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クレール日記

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竣工式 理事長挨拶

只今、ご紹介にあずかりました、社会福祉法人黒潮園の代表を務めます岡 司です。

本日は皆様ご多忙の中、またあいにくの天気により足元が悪い中、当法人の新施設、地域密着型特別養護老人ホーム「クレール高森」の竣工式にご臨席賜り、誠に有難うございます。心より厚く御礼申し上げます。

ここに、こうして新施設が無事に竣工し、皆様にご披露できますのも、ひとえに日頃からご支援、ご協力を頂いております皆様のご尽力の賜物と心から深く感謝申し上げます。

さて、皆様もご存知かと思いますが、ここ1、2年の間に、建築を取り巻く事情は激変しております。震災復興事業、消費税増税の駆け込み需要などの影響により、職人不足、資材の高騰が大きな問題となっており、工事入札の不落が相次ぐなど大変厳しい状況にあります。特に人材不足は当地方においても深刻な状況と言えます。

また新宮市の第5期介護保険事業計画、施設整備計画である本事業は、行政の補助金事業であり、前年度、平成25年3月末までの完成が必須というものでした。

このクレール高森の建築はまさにその激変の建築情勢の中にて着工されました。初回入札の不調により着工が遅れたことも重なり、年度末完成が危ぶまれ、とにかく時間との闘い… 激闘の1年間となりました。

やがて3月末が近づくにつれて、「もう年度内完成は不可能だろう」という声がひろがり、関係行政の方々をはじめ、多くの地域の皆様にご心配をおかけしました。

「三つの別々のものが緊密に結びつくこと。また、三者が心を合わせて一つになること。」を表す三位一体という言葉があります。年度内完成を諦めることなく、最終の最終まで続いた大突貫工事を乗り切ることができたことは、設計士、施工者、そして施主の気持ちが1つとなった、「三位一体」無しには、成し遂げることはできなかったものと思います。

東京の事務所を何度も行き来しつつ現場に常駐し、設計監理に挺身頂いた益田設計事務所、益田滋子設計士、鈴木義一設計士。 また資材の調達や建設要員の確保など、諸般の困難を克服し全力で施工にあたられた、夏山組の皆様に心から感謝申し上げます。

一方で工事期間中は、この高森地区にあがる、勾配がきつく道路幅の狭い市道を、大型車両が往来するなど、近隣の皆様方に大変ご迷惑をおかけしました。あらためまして、この場をお借りしてお詫び申し上げます。



ところで「クレール高森」という施設名称にある、クレール(clair)という言葉ですが、フランス語で、「明るく」「澄みわたった」という意味で、英語ではクリアー(clear)と同じ意味になります。

この海を眺める高台、高森の地に、水平線から昇った太陽が燦々と差し、周囲の木々の緑が映える、まさに明るく澄みわたった様子をイメージし、設計に望んで参りました。

そして、地域の高齢者の方が住み慣れた自宅を離れ、暮らしの場を福祉施設へ移すことを、期待感や魅力感をもって自ら選んで頂けるような、従来の特別養護老人ホームの枠にはとらわれない、「住まい」としての空間づくりをコンセプトとし、計画して参りました。

モダンでいて、どこか居心地の良さを感じる、このお洒落な建物、私たちが提案するこれから未来に向けた福祉施設のイメージを、このフランス語の「クレール」という言葉が表していると言えます。

このように、「これから未来に向けた、次世代の福祉施設をこの地域に築きあげたい」という私たちの想いが形となり、このような立派な竣工式を迎えることができたことは、私にとりまして望外の喜びであります。


いよいよ、この7月1日、地域密着型特別養護老人ホームクレール高森が開設致します。
福祉施設において建物の竣工は一つの節目であり、通過点です。 私たちはこれから、お一人お一人の暮らしに合わせた支援を目指す新たなケア「ユニットケア」に取り組んで参ります。

今日この日を迎え、気持ちも新たに、スタッフ一同、より一層の努力を重ね、業務に励んで参る所存でございます。どうか皆様、今後ともこれまでと変わらぬご指導、ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。

最後になりましたが、ご臨席の皆様のご健勝、ご多幸を心よりお祈り申し上げまして、はなはだ簡単ではございますが、私のご挨拶とさせていただきます。

皆様、本日は誠に有難うございます。

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by kuroshioen | 2014-06-28 23:58 | Comments(0)