが、本事業の概要と合わせてご説明申し上げます。



地域密着型特別養護老人ホーム「クレール高森」は、入居29室・短期入所10室の計39室の全室個室の施設となります。建築概要は 地下1階地上2階建て、鉄筋コンクリート造 延床面積は2,118.22平方メートルの建物です。




私ども社会福祉法人黒潮園では中期事業計画において『地域を支える福祉システムの構築』を掲げ、クレール高森の建築に取り組んで参りました。

皆様、ご承知の通り、我が国では急速な少子高齢化の進行が大きな社会問題となっております。特に団塊の世代の方々が、高齢者となる2025年には、そのピークを迎えると言われています。

我が国の今後の高齢者を取り巻く課題として
①高齢者の重度化
②認知症高齢者の増加
③独居高齢者・高齢者夫婦世帯の増加の大きく3つのことが挙げられています。

法人中期事業計画『地域を支える福祉システムの構築』は、これらの多岐にわたる今後の高齢者福祉のニーズを、相互的・包括的に連携する施設整備を行い、住み慣れたこの新宮市、日常生活 圏域内においてサービスの利用が完結するよう目指すというものです。

既存の特別養護老人ホーム黒潮園は、要介護 重度者対応施設と位置付け、医学的根拠に基づくより専門性の高いケアに取り組んできました。

一方で、今後増加が見込まれる認知症高齢者や独居高齢者といった、中等度の要介護者においては、暮らしを尊重し、個々のプライバシーに配慮された個室の施設の整備が必要と位置づけております。





そこでこの度、新宮市の第5期介護保険事業計画で、事業者募集のあった地域密着型特別養護老人ホームの施設整備計画に、応募させて頂いたということです。

平成24年6月7日 新宮市役所にて事業提案のプレゼンテーションを行った結果、
平成24年6月28日に事業者採用決定の通知を頂きました。
ちょうど2年前のこの日から、クレール高森建築計画がスタート致しました。


設計士の選定は設計提案のコンペ方式にて行いました。

ちょうど選考期間に、新宮市ご出身で東京にて活躍されている益田一級建築士 設計事務所、益田滋子氏が帰郷されていた。というご縁からコンペに参加頂く運びとなりました。

複数の提案のなかで、この高森の豊かな自然環境を生かし、建物がその風景に圧迫感を与えないデザインと、福祉施設としての機能性に配慮された設計という点において、私たちのイメージを充分に網羅した、益田一級建築士 設計事務所の提案がひかり、設計をお願いすることに決定いたしました。

そこから、約1年間。設計の打ち合わせの場所を東京と新宮、そしてお互いの移動時間がその中間となる大阪とし、理事長と益田設計士が互いに行き来し、何度も何度も繰り返し練り上げてきました。




本計画のポイントは、まず「施設」という概念にとらわれない設計です。床をフローリングの浮き床工法とするほか、インテリアの造り込みを「住まい」の設計という視点から行っているということです。もちろん随所のデザインにもこだわっています。

次に、デザインだけではなく、ケアの視点から福祉施設としての機能性を、追求しているということです。トイレの手すりの位置や、各スイッチ類の高さ、車椅子のご入居者がいかに使いやすいか。また照明計画においても認知症の方が落ち着きを感じていただけるよう、特に夜間のライティングに工夫をしております。



また設備におきましては、大規模災害時に事業継続ができることを想定し、計画に検討を重ねてきました。

まずは「水」の確保です。この高森の地は山水が湧き出ています。この山水と雨水を地下タンクに貯め、トイレの排水等に活用する「中水システム」を採用しました。

次に「電気」の確保です。一般的に福祉施設や病院では、非常用の電源として自家発電装置を設置します。クレール高森に設置した自家発電装置のスペックは、280KVA(キロボルトアンペア)という非常に大型のものを設置しています。これは、非常照明だけでなく、すべての照明、そして空調まで稼働することができる規模となっています。

さらにライフラインが遮断(しやだん)されたとしても、最低3日間は通常の暮らしが継続できるよう、燃料を灯油とし、地中に5000ℓの貯蔵タンクを埋設しています。

このような設備を設けるにあたり、大きな投資が必要となりました。しかし、黒潮園のご入居者、短期入所も含めた110名、そして、このクレール高森のご入居者39名を合わせた約150名の暮らしと安全を守ること、また地域の拠点施設として地域に貢献する、という使命から、計画の実行を決断いたしました。




設計期間が6ヶ月と十分な時間は取ることができませんでしたが、何とか設計がまとまり入札を実施する運びとなりました。

平成25年4月18日 入札を実施するも、辞退が相次ぎ落札には至りませんでした。
そこで第2回目の入札を5月23日に実施し、この厳しい建築事情にも関わらず、夏山組 さまが工事を請け負って頂けることが決定しました。

内容が豊富で複雑な設計に、限られた工期、と大変難しい工事にも関わらず、現場監督を始め、施工業者が総力を挙げて工事の竣工に取り組んで頂きました。

年度末、平成26年3月31日までに、建築確認申請の検査ほか、新宮市、和歌山県による完了検査を終える必要がある本工事ですが、諸般の事情による工期の遅れにより、その完成が大変難しい局面を迎えることとなりました。3月に突入し、この地域でも類を見ない大突貫工事となり、時間との闘いが続きました。

時には工事打ち合わせにて、設計士と施工者、また私たちと施工者が喧々諤々と議論する場面もありました。

また、建築確認申請検査の直前、私たち黒潮園の職員10数名が作業着を来て現場を手伝うということもありました。

着工からの1年間、全てを語ることはできないほどの多くの苦労がございましたが、設計士、施工者そして私たちが一丸となって乗り越えてきた結果、何とか行政の完了検査を終えることができました。



そして本日、無事、竣工式を執り行うに至ったのは、ひとえに株式会社夏山組様を始め、益田設計士事務所様、ご関係者の皆様方、関係諸官庁の皆様方のご懇篤なご指導とご鞭撻を賜りましたお陰でございまして、まことに感謝の至りに堪えません。厚く厚く心からお礼を申し上げます。

また、工事期間中、近隣の皆様方に大変ご迷惑をおかけしましたことを、この場をお借りいたしまして深くお詫び申し上げます。

以上で、建設経過報告を終わります。

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by kuroshioen | 2014-06-28 23:57 | Comments(0)

クレール高森 竣工式

本日、地域密着型特別養護老人ホームクレール高森の竣工式を執り行いました。
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当地方、朝方は雨が降りあいにくの天気となりましたが、多くのご来賓の皆様にご臨席賜り、無事に終えることができました。

皆様ご多用中、また足元が悪いなかご臨席賜り心より厚く御礼申し上げます。

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ピアノの美しい音色がロビーに響くなかでの受付
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開始式までは喫茶コーナーでお寛ぎいただきました。
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福祉施設の関係者の内覧
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定刻となり・・・ 会場に着席。
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緊張する主催者
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東介護課長の司会により開式
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理事長挨拶が開式すぐに… 原稿作成に取り掛かれたのは昨晩。暗記することは諦め今日を迎え、
開式前の時間に読む練習を…と考えていましたが来賓の皆様の対応でその時間もナシで壇上へ。
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案の定、途中で噛む場面も・・・。 

よく他人には「緊張とかしないでしょ?」「平気でしょ?」とか言われますが、表に見せないように努力しているだけで、かなり緊張しいなんです。まだまだ未熟…実力不足ですね。

田岡実千年新宮市長による祝辞
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感謝状贈呈
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益田一級建築士設計事務所 益田滋子設計士
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謝辞にて一言述べられました。途中で声を詰まらせる場面もあり… 今回の計画に対する思い入れの深さを感じました。私たちの想いがここまで繋がった、本当にいい設計士に出会えたと思います。


会場後方でもうひとり緊張して立つのは・・・ 平根介護主任。
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出番は最後の『職員代表の言葉』
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主任として、新たに取り組むユニットケアへの熱意と覚悟… そしてその想いをしっかりと自分自身の言葉で話し、会場の皆様の胸に届けられたと思います。

新施設の主任を任した時の不安な姿とは違い、堂々と信念をもって話す平根介護職員を拝見し、これから現場を引っ張っていくリーダーとしての成長を感じられ嬉しく思いました。

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計画から2年… 

本日、一つの節目を迎えることができました。

その間、その当事者でなければ決して分かることのない数えきれない苦労や、責任を背負ってやってきました。式典の中では、それらのことが思い浮かび、何度もこみ上げてくる想いがありました。

本当に今日この日を迎えることができ感無量です。

また、この竣工式に職員みんなで取り組み、一つになれたことも私たちの組織としての成長であり、大きな財産となりなりました。



竣工はあくまでも通過点。

各方面の方々から非常に高い評価を頂いた建物「クレール高森」というステージで、どこまで理想のケアの追求と、質の高いサービスを築きあげることができるか、全てはこれからの私たち次第です。

一からのスタートを大切にしていきます。
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by kuroshioen | 2014-06-28 23:47 | Comments(0)

竣工式の準備終える

こんばんわ。


明日は竣工式・内覧会です。

準備が十分とは言えませんが・・・
時間に追われつつも、いよいよこの日を迎えます。



これに先立ち、当日担当するスタッフがクレール高森に集まり、東介護課長が作成した資料に基づき、最終打ち合わせを行いました。
来賓の方がみえられ受付の場面など、一通り実際にシュミレーションをし確認しました。
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会場の設営も終えています。
各方面から頂戴したお祝いのお花を飾らせて頂き…とても素敵な雰囲気になりました。
特に夜のライティングが、花の華やかさを引き立てとても綺麗です。
(竣工式を終えたあとに公開しますね)
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明日、司会進行を担当する東介護課長  かなり緊張しているとか?
進行の練習中に「クレール高森」を、つい癖で「黒潮園」と言ってしまうと言ってました。
さて当日はどうでしょう?

何かと行き届かない面もあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いします。



ピアノの調律も行っています。
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明日、このピアノが12年ぶりに美しい音色を奏でます。
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by kuroshioen | 2014-06-27 23:59 | Comments(0)

ファンレストテーブル切断…その後

28日(土)。29日(日)の二日間、内覧会を予定していますが、福祉施設の実用性として、ケアの視点から設計にこだわりとして、最も注目して頂きたいのが車椅子介助用のトイレです。

以前の記事に「ファンレストテーブル切断」について書きましたが、その理由を述べていないままになっていましたね。(忙しくて原稿のまま放置していました。)

どうやらこのクレール日記を「ファンレストテーブル」の検索キーワードから引っかけて頂いている方も多いようでして… 取り急ぎ、その理由をお話したいと思います。
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私たちは 年前に行った黒潮園の1階デイルームのリフォームの際に、このファンレストテーブルを採用しました。このテーブルに寄りかかることで、排便時に最もいきみやすい前かがみの姿勢が取れる上、便座からの転落も防ぐことができます。またこれを利用すると、下肢筋力が低下したお年寄りの方でも、上肢(前腕)で体重を支えて車椅子から移乗ができます。
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これにより立位保持が難しく、移乗に大きな介助の必要とするお年寄りの方であっても、安全にトイレでの排泄ができます。黒潮園ではベッド上での排泄(おむつの使用)を廃止し、トイレでの排泄自立を支援するケアに取り組んでいますが、このような福祉機器の工夫は重要なポイントとなります。
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しかし、一方でこのファンレストテーブルを設置することで、デメリットと言うか犠牲にせざるを得ない問題があります。

それは、通常の移乗時に立ち上がり時の補助となる『縦手すり(もしくはL字手すり)』を本来の場所に設置できないことになるというものです。ちょうどその位置に壁に収納したファンレストテーブルがくるため、縦手すりの位置をずらす必要性がでてきます。

結果、便器からこの『縦手すり(もしくはL字手すり)』が遠い位置となってしまい、肩関節の可動域に乏しい高齢者の方では届かないということになるのです。
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メーカーからは専用のL字手すりが発売されていますが、どうしてもファンレストテーブルを避けて設置しなければならず、正直かなり使いづらいですね。実際にメーカーホームページで紹介されている使用方法の写真を見ても、かなり前屈し手を伸ばしている様子が見られます。これは高齢者の方には無理がありますね。

私たちは、『福祉施設としの機能性』にこだわり、設計の段階でケアの視点から寸法や高さなど様々な検証を行ってきました。この問題は既存特養に設置したファンレストテーブルのあるトイレで、その当時、私が考察した寸法を益田設計士に説明していた時に、ふとスタッフに使い勝手について尋ねたことで知ることができました。


何とかこの問題を解決し、ケアの視点に特化した実用性の高いトイレを何とか実現できないか・・・ 色々と模索していました。

また現場では「ファンレストテーブルの奥行が幅広くて、小柄お年寄りの方は端を握ることができないんですよねぇ…」との声

個室トイレに採用したTOTOさんの前方手すりでは細すぎて前腕支持での移乗動作は難しい・・・
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居室トイレ

そこで閃いたのです。
「ファンレストテーブルをカットすれば、その分手すりの位置を近くにずらすことができる!」
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そこでL字手すりではなく、これを横手すりと縦手すりに分けて設置し、そして更に、縦手すりを2本とする『ダブル縦手すり』案が思いついたのです。
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こうすることで、トイレに移乗する際には、車椅子に近い縦手すり。トイレから立ち上がり車椅子に戻る際には、身体に近い方の縦手すりを利用できるという理想の位置関係を算出することができました。

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今回、新たに見直されたファンレストテーブル(切断バージョン)による車椅子介護専用トイレの完成度はかなり満足できるものとなりました。前回に黒潮園での施工経験とスタッフの声、そしてケアの視点からの設計へのこだわりが生み出した『スーパートイレ』(笑)の誕生です。

実際の詳しい使用方法については次回にご紹介します。
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by kuroshioen | 2014-06-27 23:52 | Comments(0)

定例会議最終回 引き渡し

本日、第40回目となる定例会議を行いました。

最終回です。

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完成書類や鍵を受領しました。
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鍵の数は・・・90個


そして引き渡しを終えました。
本当に、本当に長い道のりでした。 

しかし今は振り返る暇もありません。

竣工式まで残すはあと2日。

挨拶文の原稿が全く手についていません・・・・





<今日の1日>

家具は全て揃いました。

カーテンの取り付けは朝から開始し、終われば日暮れ…
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家族宿泊室(ホテルツインルームのイメージ)
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ベッドカバーもカーテン生地でオーダーしたが間に合わず…
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カーテン選びが最終となり、かなり大変な作業を行いました。
こういったインテリアの色等の選択では、最終候補で大きめのサンプルを取り寄せ、実際の現場でマッチングを確認するのですが… カーテンは納期の都合から時間がなくカタログから選びました。

うーん・・・ イメージ通りで納得したユニットもあるのですが… そうでない所も。

フローリングから壁紙クロス、家具の色、張り地の色、全てに時間をかけてきて… ここまでは完璧だったのですが… カーテンの出来は個人的には60点でしたね。カタログだけではなかかな難しいです。追求してきただけに自分に納得がいかず悔しい気持ちもありますが、いい経験です。

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大阪の瀬戸インテリア 筋肉マンの佐々木くん
この度は、破格で工事を請け負って頂き有難う!!





最後の最後までダメ工事も行われていました。
完全とは言い難い面もありますが目処がつきました。
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外構工事もうやく終えました。

完成した東屋
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床にはデッキ材を張り、ベンチが造りつけられています。おやつの時間。にここに座ってのレクリエーション・・・色々な活用が思い浮かびます。

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風化してがザラザラとなっていたコンクリート壁をモルタル補修を行い、綺麗なコンクリート面に仕上がる段取りだったようですが、無理を言って変更してもらいました。
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せっかく劇的ビフォーアフターのごとく、古い防火水槽を活用するというのにこれでは台無しです。敢えてその古いコンクリート面は残したいですよね。 内側は汚れが酷かったので補修しましたが、これも職人さんに無理を言い、荒い塗りの左官仕上げにしてもらいました。
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東屋と中庭に続く遊歩道も完成
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実はこの黄色のゴム塗装に薄ら足跡がついています。(探してみて下さい)
その犯人は… クレール日記レギュラー出演の東潔明介護職員のものです。塗りたてを知らずに歩いてしまったとか? この先永年にわたり残り続ける足跡となりました。




スロープ横の傾斜面を造成し石積みを行い、そこに念願の実のなる木を植えました。
そうです。『果樹園』です。
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これは甘夏。

和歌山県はみかんの産地として有名です。しかし、みかんを育てるのは大変です。そこで比較的手入れが簡単で実をつける「デコポン」「甘夏」を植えています。
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これまでもシバザクラや各種ハーブなど色々な植栽について紹介してきましたが、実はこれから大変なのは敷地全体にある『植栽の水やり』なんですよねぇ~。
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by kuroshioen | 2014-06-26 23:02 | Comments(0)

グランドピアノのある施設

クレール高森に入ると、吹き抜けのあるエントランスホールが広がります。

そこから前方には芝生のテラスが広がり

天井高いっぱいまでのサッシが開放的な空間を広げます
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今日、ここにグランドピアノが運ばれてきました。
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このピアノは社会福祉法人黒潮園の前理事長 岡 悠紀子氏所有のものです。

岡 悠紀子前理事長は20代の頃単身で渡米し、ジュリアード音楽院でピアノを学ばれました。
貨物船を乗り継いで渡米したそうです。その当時では考えられないことでした。

それから永年にわたりピアノ指導に熱意を注がれ、この新宮の地から武蔵野音楽大学を始め数々の音楽大学へ多くの生徒を輩出してきました。その門下生は今も多くの方が日本の音楽界だけでなく、世界でも活躍されています。


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10年前… 岡 悠紀子前理事長は、享年88歳で他界しました。

80歳を越えてられても、黒髪にパーマ。ジーンズにニットというスタイルで、スマートな体型で身軽に階段を駆け上がる姿・・・ 全く年齢を感じさせない方でした。

歳を召されても若い方との会話が弾むセンスと感性、スケッチ画を描く芸術的な趣味。ピアノ指導だけでなく、その人柄に多くの人が影響を受けてきたと思います。

私も多少なり、その影響を受けたひとりです。

これまでの施設の概念とは一線を画するクレール高森は、まさにその感性とセンスを形にしたものと言っても過言ではありません。



今回おそらく、クレール高森の竣工を目前にし、前理事長も喜んでおられるものと思います。
そして、ここをいつまでも見守っていて頂きたいという想いから、このグランドピアノを運び入れることを決断しました。
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共用ロビーから左右のユニット、そして吹き抜けから上階のユニットまで、美しいピアノの音色が響くクレール高森・・・ そのような高齢者の住まい、前理事長も望まれていたことでしょう。
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ロビーにユニットの入居者が集まり、ピアノを囲んでのひと時・・・
音楽療法で活躍されている福田常任理事を始め、このピアノから旅立った門下生の方々… そしてボランティアの方… 是非、多くの地域の皆様にこのピアノを弾いて頂きたいと思っています。

そして天国からこのクレール高森を見守っていただきたいと思います・・・・。
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by kuroshioen | 2014-06-25 23:59 | Comments(0)