先日、毎年恒例の法人内における事例発表会が行われました。
各事業所または部署では、日々、ご利用者への質の高いサービスの提供に向け、様々な取り組みを行っています。年度末にその内容をまとめて発表する場がこの事例発表会です。
今年度は6事例の発表がありました。
法人で実施している職員アンケート『職場改善アンケート』の中に、「事例発表会で優秀賞をつくって表彰したらどうでしょうか?」という意見があり、今回、参加者全員からの投票により決めることにしました。
発表は6演題とも甲乙つけがたいものでした。
療養病院で寝たきりで、ベッド上での生活であった方が黒潮園に入所され、歩くまでに回復された事例を、映像で解説する3Fフロア西祐也副主任の発表。
実際に経過を追って、ご利用者がどんどん元気になられる様子に、会場からも驚きの声が・・・
肺炎リスクが高い胃瘻のご入所者が「お寿司を楽しみたい」ということで、きめ細かなケアの関わりにより、希望がかなった事例を発表した1Fフロア西友紀副主任。
肺炎を再発したものの、その結果に「黒潮園に入って再び口から食べることに取り組む提案を頂き、家族としては本当に嬉しかったです。」と、ご本人、家族がしばらくの間であっても、お好きなものを口にできた喜びをお話されたというエピソードに、自立支援にチャレンジする勇気と意義をあらためて考える機会になりました。
相談援助部からは今年度、事業計画で取り組んできた『看取り介護』について発表。我が国の看取りケアの実態と、黒潮園での実績が解説され、実際にお亡くなりになられた方の事例を省みる発表がありました。
多くの方の看取りを行なってきた私たちですが、その関わりに、ご家族の方から温かい感謝の気持ちを頂いていることに、会場では涙を浮かべるスタッフもいましたね。
クレール高森からは東潔明主任が、おむつゼロを達成し介護力向上講習会にてその取り組みを発表したものから、おむつゼロの達成に、どうしてもトイレでの排便成功難しかった事例について発表されました。(このブログでも記事にて紹介したものです)
普段はクレールの業務に関わらない、黒潮園の介護職員から取り組みに絶賛の声がありました。
私たちは、その人の自立を支援するリハビリ介護に取り組んでいますが、多くの発表はこの『自立支援』のケアの成果を発表するもので、お互いに大変勉強になる発表会となりました。
さて、参加者による投票の結果ですが・・・・
クレールかいこの発表が得票数最多で、平成27年度『最優秀賞』に決定しました。
賞金?は事例Sさまのご入居される1F南ユニットの職員さんにお渡ししたようですね。(笑)
このように毎年3月末に行われる事例発表会ですが、看護師による研究発表会などこのような施設内発表会に取り組まれている病院はありますが、介護の分野でこのような取り組みが出来ている施設はまだまだ少ないと思います。
慣れないパソコンを使ったプレゼンテーション作成など大変ですが、このように日頃の取り組みや成果を見える形にまとめ、そしてみんなで共有することはとても大切だと考えます。
こういった発表会に取り組むことは、間違いなく提供するケアの専門性や質の向上につながるものと思います。
今後も引き続き継続していきたいと思います。