クレール日記

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第4回定例会議 中水システムの課題

猛暑続きの紀南地方です。

ニュースでは局地的なゲリラ豪雨の報道を見ますが、年間降雨量多い当地方にもかかわらず、にわか雨程度でおおむね晴天が続いています。

よって工事は順調に進んでいます。
本日は共用棟の基礎・底板の配筋検査を終えました。

現場視察の様子
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            左から小林事務長・益田設計鈴木さん・協和水道萩原さん


第4回定例会議では、以前このブログでもお話した災害時(断水時)の水の確保として、沢水と雨水をトイレの排水等に活用する「中水システム」について詳細を検討しました。
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当地方の山間部ではこのように沢水を生活用水に活用している家庭があります。

中水として、井戸水は最もきれいな水です。
雨水も空気中のホコリなど多少は含みますがきれいな水と言えます。
沢水には細かい砂などがどうしても混じります。

経済的に水を活用できる一方で、沢水の場合、見えない水の汚れでトイレのフィルターが詰まるトラブルや長期間使用するうちに便器に汚れが出てくるなど、様々な課題もあるのです。


この課題について設備設計担当のRS設備企画の櫻沢さんも参加し、水道設備担当の協和水道萩原さんと益田設計鈴木さん、そし私どもで大変白熱した議論がなされました。
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           RS設備企画の櫻沢さん(右)


中水は沈砂槽、濾過槽、取水槽を経てできる限り、きれいな水を高架水槽に運ぶ設計となっていますが、沢水利用の実用性の検証と、沈殿した砂の清掃などメンテナンス方法の検討が主な論点です。

比較的きれいな雨水を優先的に中水として活用し、沢水は補填として扱うシステムとすべきではないか?

沢水の水質から、汚れはそれほど問題なく使えるのでは?

雨水の取水において、集中豪雨時に貯水槽に一気に流入し溢れないのか?

一つ一つ時間をかけて検討しました。


雨水も沢水も枯渇した場合など、中水の貯水量が少なくなった場合には、自動的に水道水は追加されるシステムが採用されています。今後、出来るだけフィルターを汚さないきれいな水を循環させるシステムとなるよう更に検討を重ねることとなりました。
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これらの課題を約2時間半議論をし‥

ふと気づけば夕方の6時となっていました。

この災害時の水の確保における「中水システム」は今回の設計の重要なポイントの一つです。
どんないいアイデアであっても実用性に問題があるようでは意味がありません。
実際に使用する状況をいかにイメージし、起こりうる課題も十分検討する必要があります。

このように設計者・施工者・私たち発注者で活発な議論を重ねながら工事を進めていけることはとても大切なことです。そこででた結論により完成する建物は思い入れのある素晴らしいものとなると思います。
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by kuroshioen | 2013-07-31 12:41 | Comments(0)

南棟基礎の上に立つ

工事は順調に進んでいます。

南棟部分の基礎コンクリートの打設を終え、型枠も外して土の埋め戻しでまで終え、南棟基礎が出来上がりました。


先日、大阪にある河内総合病院のリハビリスタッフの神代先生が黒潮園に来園されました。

神代先生は言語聴覚士という失語症や嚥下障害(飲み込み)のリハビリを専門にしているリハビリの先生です。神代先生は理事長の元同僚で、親友でもあります。また法人の役員も担って頂いています。

黒潮園に2週間に1度の頻度で黒潮園に来て頂き、ご利用者さまの嚥下評価と食事ケアの指導をして頂いている他、デイサービスにて失語症の言語療法を行って頂いています。
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神代先生が工事現場を見学したいということで案内させて頂きました。
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このあたりが居室で、そしてここがリビングで‥ という風に。
南棟の基礎が完成し建物の輪郭がなんとなく見えてきました。

リビングの中央?に立つ神代先生
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「2週間ごとに見ると工事が進む様子がすごくわかりやすいね。」
と新宮に来るたびに、工事の進行状況を見るのが楽しみだということです。

神代先生。いつも遠方からお越し頂きありがとうございます。
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by kuroshioen | 2013-07-30 12:18 | Comments(0)

住まいとしての空間づくり

先日、東京でユニットケア施設管理者研修を受講してきたことを報告しました。

研修会場のTKPお茶の水カンファレンスセンターのひとコマです。
都心のオフィスビルはとてもお洒落なものが多くあります。
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エントランスの隅にある消火器を見つけました。
空間の雰囲気やインテリアにマッチするようにこのような工夫がされています。
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個人的な感性やセンスかもしれませんが、私はこのようにトータルコーディネートでの空間づくりはとても大切であると考えています。

これまでの施設の設計では、入所者をより効率的に管理するという設計が多くみられます。ですから病院と似たような感じの施設が多くありませんか?

私たちはこれからの特養は施設ではなく、住まいとしての空間づくりがとても大切と考えています。

例えば消火栓。
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学校や病院、施設では消防法上必ず必要なものです。
何気ないことですが、この赤い消火栓を見て違和感を感じますか? いかがですか?
私は住まいやもてなしの空間と考えるととても違和感を感じています。

以前、この消火栓は赤く塗る必要があるのか消防に確認したことがありますが、その必要はないということでした。

クレール高森の計画にあたり、近畿圏にある施設を数箇所見学に行ってきました。そこで兵庫県にあるアリス甲子園様の写真を紹介します。
これも消火栓です。
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オーナーが設計士という施設があるということでお伺いさせて頂きましたが、質感と落ち着きある空間設計にとても勉強になりました。
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お洒落なオフィスで働くOLさんを想像してみてください。

お洒落なOLさんを想像しませんか?
実際にいつも東京に行くと、服装がお洒落なOLさんが多いことに気づきます。
大阪にもよく仕事で行ってますが少し雰囲気が違いますね~。(笑)

綺麗な家に住むと、暮らしも変わる気がしませんか?

実は環境が人に及ぼす影響(環境適応)はとても大きいと言われています。
少なからず病院のような空間では、やはりケアも病院のように作業的となってしまうものです。入所している方も実はこれまでの暮らしのように落ち着けていないのかもしれません。

病院のような施設、住居のような施設、ホテルのような洒落た施設‥ それぞれ働く職員の感性やご利用者への関わりも自然と変わってくるでしょう。

そういったことから、新しいユニットケア施設の設計では、これまでの業務優先の病院をモデルにした施設を脱却し、そこで暮らすご利用者の住まいという視点から空間設計することがとても重要となるのです。

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ですから、設計士さんにはまずこの消火栓を例にあげて、施設っぽくならない空間設計へのこだわりをお話させて頂きました。

はたしてクレール高森の消火栓はどのような造りこみとなるのでしょうか‥‥???
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by kuroshioen | 2013-07-29 11:41 | Comments(0)

ユニットケア施設管理者研修

東京での研修から帰って来ました
7月22日~24日の3日間の日程でユニットケア施設管理者研修を受講してきました。

その間のブログ更新を担当してくれた事務職員の越水さんは、とてもパソコンに精通した強い味方で、法人のIT関係の全てを管理してくれています。それだけでなく私たち職員がパソコンの操作で困ったときは、その場で無料パソコン教室を受けることができます。

ちなみに黒潮園のホームページは私と越水さんによる企画と、広報員会による手づくりで運営を行っています。
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これからもいろんな職員による投稿でこのブログの運営をしていきたいと思います。




さてユニットケア施設管理者研修は、受講することでユニット施設を開設する際に必要となる管理者の認定証を受けることができます。今回は既に開設している施設を含め、全国から60施設の施設長の方が受講されています。
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まる一日の講義とグループワークを3日間、かなりの内容がつまった研修です。
その様子は、ユニットケア推進センターのホームページにもアップされています。

その写真に私の姿が・・・

頬杖をついています。疲労のピーク?いや真剣に考える姿です!


グループワークは毎朝、席替えを行い、全て違うメンバーで討議を行うため、色々な意見を知ることができました。

野球のチームでも監督によってチームのカラーが異なるように、組織はトップの理念や方針次第とも言えます。同じユニットケア施設へ取り組むにおいても、それぞれの法人のケアへの思いや人材の考え方、運営方針がありたいへん興味深いものでした。

ある東京の開設予定の施設の方から‥ 

介護福祉士 時給1500円 夜勤手当1回12,000円 給料28万円
という募集要項のチラシを頂きました。

当然、家賃など生活を行うための物価が全く違います。 しかし、これぐらいしないと都心では職員が確保出来ないということです。 新しい施設を計画しても人が集まらず大変という話もあり、介護人材不足も深刻な問題と言えます。
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一方では夜勤手当は2000円という法人も‥

他には‥

「とにかく業者を泣かせています。だから建物を坪単価55万円で建築しまたよ。」
「東北は冬に建築工事が少ないから、時期によっては建築費をかなり下げることができるから坪45万で考えているよ。」
といった建築費に関する話題や‥

「経営上、人件費率は何%が適切なのか?」
「基準の人員配置では、このユニットケアは難しく勤務シフトを組むのが大変です。」
「夜勤の配置が2ユニットで1人はきついですねー。」

など‥ 

やはり、皆さんのお話では小規模の施設では建築費と人件費といった収益性についての議論が多いように思いました。


私たちは『より良い労務環境があてはじめて、より良い人材が集まり、そしてより良質なケアにつながるもの』と考えをモットーにしています。この素晴らしいユニットケアが理想論ではなく実現するためには、やはり手厚い人員配置ができるかということにあると思います。
そこで現在、小林事務長と様々なシュミレーションを重ねながら、手厚い人員配置と長期的な事業経営の安定化について検討を重ねています。

介護現場ではより良いケアに日々挑戦しています。経営こそチャレンジだと思います。


最後に参加者全員が1人づつ前に出て、演習で各自が立てた導入計画書の発表がありました。

そこで‥

「1ユニットに1名の夜勤配置もしくは、日中の人員配置を手厚くする計画を立てます」
と強気の発言をしてきましたが‥


今後の展開にご期待ください。
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by kuroshioen | 2013-07-26 16:21 | Comments(0)

ユニットケア  集団ケアから個別ケアへ

こんにちは。本日も事務部・越水が担当致します。

既存特養の黒潮園と建設中のクレール高森との大きな違い、それは黒潮園が多床室(相部屋)で従来型施設であるのに対し、クレール高森は個室でユニットケア施設であることです。

では、「ユニットケア」とはどういうものなのでしょうか?

2000年、介護保険制度のスタートにより特養は大きな変革を迎えました。措置から契約への転換です。

2000年以前は措置の時代、常時介護を必要とし居宅での生活が困難となった高齢者を行政が職権で入所させケアする、それが当時の特養でした。
居室は多床室が一般的、ケアも施設側の業務の都合で定めたタイムスケジュールにそって提供していました。入所者様を個でなく集団として捉えた画一的、流れ作業的ケアです。入所者様が施設の日課に合わせて生活されていたわけです。

2000年に介護保険制度がスタート、入所者様が施設を選択し、契約により介護サービスを受ける制度です。これが入所者様個々のニーズに合わせた個別ケアへの転機となりました。

ユニットケアとは入所者様お一人おひとりの個性や習慣、生活リズムなどに合わせた個別ケアを
実践する為の手法です。具体的には10人以下の「ユニット」と呼ばれるグループに分けてケアを行います。
少人数に対して固定のスタッフが対応することで個別のニーズを的確に把握し、お一人おひとりに対して適切なケアを提供します。
(既存施設の黒潮園はユニット型ではありませんが、各フロア毎に分けてケアを行なう「フロア制」を導入しています。これもユニットと同様の効果を狙っての取り組みです。)

言葉で書くのは簡単ですが、実践するのは容易ではありません。
当法人は創立36周年を迎える地域でもっとも歴史と伝統ある施設です。長年にわたって蓄積された介護に関するノウハウを有する反面、時代遅れとなった集団ケアの意識を引きずっているという一面がある事も否めません。
ユニットケアの実践にむけてはこれら負の遺産を払拭し、全職員間で個別ケアに関する理念を共有し、意識を統一する必要があります。

クレール高森開設に向けては建物の建設というハードの準備だけではなく、これらソフト面での体制作りも必要になるわけです。

一昨日お伝えしたとおり、岡理事長は現在「ユニットケア施設管理者研修」を受講中です。
また、先日は小林事務長が「ユニットリーダー研修」を受講しました。
研修で得たユニットケアの理念、ノウハウを職員に伝え、法人全体で共有することが新設のクレール高森のみならず既存の黒潮園のケアの質を向上させる事にもつながると思います。
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by kuroshioen | 2013-07-24 13:45 | Comments(0)

クレール高森の立地環境

こんにちは。
普段は当法人の岡理事長が頑張ってアップしているこのブログ、「クレール日記」ですがただいま
ユニットケア施設管理者研修で7/24まで出張中・・・。ということで本日は事務部・越水が担当します。

毎日暑い日が続いていますが工事は順調に進んでいます。
写真は隣接する既存の特養・黒潮園の屋上から撮影した工事現場の様子です。
本日も重機がフル稼働、急ピッチで建設工事が進んでいます。
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本日注目して頂きたいのは工事では無くその背景、ご覧のとおり山です。紀州・紀伊国は木の国とも
呼ばれるほど山深い地域です。クレール高森の背後にも緑豊かな山々が延々と連なります。
一方後を振り返えると・・・

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眼下には雄大な太平洋(熊野灘)が広がります。お天気さえ良ければ水平線から昇る日の出が
毎朝拝めるわけです。このように自然環境に恵まれたクレール高森(黒潮園)ですが、だからといって決して人里離れた山奥の施設・・・というわけではありません。航空写真をご覧下さい。

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中央の赤く点滅している点がクレール高森(黒潮園)です。
北(写真の上)を流れるのが有名な熊野川で、その河口に新宮市街が広がっています。
南側にも市街地がありますがこちらは三輪崎・佐野地区と新宮港です。
これら2つの市街地を隔てるように山が海岸線までせり出していますが、これが高森地区です。
クレール高森はその中央付近にあるのがおわかり頂けるかと思います。
このためどちらの市街地へも車を数分走らせれば出ることが出来ます。

このように豊かな自然に囲まれた静かな環境でありながら、街中へのアクセスも容易な高森は
特に高齢者の住環境としては理想的です。

実はクレール高森はこの恵まれた自然環境を最大限に活かすべく様々な工夫をこらして設計されています。
そのあたりについては追って理事長より詳しいご紹介があると思います(完成後?)のでどうぞお楽しみに!
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by kuroshioen | 2013-07-22 17:00 | Comments(2)

地震と敷地地盤

地震への対策と地盤は密接な関係があります。

特に水を含んだ砂質地盤では、地震の際に液体のよう に噴き出す液状化現象が問題となります。
これは建物が傾いたり、地中に埋められた配水管、下水管が破損するなど重大な被害へとつながる可能性があります。
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新宮市の平野部のように熊野川からの砂が堆積した地盤では、この液状化現象が起こる可能性が高いと言えます。



高森の高台に建つ黒潮園とデイサービスセンター悠久の地盤は岩盤です。

よく職員からは「地震があっても横揺れはほとんど感じなかった」「地響きのような感じだった」といった声を聞きます。このように岩盤の上に直接建つ黒潮園では、阪神淡路大震災の時も明らかに揺れが少なかったということです。


クレール高森建設敷地の地盤も表層は粘土質の赤土ですが、石混じりの硬い礫層がありその直下が岩盤となっています。

実はこのしっかりとした地盤が工事をする夏山組さんを困らせています。
最も深い共用棟の地階部分の掘削では、この岩盤を砕く必要があり想定以上に時間を要しているということです。
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本事業は工期が限られており、工事が1日も遅れたくないという事で、重機を駆使してこの岩盤の掘削を頑張ってくれました。




地盤がしっかりしていることで工事は大変ですが、その上に建つ建物は地震に強く、安心して暮らすことのできる住まいとなるものと思います。
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by kuroshioen | 2013-07-19 13:49 | Comments(0)

第3回定例会議  基礎配筋検査ほか

おはようございます。

連日猛暑続きとなっていますが、いかかがお過ごしでしょうか?

ブログの更新がご無沙汰となってしまいましたが、工事は着々と進んでいます。


南棟基礎の配筋を終え、いよいよ基礎部のコンクリート打設となります。
その前に行う検査の日程の関係から、隔週の火曜日に行っている定例会議は13日(土)に行いました。
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基礎配筋検査は建築中の検査の最初の重大なポイントとなります。クレール高森の構造設計を担当するレン構造設計事務所の栗原さんが東京から来られ、丁寧に確認を行ってくれました。
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炎天下のなか2時間以上にもなる検査で皆汗だくとなりました。ご苦労様でした。
右から レン構造設計事務所 栗原 豊氏
     益田一級建築士設計事務所 鈴木 義一氏
               〃        益田 滋子氏
     夏山組 現場監督  畠 貴士氏


結果は配筋の数、ピッチ、かぶり厚など全項目に問題はなく良好とのことです。

いつも厳しく設計管理をされている益田設計事務所鈴木さんからも珍しく?
「とてもきれいに配筋されている」と高評価のコメントも‥‥。


これを受け、16日(火)に基礎ベース(底盤部)のコンクリートの打設を行っています。
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好天に恵まれ工事は順調に進んでいますが、暑さ対策にはくれぐれもお気を付けください。
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by kuroshioen | 2013-07-17 10:16 | Comments(0)

災害対策② 井戸の掘削か沢水取水か?

災害時の水確保において井戸の活用は有効な方法の1つです。高森地区でも昔は井戸で生活水を利用していた事があったと聞いています。そこではじめは井戸の掘削を考えました。

一方で、クレール高森建設予定敷地のすぐ近くに沢水が取水できる場所があります。それほど多くの水が出ているようには見えず、実用的かどうか疑問がありました。
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そこで計画中の今年2月に実際に流入水量を測定してみました。
10ℓの容器が満水になるのに要する時間を5回測定し、その平均が約87秒でした。
これを1日あたりに換算すると9931ℓ=約9.9トン貯まるということになります。
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そこで貯めた沢水で一人何回トイレが使用できるかを計算しました。
施設の定員39名と職員を合わせて55名をトイレの最大使用人数として考えます。設置するトイレ1回の使用水量は約10.5ℓです。

9931ℓ/日÷55人÷10.5ℓ/回=17.1回/人
(1日貯まる水量÷使用人数÷1回トイレ使用量=1人のトイレ使用回数)

少しややこしい算数ですね。

簡単にまとめると、沢水を約1日9.9トン貯めることができ、最大55人が新しい施設でトイレを使用したとしても、一人あたり1日約17回トイレを利用できるという事です。

渇水期の冬の結果ですから、これは十分な結果です。沢水だけで日頃のトイレの排水が賄えると言えます。そこで、この恵まれた環境を最大限にいかし、沢水と雨水を地下タンクに取り込む中水システムを採用することに決定しました。
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by kuroshioen | 2013-07-13 13:26 | Comments(0)

災害対策① 水の確保

平成23年3月11日、東北沖で巨大地震が発生し、1000年に一度の大津波が襲来し、死者・行方不明者合わせて約2万人の東日本大震災となりました。この「想定外」の自然災害のほぼ半年後の9月3日から4日にかけて、台風12号による「想定外」の豪雨が紀伊半島を襲いました。大洪水と、山津波とも呼ばれる土砂災害により紀南地方でも死者・行方不明者44人の大惨事となりました。
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                              氾濫した熊野川
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東日本大震災の様子をテレビの映像で見て本当に心が痛みました。それに加えて、紀伊半島豪雨直後の被災地に支援物資を運んだ際、実際に自身の目で見た光景と、そこで受けた衝撃は忘れもしないものでした。

「想定外」はもう想定外ではなく想定すべき事実です。この経験から、たとえ建築費をかけたとしても大規模災害を想定し、事業継続ができるような機能を設計することを決意しました。

近年、補助金制度が変わり、施設の建設と経営はたいへん厳しい状況にあります。ですから新しい施設を建築する際には、いかにコストをかけずに建てるかということに論議が集中しています。このことは経営としては大切な論点とは思いますが、いかがでしょうか?

このクレール高森は建物の機能、生活空間の質、そしてケアに特化した設計にこだわっています。
経営は挑戦です。社会福祉法人は地域に貢献すべきものと考えます。



紀伊半島大水害により新宮市では上水道が約1週間完全に断水となりました。厨房での調理はできなくなり、トイレの水も流せず排泄物の処理が出来ないなど施設において、水が使えない事による様々な問題を経験しました。
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そこで、この『水の確保』について、クレール高森では
雨水や沢水を活用する設備(中水システム)を設計しました。

黒潮園の裏の山麓から沢水が流れでています。この沢水と雨水を取り込む中水システムにより、地下のタンクに約10トンの水を貯めることができます。
この水はトイレの排水や庭の散水に利用するよう設計されています。

この設備により、断水時においてもトイレの使用が可能となります。衛生面の確保は災害時に最も重要な課題です。また、これにより日頃の生活において、無駄な水道水の使用を減らすことができるなど経済的にも利点があります。

水の確保においては井戸の掘削も検討しました。その点については次回(災害対策②)にお話したいと思います。
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by kuroshioen | 2013-07-11 16:11 | Comments(0)