こんにちは。
前回、『排便リズムの把握』という記事にて、私たちの取り組む『おむつに依存しない個別排泄ケア』のノウハウについて紹介しました。
毎日、ご入居者と寄り添う介護職員ですが、認知症で十分にコミュニケーションが取れない方であっても、日頃の仕草の変化からおトイレのタイミングを察知して、支援するという場面があります。
このように一般の家庭介護では実現できない暮らしの支援を行う介護職は、間違いなく高い専門性を発揮する専門職だと思います。
このようなノウハウを確立するためには、個々のスキルアップから施設全体の体制づくりまで、みんなで数年かけて取り組んできました。
さて、
この『個々の排便リズム』の把握ですが・・・
ここに画期的な機器が開発されています。
排泄予知ウェアラブル端末「DFree」です。
これホントすごいんです!!
この小さな端末を腹部に装着すると、超音波で体内(直腸)の動きを検知し、排便のタイミングをスマートフォンに知らせてくれるというものです。
「現在、〇%溜まっています。〇分後にトイレの時間が来ます」といったように、その時間まで事前に知らせてくれるというから…さらに驚きです!!
そして、私たちが記録表のデーターから個々の排泄リズムをアセスメントするように、この機器でも排泄時間を記録し、より正確な排泄タイミングを学習し通知の精度向上を行うとあります。
私たちの積み上げてきたノウハウが…これ一つで解決してしまう!?
介護現場における排泄ケアのセオリーが、ガラッと変わってしまうかも知れませんね。
驚きと複雑な気持ちです。(笑)
開発者のトリプル・ダブリュー・ジャパン代表中西敦士氏によると、開発の経緯は米国留学をしていた際に、突然の便意に襲われ、もらしてしまったことから、便を漏らす恐怖で外出しづらくなってしまったという自身の体験がきっかけとなったそうです。
介護者にとって大きな労力が必要な排泄ケアですが、自身の経験から「介護者も大変だが、便を漏らす本人はもっと大変。できれば漏らしたくないし、おむつを着けるようになるのも抵抗がある」と考え、「おむつ(diaper)をフリーにする」という意味を込め、DFreeを開発したという事です。
さらに…
排便の予知だけでなく、排尿を予知するタイプの機器もあるのです。
尿失禁の悩みは高齢者だけでなく、出産経験のある女性にも多くあり、これも需要が多くあると予測されますね。また、子供のトイレトレーニングへの活用など、介護分野だけでなく幅広くそのニーズはあるように思います。
この機器。先行予約の受付がすでに始まっているそうです。
気になる価格は・・・・
•DFreeタイプA(排尿予知)18,000円
•DFreeタイプB(排便予知)24,000円
•DFreeタイプC(排尿、排便予知)36,000円
排泄の問題を解決し、その人の尊厳を守るケア…
でなく、その人の尊厳を守る『機器』の登場です。
1日にしては成り得ない介護職の専門性ですが、機器の活用にて飛躍的に向上できる時代にきているのかなぁ・・・???