こんにちは。
GWはいかがお過ごしでしょうか?
私はこの太平洋の海と波に心癒される休日を過ごしています。
当地方におけるこの時期、この沖合で漁れる旬の魚と言えば鰹です。
鰹には『初鰹』と『戻り鰹』と年に2回の旬があることはご存知ですか?
カツオはマグロと同じように常に泳いでいないと死んでしまう魚なんです。
よって太平洋の沖を流れる黒潮にのって、春に九州南部から北上し、初夏にこの和歌山の沖を通過し、秋に宮城県沖に達し、そこでUターンして温かい海を求めてまた南下するという季節的な回遊をしているんです。
この太平洋岸を北上するカツオを『初鰹』。秋の水温の低下に伴い南下してくるカツオを『戻り鰹』と呼ぶんですよね。餌をたっぷり食べて脂がのっている『戻り鰹』に対し、『初鰹』はさっぱりしているのが特徴です。
ちょうどこの季節。港では『初鰹』の水揚げで賑わいます。
そこで小林部長が前職(漁協職員)の腕前をもって、解体ショーを行い旬の味覚を味わって頂こうという企画をしてくれました。
先ずは電話でその日の出船した漁船の情報を確認し・・・
午後1時半。
朝出港した船が宇久井漁港に帰ってきた所で、水揚げされたばかりのカツオを買い付け。
どうですか?この新鮮そのものカツオ!!
すぐに、クレールロビーで待つご入居者さまの前に持ち帰り… 皆さまにお披露目!!
さすが地元の方々。目が利きます「まぁ~ええカツオやね。」などなど…
そして集まった皆さんの前で『鰹の解体ショー』の始まりです!!
手際よく捌く小林部長の慣れた手つきに皆さん興味津々。
半身におろした身を更に真ん中で切り分けたものを「節」と言います。
よく「生節」とか耳にしますよね。
そこでHさん。
「私は雌節(めんぶし)の方がすきやね~」
雌節???
「節」でもお腹側の身を「雌節(めんぶし)」、背中側の身を「雄節(おんぶし)」と呼ぶそうです。勉強になりました。(笑)
この「節」にしたカツオに薄塩をして・・・
バーナーで炙り・・・
作るのは『鰹のたたき』です。
これだけもちもちしていて新鮮な鰹は、そのまま刺身で食べたら最高なんですけどねぇ~
このバーナーで炙られたカツオの香りは、なんとも言えない食欲をそそります。
皆さん・・・
「美味しそうな匂いやなー」
「もうこのまま食べたいね~」
「ビールが欲しくなるわぁ…」
最後の仕上げに薬味の新たまねぎやミョウガ、大葉、生姜などを乗せて…ポン酢をかけます。
そこで小林部長。
「アジのたたきは、包丁で叩きますよね。」
「カツオのたたきは包丁で叩きますか? 叩かないですよね…」
「では、なんでたたきと言うのでしょう?」
というクイズが・・・???
「見ていると、その行程に答えがありますよ~」
・・・・分からない。
答えは・・・
最後に味がしみ込むように上から軽く叩くから?だそうです。
「へぇ~!!」職員もご入居者さまも感心。
そして『鰹のたたき』完成!!
余りにも美味しそうな香りがします。
夕食にお配りする予定でしたが、せっかくなので、その場で皆さんに少しずつ味見をしてもらいました。
水揚げされたばかりの新鮮そのもの鰹。その味は格別です!!
ちょうど面会に来られたご家族と一緒に…
「おばあちゃんもこの季節に作ってくれてたよねぇ~」と会話が弾まれていました。
そして、この『鰹のたたき』はその日の夕食につけさせて頂きました。
もちろん。味は最高です!!
皆さん大変喜ばれていました。
この記事を書いているうちに・・・
私も新鮮なカツオの刺身が食べたくなってきましたねぇ(笑)。
皆さんも是非!!
日本の食文化やそれぞれの地域にある食文化では、旬の味覚をおすそ分けしたり…頂いたり。何といっても季節を感じながら、季節の味覚を食する事を大切にしています。
地元ならではの季節のものを味わうことは、ある意味、何気ない日常の暮らしでもあり、大きな喜びでもありますす。
このような食を通じ、施設であっても地域の暮らしが身近にあることはとても大切なことと思います。今後も機会あれば企画していきたいと思います。